観葉植物を育てていて、気をつけないければいけないのは、害虫を発生させないことです。植物にとって、害虫は様々いますが、その中でもどんな植物にでも発生しやすい『ハダニ』について駆除方法や予防方法などを紹介します。
観葉植物の害虫ハダニの特徴
出典:どっこい生きてる
大きさ
ハダニは、1mmにも満たない体で、葉っぱの裏に寄生します。寄生した葉っぱの栄養を吸汁するため、植物全体に栄養が届かず、放っておくと最終的には、植物が枯れてしまうこともあります。
ハダニは、ダニという名前がついていますが、実はクモの仲間で、クモのように糸を吐いて、いろいろな所に移動します。体長は、0.3mm~0.5mmととても小さく、しかも、葉っぱの裏に寄生するため、肉眼では見つけにくいという特徴があります。
クモの糸
ハダニは、交尾しなくても卵を生みます。その場合、オスが生まれ受精卵を生んだ場合は、メスが生まれます。この特性から、交尾の有無に関わらず増殖出来るため、一度寄生すると、あっという間に爆発的にハダニが発生します。
ハダニは、気温が高く(20℃~30℃)乾燥した環境のとき、増殖します。クモのように糸を出して風に乗って移動するため、知らない間に衣類やカバンなどに付着していたり、家の周りにある雑草から侵入したりするので、発生原因を根絶することは難しいといわれています。
しかも、どんな植物にでも寄生するため、病害虫の中で一番発生範囲が広く、被害も拡大しやすいです。ただ、簡単に病除することも出来るので、その見つけ方や対処方法さえ知っていれば、それほど怖がる心配はいりません。
ハダニによる被害
ハダニが葉っぱに寄生すると、針に似た尖った口を葉っぱに差し込んで、吸汁します。その痕は、白い斑点や褐色の斑点として残ります。爆発的に繁殖して沢山のハダニが吸汁する事で、葉っぱ全体が白っぽくなったり、ハダニが栄養を吸い取ってしまうため、生育不要になったりします。
また、花の咲く植物の場合は、花の色が悪くなったり、咲く期間が短くなったりします。他にも、落葉してしまったり、花の蕾が開花しなかったり、植物自体が枯れてしまったりすることもあります。
ハダニの見つけ方
小さすぎるハダニを肉眼で見つけることは、なかなか困難です。そのため、寄生された葉っぱの変化によって見つけるしかありません。ハダニが葉っぱに寄生して吸汁することによって、葉っぱには無数の白い斑点が出来始めます。
また、沢山のハダニがそこで繁殖すると、次の葉っぱに移動するために吐いた糸で観葉植物にクモが巣を張ったように、いたるところに糸のようなものが付き始めます。そういった状態が見られたときには、ハダニが寄生している可能性を疑って下さい。
特に、高温で乾燥しがちな梅雨明けから9月頃にかけては、盛んに繁殖して大量に発生しやすいので、特に植物の変化に注意して下さい。
観葉植物のハダニの殺虫剤を使わない駆除方法
出典:ハダニの駆除方法や退治後の予防法まとめ
ハダニが発生した時の駆除方法は色々あります。もし、ハダニの数が少ないうちに発見した場合は、殺虫剤を使わず、家庭にあるセロハンテープで駆除することも出来ます。
また、大量に発生してしまっても、殺虫剤を使わず駆除する方法があります。殺虫剤を使わない駆除方法は、以下のとおりです。
セロハンテープやガムテープを使う
ハダニが寄生している場所(葉っぱの裏に集団で寄生します)にセロハンテープやガムテープなどの粘着性のあるものを貼って剥がす。ただし、粘着力が強すぎると、葉っぱが破れたり傷ついたりするので、注意して下さい。
牛乳を使う
牛乳と水を1:1の割り合いで割って、ハダニが発生している葉っぱに霧吹きなどで吹きかけます。吹きかけたからと言ってすぐ駆除出来るわけではなく、牛乳の膜によってハダニが窒息死するのを待ちます。
ただ、そのまま放置すると、牛乳が腐ってしまい、せっかくの観葉植物や部屋自体が臭くなってしまうため、牛乳を散布した後は、水できれいに洗い流しましょう。
コーヒーを使う
コーヒーは、カフェインが含まれているため、防虫効果が期待できます。インスタントコーヒーを濃い目に水で溶かすか飲み残したコーヒーを使用して、全体にスプレーします。
1日2回、朝夕に特に葉裏に念入りにスプレーして下さい。1日で8~9割のハダニを退治できます。翌日にもう一度コーヒーを全体や葉裏にスプレーすれば、ほぼ完全に駆除することが出来ます。
ただ、ハダニを駆除することが出来ても、コーヒーの香りに釣られて、他の虫が寄ってくる可能性があるので、多用する場合は、注意が必要です。また、飲み残しのコーヒーを利用する場合は、ミルクや砂糖が入っていないブラックコーヒーを使うことをお勧めします。
酢を使う、片栗粉を使う
酢を利用する場合は、「木酢液」や「竹酢液」の他、料理でも利用する「穀物酢」を水で薄めたものを散布しましょう。また、改めて薄め液を作らなくても、葉水をする時、その水に酢を混ぜて散布しても良いです。
ハダニ用の殺虫剤の中には、デンプンを使用したものがあるので、デンプンの代わりに、片栗粉を利用する事で、同じような効き目が期待できます。
2リットルの水に、片栗粉を50g入れ沸騰させながらかき混ぜ続けます。そうやって出来た原液は、使用する時に25倍に薄めたものを霧吹きなどに入れて、散布します。
片栗粉の量が多く、とろみが付いてしまうと、霧吹きなどの容器がつまってしまうおそれがあるので、沸騰によって水が少なくなった時には、水を足すことをお勧めします。
どちらも使用するときには、葉っぱの裏からスプレーするようにしましょう。また、一度の散布で、全滅することはありません。ただ、続けて散布することで、全て駆除することが出来ます。
ハダニ用の殺虫剤も沢山出ています。もし、牛乳や酢、片栗粉で駆除液を作るのが手間だなという人は、そちらを使用されても良いと思います。ただ、ハダニは、ダニではないので、ダニ用の殺虫剤を使用しても、駆除できないので気をつけて下さい。
また、同じ薬剤を使い続けることで、世代交代により抵抗性が出てくるため、殺虫剤や作った駆除液の効き目が悪くなったなと感じたら、薬剤や対処方法を変更して下さい。
観葉植物にハダニがつかないための予防方法
ハダニの発生によって植物は、弱った状態になっています。弱った植物は、特にハダニの被害に遭いやすく、大きく拡大してしまいます。そのため、被害にあって弱ってしまった植物を、1日でも早く健康な状態に戻すことが大切です。
まずは、沢山日の光を浴びられる場所に置き、水やりの管理もしっかり行い、健康な状態に保つようにしましょう。そして、せっかく駆除しても、すぐにハダニを発生させてしまっては、植物は弱る一方です。植物のためには、害虫を発生させない育て方が一番大切です。
ハダニを予防するのに、一番効果的な方法は、『葉水』です。乾燥に強いハダニは、水には弱いという特徴があります。ハダニは、身体が小さいこともあり、強めの水圧で水をかけられると、流れてしまいます。また、葉水をする事で湿度を保つことも出来ます。
ただ、日中の厚い時間に葉水をしてしまうと、葉焼けを起こしてしまうことがあるので、葉水をするときは、朝夕の涼しい時間帯に葉っぱの表裏にまんべんなく水を吹きかけて下さい。毎日葉水をする事で、ハダニの発生を予防することが出来ますし、もし、再び発生しても、駆除することが出来ます。
まとめ
いかがでしたか?どんな植物にでも発生するハダニ。一度寄生してしまうと、あっという間に増殖して、その被害が拡大してしまいます。
ただ、日々植物の変化を気にかけることで、その被害を最小限で食い止めることが可能です。毎日の葉水でハダニの発生を防除して、観葉植物の健康な状態を保ちましょう。