ヘゴの育て方|種類、水やり、特徴は?

観葉植物ヘゴの枯れない元気な育て方、特徴、種類について紹介します。

 

観葉植物ヘゴの特徴

  • 学名:Cyathea
  • 科名ヘゴ科:ヘゴ属

ヘゴは日本の暖かい地域に自生している木性のシダになります。性質は高温多湿の明るい場所が好きで、とても大きくなります。南西諸島や台湾、フィリピンが原産になります。世界中に800種類が分布し野生では、5メートルを超す大木になるものもあります。

観葉植物として人気の高いヘゴの品種は「マルハチ」と呼ばれる品種です。葉が枯れて落ちると茎の跡幹に残ります。それが丸に逆さの八を書いたような模様のためマルハチと言われています。

 

学名はギリシア語で「盃」を意味する「キアトス」に由来し葉の裏につく胞子のうの形が盃のように水を受けるような形になっているところから名付けられています

ヘゴの幹は繊維質で、材木として利用したり着生植物やらんの植え付け資材として多く利用されていましたが、乱獲により自生数は減少しつつあります。

大きなヘゴは幹が大きく太く、どっしりとした印象がありますが、これは幹の肥大生長によるものではありません。気根がたくさん出て覆っているので太く見えている状態です。

 

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観葉植物ヘゴの種類

主にヘゴとして知られているのは以下の品種になります。

ヘゴ

約4mになります。伊豆や小笠原諸島と鹿児島県南部から沖縄と暖かいエリアに広く分布しています。

 

 

エダウチヘゴ

約5mになります、南硫黄島に生息します。

 

 

マルハチ

出典:Weblio辞書

10m以上になる大型種です。小笠原諸島で多く見られます。

 

 

ヒカゲヘゴ

7m以上になります。沖縄で多く見られます。

 

 

メヘゴ

約4mになります。小笠原の父島のみに生息します

 

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クロヘゴ

出典:Flickr

1.5mと木性のヘゴの中ではかなり小さめな品種です。八丈島および沖縄で観ることができます。

海外では、ニュージーランドのヘゴ、「シルバーリーフファーン」が広く親しまれ、ニュージーランドではナショナルシンボルとされています。またオールブラックスというラグビーチームではユニフォームのデザインとして使用されています。

 

 

観葉植物ヘゴの育て方

好ましい環境

熱帯地域の原生林などで育ちます。高温多湿で暖かい場所を好みます。日当たりは良い方が好ましいです。寒さには非常に弱いので冬には5度を下回らないように気をつけてください。

 

 

水やり

ヘゴは水切れに非常に弱い性質です。水が切れると、葉が垂れ下がってきます、また新芽が出なくなる可能性があります。気温が高くなる春から夏は生育期でもあるので、しっかりと水をやってください

水をあげる際は茎を覆う既婚からも水を吸収するので、霧吹きなどで株本体もたっぷりと湿らせてください。幹の先端から新芽が出ている場合は、新芽もたっぷりと濡らしておきます

冬は休眠期に入るので、やや乾かし気味に管理します。しかし、乾燥には弱いので、霧吹きなどで幹全体をしっかりと濡らしてあげる必要があります。

 

 

日当たり

明るい場所が好ましいです。直射日光は葉焼けを起こすので避けたほうが良いです。日当たりが悪いと葉の色が悪くなったり、新芽が伸びないことがあります。

ヒカゲヘゴの場合は日当たりが大好きです、日陰を好むのではなく、日陰を作ることからヒカゲヘゴと名付けられています

 

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株選び

幹がしっかりとしていて、葉が綺麗に展開しているものが初めての場合は好ましいです。幹が曲がっているものも流通しています。生育には影響がないのでお好みの立ち姿のものを選んで構いません。

初めて栽培する場合で、冬の管理に慣れていないのであれば、購入は暖かくなってからがオススメです。

 

 

湿度の保ち方

葉や幹を含めて、全体にたっぷりと霧吹きをしてください。多湿すぎるのも蒸れてしまう原因になるので、扇風機やサーキュレーターで風通しを良くしておくとより良いです。

 

 

冬の対策

寒さに弱いので、最低5度は必要です。寒冷地では特に対策が必要になります。窓の近くに置いておくと、外気と変わらない温度になっていることがあります。窓から離しておきましょう。部屋の中央で明るい場所が好ましいです。

 

 

増やし方

ヘゴは胞子で繁殖します。しかし、胞子から波の出る状態になるまで1、2年はかかると言われています。他の草木はもっと成長が早く葉を茂らすのも根をはるのも早くなります。

ヘゴは大きく大木なので、たくさん胞子を散らしてジャングルをヘゴだらけにすると思いきや、なかなか育ちません。育たないからこそ、大きく葉を茂らせ、高く伸び、胞子を大量にばら撒く必要があったと言われています。

 

 

植え替え

ヘゴは頻繁な植え替えは必要ありません。植え替えの際、鉢が変形している場合は、根が傷ついてしまうので無理に引き抜かずに、鉢を切る、または陶器の場合は割って取り出します。

植え替えは、通常の観葉植物用の土を利用して大丈夫です。自分でブレンドする場合は、赤玉土小粒7:腐葉土3の割合で混ぜた土を用意してください。真夏や真冬ではなく、暖かい時期に行ってください。

観葉植物の【植え替え】のコツ|土、時期は?

 

肥料

肥料は春から秋にあげます。チッ素、リン酸、カリが等配合されたものが好ましいです。または、リン酸が多めのものでも大丈夫です。ヘゴは置き場所が大切です。環境が合えば、新芽が次々と伸びます。成長し葉が広がると大変大きな幅が必要になります。

葉がまっすぐ展開するように、広い場所で育ててください。また、全般的に明るい場所が好きなので、日当たりが良い場所を選んでください。

多湿を好みます。冬場はエアコンの暖房によって乾燥気味になってしまうので、加湿器や霧吹きをうまく活用しましょう。観葉植物全体に共通していますが、エアコンが当たる環境は避けてください。

 

 

害虫

ヘゴはカイガラムシがつきやすくなります。暖かい場所ではカイガラムシが発生しやすいので、見つけたら、濡れた布でこすり取るか、ブラシなどでこすりとってください。専用の殺虫剤も有効です。

カイガラムシは他の植物にうつりやすいので、見つけたら他の鉢にも写っていないか確認しましょう。

カイガラムシの駆除、予防方法、原因は?

 

どこに買えるの?

ヘゴは世界中で利用したり加工されたりしています。東南アジアや中南米では彫刻品がお土産売り場に並んでいることもあります。ニュージーランドなどでは原住民が新芽を食用としていました。

しかし、ヘゴ科全般はワシントン条約付属書Ⅱに掲載されています。土産物も含めてヘゴの輸出入には注意が必要です。ヘゴは日本国内の原生林で多く観察することができます。

 

八丈島や、小笠原、沖縄のヤンバル地方などで見ることができます。尚、原生林からは珍しい植物などがあっても決して持ち帰らないでください。生態系を壊す原因となるため観察だけにとどめてください。

また、ガイドを雇ったり、ネイチャーツアーに申し込んで観察会に参加すると植物の生態の有益な情報を得ることができます。ヘゴの幹は不定根と呼ばれる細かい根に覆われています。この幹は保水性が高く、野生の着生植物が多く共生しています。

 

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仕立て

ヘゴは気根を多く出し、葉が大きく広がるので、仕立てを行う場合はしっかりと安定した鉢に植えてください。水が大好きなので、保水性の高い陶器鉢に植えても構いません。

買ったばかりでプラスチックの鉢で管理する場合は、鉢カバーをつけると素敵です。水が大好きなので、カバーの中には鉢皿を敷いておくと管理しやすくなります。

ヘゴは暖かい時期には入手しやすくなっています。店頭にない場合も、相談をすると取り寄せてくれるお店も多いです。購入の際は、観葉植物専門店で購入すると、より詳しいアドバイスを聞くことができます。ぜひチャレンジして見てください。