サンスベリアは、空気清浄効果があることから、人気の高い観葉植物ですが、魅力的で個性的な種類が数多くあります。サンスベリアの代表的な種類や希少品種を紹介します。
メジャーで人気なサンスベリアの種類
先ずは、サンスベリアの中でも、比較的有名で代表的な品種を紹介します。ここで紹介するものは、園芸店やホームセンターなどで、簡単に手に入りやすいものが多いです。
トラノオ(ローレンティー)
サンスベリアと言えば、このトラノオを思い浮かべる人が多いと思います。トラノオは別名を「ローレンティー」と言います。上に向かってすっと直立した剣状の葉っぱには、濃い緑と黄緑の、まるでトラのような模様があります。
さらに、葉っぱの縁には、幅の広い黄色の斑が周辺を囲うように入り、そのコントラストが、とても美しい品種です。
ゼラニカ
出典:フラワーコーポレーション
ローレンティーによく似た葉っぱの形ですが、このゼラニカには、ゼブラ柄のようなボーダー柄があるのが特徴です。サンスベリアの品種の中で、特に乾燥に強く、耐陰性があるので、とても丈夫で育てやすいです。
スタッキー
丸い筒のような形をした葉っぱが特徴の品種のスタッキーは、深い緑色をしていて、葉っぱの下部には深い溝が入っています。シュッとしてシンプルに伸びる葉っぱは、シンプルな部屋のインテリアプランツとしてぴったりです。
パテンス
サンスベリアの品種の中でも、特徴的なパテンスは、その樹形からよく「ヒトデが土の中から生えたような形」と形容されるほど、とても不思議な形をしています。
葉っぱは円柱状で固く、1枚1枚が違うねじれ方をしているため、同じ品種を買っても全く別の形になるため、そのオリジナル性を楽しむことが出来ます。
生長はゆっくりですが、広がってねじれたまま生長するので、鉢とパテンスのバランスが取れなくなったら、植替えのタイミングです。
シルバーキング
マイナスイオンを発生させる効果が高いと言われていることから、人気の品種です。また、「シルバーハニー」という別名を持つこの品種は、葉色は銀緑色で美しく、サンスベリアの中でも珍しい品種でもあります。
シリンドリカ(キリンドリカ)
出典:緑の風yamashoku
スタッキーに似ていますが、円筒形をした葉っぱが様々な方向に弓なりに生長する品種です。濃い緑色のベースに薄い緑のボーダー模様が入っています。円筒状の葉っぱは、ムチムチとして可愛らしい印象を与えます。
バキュラリス・ミカド
出典:Green Box (グリーンボックス)
こちらもスタッキーに似た姿をしていますが、細い円筒状の葉っぱはスタッキーよりも細く、シュッと上に伸びる姿は、とてもスライリッシュな印象を与えます。また、濃い緑色の縞模様が入っており、スタッキーより葉先がシャープです。
以前は、希少品種でしたが、最近では割と簡単に手に入るようになってきたようです。
ハニー
葉っぱが放射状に(ロゼット型)広がりますが、長く伸びないので、コンパクトで可愛い品種です。コンパクトなので、卓上に飾るための小さな植木鉢には、ベストな大きさだと思います。
希少品種の珍しいサンスベリアの種類
ここからは、サンスベリアが好きなごく一部の人しか知らない様な種類や、とても帰蝶な品種などの希少品種を紹介します。
ペロッティ-
出典:エドプランツ
葉っぱがまるで扇を広げたように生長する品種です。扇の中心から新芽を出し、生長とともにゆっくりと扇状に広がっていきます。このペロッティ-は、希少価値が高いため、市場での価格もなかなか高価です。
エーレンベルギーという名で流通していることもありますが、実際は、別の品種となります。購入の際は気をつけてくださいね。とはいっても、どちらも希少品種ですが・・・。
ゴールデンハニー
こちらは、代表的なサンスベリアで紹介したハニーの葉っぱに班が入った品種です。ハニー同様葉っぱがロゼット型に広がりますが、葉っぱは長く伸びずコンパクトなため、テーブルやトイレなど、狭いスペースのインテリアに適しています。
エーレンベルギー
出典:エドプランツ
上でペロッティ-が「エーレンベルギー」の名前で流通していると紹介した、本当のエーレンベルギーです。たしかに、見た目はにてないことはないですが、こちらは、希少品種の中でも、特に希少度は高く、生きた化石ともいわれて高価な品種です。
グイネンシス・マノリン
幅広で白っぽい色の葉っぱが特徴で、白い葉がすっと上に伸びる樹形が美しく女性に人気です。生長するにつれて、葉っぱが垂れやすくなるので、そうならないように仕立てるためには、なるべく明るく風通しが良い場所で、水やりを控えめにして管理すると良いでしょう。
グランディス
出典:スーパーサボテンタイム
サンスベリアの中で、一番幅広な葉っぱを持つグランディスは、その樹形がダイナミックで、存在感もバッチリです。
葉っぱは、濃い緑色に淡い緑色の斑がほんのりと入っています。また、1つの株から何枚もの葉をつけるのが特徴で、あまり大きくなりません。さらに、希少品種のわりには、育てやすい品種なので、初心者の方にもオススメです。
ボンセレンシス
丸々と太った筒状の葉っぱが扇状に広がった姿は、まるでグローブをはめた手のように見えるボンセレンシス。希少品種の中では、比較的容易に手に入る品種だと思います。
しかも、耐暑性があり乾燥にも強いので、あまり場所を選ばず、どんな場所でも置くことができ、管理もあまり手間はかかりません。
ロリダ
出典:サンスベリアやロリダの通販Aerophyte
固く肉厚な葉っぱが、扇状に生長していきます。葉っぱには、細いストライプのような筋が入るのが特徴で、生長も非常にゆっくりです。
マニアの間では「キング・オブ・サンスベリア」とも呼ばれているロリダは、流通量が少なく、とても高価な品種です。
マッソニアーナ
幅の広い葉っぱが大きく育つ非常に珍しい品種です。全長は、60cmほどまでに育つ大型種で、葉っぱは、1つの株から1~3枚程度しかつきません。
ヘンニーズゴールド
出典:Pinterest
葉っぱが、緑と黄色のストライプ模様で背丈の低いヘンニーズゴールドは、水やりの間隔を開け、乾燥気味にして、日の光を十分に当てて育てると、葉っぱがカールするという性質を持っています。
小さくて、カールした葉っぱが可愛らしく女性に人気の品種ですが、とても希少で流通量は少ないです。
フランシシー
出典:エドプランツ
鋭い葉っぱが密集して株につきます。その姿はまるでパイナップルの葉っぱのようですが、葉先は鋭く尖っていて結構危ないので、触る時は怪我をしないように気をつけてください。
フランシシーは、他のサンスベリアと比べると生長が早く、花が咲くと生長は止まり、次々に子株を出し始めます。耐陰性はありますが、日照不足になると葉っぱの色が薄く弱々しい株になるため、なるべく日の当たる場所で育ててくださいね。
バナナ
出典:サンスベリアバナナやサンスベリアの通販Aerophyte
葉っぱが青いバナナに似ていることからこの名前がつけられました。葉っぱが生長するにつれて、肉厚に膨らんでどんどんバナナの形に似てきます。葉先にあるツメとの対比も見ていて面白いですよ。
背丈は大きくなりませんが、葉っぱが扇状に広がるため、横に大きくなり、上手く育てると幅が100cmまで生長することもあるため、置き場所には注意が必要です。
マフィンガ
出典:熱帯観葉植物の輸入(個人輸入)は「タイから熱タイ植物!by C&Y TRADING」
こちらも、専門店でもなかなか出回らないほど希少品種のサンスベリアです。葉っぱが丸く波打っているのが特徴で、野性味が強くどこか荒々しい恐竜をイメージさせる葉っぱが人気の品種です。
プフィステリ
出典:EDG’S blog
葉っぱが非常に硬く、また生長が非常に遅いプフィステリは、「怪物」という別の呼び名があるサンスベリアです。
先にも書いたとおり、プフィステリは非常に生長が遅く増えにくいので、購入の際は、太葉の株を選ぶことをオススメしますが、幻といえるほど、とても入手が困難で、大きいものになると、数十万円で取引されることもあります。
サンスベリアの枯れない育て方
ここからは、サンスベリアの育て方の中で、「水やり方法」、「置き場所」「温度」に絞って紹介していきます。
水やり
サンスベリアに水やりをする時にいちばん重要なポイントがあります。それは、『土が湿っている時は水やりをしない』ということです。サンスベリアが枯れてしまう原因の多くは、水を与えすぎることで、土の中が常に湿った状態になり、根っこが腐ってしまう「根腐れ」にあります。
サンスベリアは多肉植物なので、比較的乾燥に強く、頻繁に水やりしなくても萎れてしまうことはありません。水やりの間隔としては、土が白っぽくなり触ると乾燥して固くなった頃に鉢底から水が染み出るまで水を与えて下さい。
鉢底から水が染み出るまで水を与えるというところが重要で、『乾燥とたっぷり水やり』のメリハリが大切です。土が湿っているうちは、絶対に水やりをしてはいけません。
また、水やりの際、鉢底から溢れ出しで受け皿に溜まった水は、必ず捨てるようにしましょう。受け皿に溜まった水でも、根腐れの原因になります。
さらに、サンスベリアは冬になると休眠期に入ります。休眠期は水を吸い上げなくなるので、根腐れを起こしやすくなります。なので、晩秋に入る頃には、水やりを控えて、冬の寒い時期には一切水を与えないようにします。
しかし、暖房の効いた暖かい部屋で管理する場合、空気中の湿度が低く、土の水分も蒸発しやすくなるため、冬だからといって水やりをストップすると、流石に枯れてしまう可能性があります。
土の状態を見ながら、乾燥しているようなら十分に水を与えて下さい。もちろん受け皿に溜まった水は捨てるようにしてください。
置く場所・日当たり
サンスベリアは、赤道近くの熱帯地方が原産であるため、暑さや乾燥に強く、日の光が大好きです。生長期である4~9月は屋外で日光を浴びて生長することで、葉っぱの色が濃くなり、株数も増えます。
室内で管理する場合は、なるべく日差しが入る窓際において管理して下さい。しかし、真夏の厳しい直射日光や西日にさらされると、葉っぱが火傷をしたような状態になるので、レースのカーテンなどで日差しを和らげて下さい。
サンスベリアは耐陰性に優れているので、日差しが気になるようなら、明るい日陰に置いて育てることも出来ます。ただし、そのような場所でだけ育てると、葉が長細く軟弱になってしまう状態になるので、明るい日陰に置く場合は、1日4~5時間ほどレースのカーテン越しに日光浴をさせましょう。
また、寒さや湿気が多い環境が苦手なので、冬場の置き場所にも注意が必要です。冬は窓際からなるべく離して置くようにしましょう。湿度によって株が腐ることもよくあるので、特に梅雨時期や冬場の結露に注意し、なるべく風通しの良い場所に鉢を置いてあげましょう。
温度
サンスベリアは、気温が10℃を下回ると生長が止まり、5℃を下回ると枯れはじめます。10℃以下になると休眠時期に入りるので、特に秋から冬にかけては、最低でも5℃以上、なるべくなら10℃以上の場所で管理するようにしましょう。
いかがでしたか?サンスベリアの種類と、育て方を紹介しました。育て方に関しては、全ての品種がその通りなわけではないので、細かい部分については、購入の際に、店員さんに確認してくださいね。