苔の種類|観葉植物としての育て方、特徴は?

苔というと、ジメジメした日陰で育つイメージがありますが、その種類は豊富で、種類によって育つ環境は様々です。しかも、育つ環境によっては色合いも変わってきます。実は奥が深い苔の種類と育て方について紹介します。

 

観葉植物で人気の苔の特徴

苔は、地面や岩の上などに張り付くように生長して広がる、小さな緑の植物をいいます。地衣類やシダ植物、藻類の中にも「苔」と名前がつく種類の植物がありますが、苔というと、一般的にコケ植物を指します。

コケ植物には、「苔類(たいるい)・蘚類(せんるい)・ツノゴケ類」を総称したもので、苔類には、ゼニゴケ・ジャゴケなどがあり、蘚類には、スギゴケ・ミズゴケなどがあります。また、ツノゴケ類には、ツノゴケなどがあります。

 

地衣類には、『◯◯ゴケ』と名前がつくものが多くありますが、地衣類は菌類と藻類の共生体で植物ではありません。2万種という莫大な品種があるコケ植物の中で、園芸によく使われる蘚類だけでも、日本国内だけで1000種類あります。

しかし、その中で園芸用としてよく用いられる苔は20種類程です。さらに、入手しやすく育てやすい苔となると、ほんの数種類となります。そして苔の最大特徴ともいえるのが、根から養分を吸収しないということと、その繁殖方法でしょう。

 

苔を裏返すと、根っこのようなものはありますが、これは「仮根」といって、土壌から離れないためだけのものなので、そこから養分や水分を吸い上げません。苔は、空位中にある湿気を葉っぱから吸収して細胞を潤し、光合成することで、栄養を作り出しているのです。

また、苔には、他の植物のように種がありません。苔は胞子を作り、子孫を残しつつ母体から切り離された「無性芽」からクローンを作って繁殖するのです。

 

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園芸に用いられる苔の種類

 

スナゴケ(砂苔)

北半球の広い範囲で分布している種類で、日がよく当たる砂地や岩の上に自生しています。スナゴケを上から見ると、小さな星のような形をしていて、葉っぱを密に茂らせ群生しているさまは、まるで星屑が集まっているようです。

乾燥した場所や高温低温など、どのような環境でもタフに生きていくため、育てやすく緑化素材としても利用されています。

 

 

ハイゴケ(這苔)

ハイゴケは、黄緑や茶色っぽい色をしていて、土手や岩、倒木の上などに這うように生えています。生長が早く丈夫であるため、苔玉やテラリウムなどの材料として、最も使われている苔です。

ただ、蒸れやすいく土の上に軽く乗っているだけなので、テラリウムの場合、容器が曇ってしまったり、剥がれやすかったりするのが、難点でもあります。

 

 

ギンゴケ(銀苔)

出典:Wikipedia

このギンゴケは世界中に分布しており、なんと南極大陸にまで生息しています。日本では、野山よりもアスファルトの隙間や歩道の片隅でよく見かけます。

白みがかった薄い緑で、松ぼっくりのように葉っぱが幾重にも重なっているのが特徴です。乾燥や寒さに強いですが、蒸れは苦手なので、夏場に水を与える時は、涼しい時間帯にしてくださいね。

 

 

ミズゴケ(水苔)

森林の湿った場所や水が滴る岩上などに自生しているミズゴケですが、日本の場合、自生しているものは保護の対象となり、採取することは禁じられています。

そのため、園芸の材料として使用されているミズゴケは、外国から輸入したものが使われています。ミズゴケは、排水性が良く、水はけと水持ちのバランスがいいという特徴があります。しかも、土に比べて柔らかいため、根っこを痛める心配がありません。

また、土中の陽イオンを水素イオンに変換する働きがあり、植え込みに使うとことで、根回りの酸性度合い高めてくれます。これらの働きから、ミズゴケは植え込み植物として欠かせないものとなっています。

 

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タマゴケ

見た目がとても可愛らしく、女性の間でも人気が高いタマゴケは、湿った林の中や岩の上に半球状に一塊となって生えています。葉っぱはスギゴケに似ていますが、スギゴケよりも葉色は淡く、黄緑や若草色をしており、葉っぱ自体も柔らかいです。

タマゴケの最大の特徴である「朔(さく)」が未熟な時は、咲きが尖った形ですが、生長ともに透明感を帯びた黄緑色になり、熟すと茶色に変化します。

 

 

シノブゴケ

日陰の湿った土や岩などに群生して生えるシノブゴケは、葉の形や葉色が鮮やかで、園芸の材料としてよく利用される種類です。シノブゴケは、乾燥した環境を嫌いますが、そのような環境下でも葉の縮が少ないのが特徴で、美しい緑色の葉を維持することができるほど丈夫です。

しかし、シノブゴケにとってあまりにも過酷な環境になると、生長をストップさせることがあります。

 

 

ヒノキゴケ(檜苔)

出典:モスファーム

山地の林などの湿度の高い環境で自生しています。葉っぱがふさふさしていて、柔らかい印象を与えるヒノキゴケは、「イタチのしっぽ」という別名も持っています。葉色も鮮やかなことから、造園でよく利用されています。

 

 

観葉植物としての苔の育て方

一括りに苔と言っても、それぞれに生育環境は違います。種類ごとに日照条件など、適した生育環境を整えることが大切です。また、苔の植え方もその性質ごとに変える必要があります。

先ずは、上で紹介した苔の日照条件を紹介します。種類によっては、複数の条件に当てはまるものもあります。

  • 日陰で育つ種類・・・ヒノキゴケ、シノブゴケ
  • やや暗い日陰で育つ種類・・・シノブゴケ、ハイゴケ、スギゴケ
  • 半日陰で育つ種類・・・ハイゴケ、ギンゴケ、スギゴケ、スナゴケ
  • 日向で育つ種類・・・ギンゴケ、スギゴケ、スナゴケ

次に植え方について、3つの方法を紹介します。

 

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まき苔法

この方法は、ほぐして小さく砕いた苔を種のようにまいて植える方法です。この方法の利点は、少量の苔でも和を増やせるということと、苔の生長が揃うということで、一番良く行われている方法です。

使用する中に苔は、細かくほぐしたものをカラカラに乾燥させてまいたほうが、スムーズに繁殖してくれます。しかしこの方法の場合、時間と手間がかかるという欠点もあります。この方法で植えるのに向いている苔は、小型や中型の苔です。

  1. 手でもみほぐしたり、ふるいを使いって苔を細かくする。
  2. 底の浅い鉢や育苗箱に土を入れ、苔同士が重ならないように、均等にまく。
  3. 苔同士の隙間を埋める様に、上から砂をまく。
  4. 鉢や箱の底から染み出るくらい、水をたっぷり与える。この時苔や砂が流れないように注意する。
  5. 土が乾燥しないように、キッチンペーパーなどを容器に被せ、芽が生えそろうまで湿度を保ちながら管理する。

 

 

移植法

これは、苔の小さい塊を植え付ける方法です。広いスペースに植え付けたい時に適した方法で、その時は、苔が立ち上がるタイプの大型の種類のものを利用しましょう。

  1. 植え付ける場所の雑草を、土に成分が残らない除草剤であらかじめ駆除しておく。
  2. 植え付ける場所の土に、腐葉土などを混ぜ耕す。(水はけが気になる場合は、この時に川砂や軽石を混ぜ込むといいでしょう)
  3. 土の表面を平らにし、一握りほどの量の苔を土に差し込む様に植える。
  4. 苔の間に土を入れ隙間を埋め、たっぷりと水を与える。

 

 

貼り苔法

剥がした苔をマットのような状態そのままで、庭や培養土に貼るように植え付ける方法です。短時間で広範囲に苔を植え付けられる場合この方法で植え付けられることが多いです。

手順としては、移植法とほぼ変わりません。苔シートを植え付ける場所に置き、スコップなどで地面と密着させ、苔の間に土を入れ水やりをして、作業終了です。

 

 

苔の観葉植物としてのおすすめ鑑賞方法

ここでは、苔をより楽しむための鑑賞方法を2つ紹介します。

 

 

苔玉

最近、ブームとなっているのがこの苔玉です。ハイゴケはスナゴケで苔の玉を作り、それを器に置いたり吊り下げたりして、苔玉自体を楽しんだり、苔玉を器や土台として、そこに好みの観葉植物を植えたりして楽しみます。

 

 

苔テラリウム

苔玉同様、ブームとなっているのが、苔テラリウムです。こちらは、透明な容器に苔やフィギア、好みの草花などを入れ、様々な世界観を作って苔を観賞します。

どちらも、市販のものを購入して飾ることが出来ます。また少し難しいですが、自分で作ることが可能です。

 

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まとめ

いかがでしたか?苔というと、あまり良いイメージがありませんでしたが、苔を深く知ると、なんだかとても可愛らしく見えてきませんか?

苔玉や苔テラリウムにより、最近では苔がメインとなった鑑賞方法も増えてきました。ぜひあなたも、自分の好きな苔を見つけて栽培を始めてみませんか?