盆栽初心者が始めるための準備と育て方について

最近ブームの盆栽。育ててみたいけど、なんだか難しそうなイメージがありますよね。盆栽の木といえば『松』が有名ですが、実は、梅や桜、モミジなど鉢で育てることが出来る樹木であれば、なんでも盆栽に出来るんですよ。

ここでは、初めて盆栽を育てる人向けの、盆栽の育て方を紹介します。

 

盆栽とは?

盆栽というのは、植物の栽培方法の1つで、鉢に植え付けた樹木を観賞用に美しい姿に仕立てたものです。また、梅や桜、松のような樹木だけでなく、山野草のような草花を植え付けて楽しむことも出来ます。

盆栽の中には、「ミニ盆栽」と呼ばれるものもあり、樹高が10cm以下のものをそう呼びます。また、樹高が20cm以下のものは「小品盆栽(しょうひんぼんさい)」と呼ばれています。

ミニ盆栽のようにサイズが小さい盆栽であれば、それほど場所を取らないので、室内のちょっとしたスペースに置いて育てることが出来ますよ。

 

 

盆栽初心者が始めるための準備

盆栽を育てるためには、いろいろな用具が必要になります。盆栽を始める前に、まずは用具を準備しておきましょう。

 

必要な用具

  • 用土(市販されている盆栽用の土または苗にあう配合をされた土)
  • 剪定ばさみ
  • ヘラ付きピンセット
  • 鉢(鉢底に穴が空いているもの)
  • 鉢底ネット
  • 鉢底石
  • 針金(鉢底ネットを固定するのに使います)
  • 長い棒又は箸(土を隙間なく敷き詰めるために使います)
  • 育てたい植物(樹木と苔)

ヘラ付きのピンセットは、ピンセットで雑草を抜いたり苔をカットしたりと、盆栽の日々のお手入れの時に使用します。また、枝葉の整理のときも使用するので、ぜひ用意しておくと良いでしょう。

用土を購入する時は、植える植物によって配合が変わるため、市販されていた盆栽用の土ない場合、園芸店の人に植物にピッタリの土や配合を教えてもらうと良いでしょう。

盆栽を始めるための用具は、細々としたものも含め結構あるので、園芸店などでまとめて用意すると、手間がかかりません。

 

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盆栽の作り方

準備物が整ったら早速盆栽を盆栽鉢に植え付けましょう。では、手順を紹介します。

 

①…盆栽鉢に鉢底ネットを敷き、その上からコの字型にした針金で、ネットの穴に針金を通して、針金の先を鉢の穴から出し裏で針金を曲げて固定する。

 

②…苗をポットから取り出し、周りについた余分な土を水洗いして落とし、慎重に根っこをほぐします。この時、根っこを傷つけたないように気をつけてくださいね。もし、根っこが伸びすぎているようなら、鉢に入るくらいに入り揃えてください。

 

③…ネットを置いた鉢に鉢底石を入れ苗を鉢に植えます。根っこをなるべく広げ、その周りに用土を入れます。用土は根っこの隙間まで隙間なく敷き詰めることが最大のポイントとります。用意した長い棒(又は箸)で突くようにして埋めると、根っこの間まで土を埋めることが出来ます。

 

④…土を入れ終わったら、鉢底から透明な水が出るまでたっぷりと水やりして完成です。苔も用意している場合は、水やりが終わった後に土の上に苔を貼りましょう。苔は鉢より少し大きめのものを選び、土に埋め込むように貼ってください。

 

 

盆栽鉢について

盆栽の盆というのは鉢を指し、栽は樹のことを指すと言われてています。盆栽は、主役となる樹木、それを飾る鉢や根元に添えられている山野草や苔など、すべての調和がよく取れているほど観賞価値が上がります。

さらに、鉢の質によってそこで育つ植物の生長にも影響が出てくるので、鉢選びも大切な作業となります。ここでは少し盆栽用の鉢について説明したいと思います。

 

盆栽鉢の条件は?

盆栽で使用する鉢にとって重要になってくるのが「通気性・保水性・排水性がいい事、太陽熱を吸収してくれる事、形や大きさが適している事」の3つです。

通気性や保水性、太陽熱を吸収してくれる鉢という点では、盆栽のみならず、観葉植物を育てる場合においても言えることで、それらの条件にあう鉢を選ぶことで、植物の負担を和らげ健康に育てることができやすくなります。

形や大きさに関しては、育てる植物に合わせそれと調和する形状と大きさの鉢を選ぶようにしましょう。

 

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盆栽鉢の種類

盆栽鉢は、産地、焼き方、型によって大きく3つに分類できます。産地には、中国製のものと日本製のものがあります。

鉢の焼き方には、釉薬(うわぐすり)をかけて焼いた『釉薬物』とそのまま素焼きにした『泥物(でいもの)』があり、釉薬物は光沢や華やかさがあり保湿性にも優れています。反面、通気性や排水性はあまり良くないため、土選びと植え方が重要になります。

 

泥物の鉢には、焼いた温度によって「焼締(高温で焼いたもの)」と「素焼き(低温で焼いたもの)」に分類されます。どちらも釉薬がかかっていないため、通気性や排水性、熱の吸収に優れており、自然な風合いや素材感があります。

盆栽鉢の型は様々で、見る角度によっても分類が異なり、真上から見た時縁の形で分類したもの、真横から見た時の胴の部分の形で分類したものがあります。

 

 

鉢選びのポイント

盆栽鉢には、様々な種類のものがあります。それらの中から適したものを選ぶとなると大変な作業になります。盆栽鉢の選び方のポイントとしては、外観だけでなく鉢の機能性も重視して、育てる植物の特性にあった鉢を選ぶと良いでしょう。

基本としては、松柏類の樹木であれば、泥物の鉢がよく使われています。中でも松を育てる場合は、長方形の鉢や朱泥・紫泥といった盆栽鉢を使うことで、松の素晴らしさが引き立つといわれています。

 

桜や梅、モミジなど花や紅葉を楽しむような樹木には、釉薬(うわぐすり)がかかった鉢がとの相性が良いです。

桜や梅などの花を楽しむ盆栽の場合は、花が目立つように存在感はありつつ落ち着いた色合いの鉢を選び、秋に実をつける植物や紅葉を楽しむ盆栽の場合は、青系統の鉢を使用することで、紅葉した葉っぱや身のついた枝を引き立ててくれます。

また、黄色や白系統の盆栽鉢であれば、新緑の葉っぱを引き立ててくれるので、盆栽の種類を問わず使用することが出来ますよ。

 

 

盆栽の日頃の手入れ、育て方

水やり

基本としては、鉢植えで植物を育てる時と同様に、「土の表面が乾いたら鉢底から水が流れるまでたっぷりやる」のですが、盆栽の場合、植木鉢で育てる観葉植物と違って土の量が少ないので、乾燥しやすくなっています。そのため、水やりは頻繁にする必要があります。

植え付けた後1ヶ月間は1日に2回位水やりをしましょう。それが過ぎたら夏場は1日2~3回、様子を見て土が乾いているようなら水を与えましょう。

春と秋には1日1回、冬場は、目安として2~3日に1回程度ですが、様子を見て土が乾いてきたら水やりをするようにしてください。また、冬場の水やりは、午前中の暖かい時間帯に与えると、霜が降りる心配が少なくなります。

 

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置き場所

日当たりと風通しの良い屋外において育てるようにしましょう。ただ、季節によって寒暖差や気候の変化があるので、冬場、霜が降りそうなほど寒くなれば室内へ移動し、梅雨の雨が多い時期には、あまり雨が当たらない軒下、真夏にはチョ王車日光を避けた場所に移動するようにしましょう。

室内で育てるときには、定期的にできれば晴れた暖かい日を選んで、屋外に出して日光浴させてあげてくださいね。

 

 

剪定

本来大きく育つ樹木を小さく育てるのが盆栽です。ですから、植えた樹木を小さく仕立てるための剪定はとても重要です。

とはいえ、初めて盆栽を育てる場合には、枝葉のどの部分をカットすれば良いのか悩みます。まずは、長く伸びてしまった枝や枝同士が重なり合っている部分、真上や真下に向かって伸びている枝を、樹木全体のバランスが崩れない程度に切り落としましょう。

選定のポイントは、枝同士が交差している部分を作らないことです。また、花や実をつける樹木である場合、咲き終わった花や実は早めに摘むようにしましょう。

 

 

植え替え

植え替えは、植物が健康に生長するために重要な作業です。というのも、年月が経つと、鉢の中は生長した根っこでいっぱいになります。そうなると、上手く水分や養分を吸収することができなくなり、枯れてしまうことがあります。

そうならないために、鉢から植物を根っこごと取り出し、根っこをほぐして伸びすぎたり傷んだ根っこを入落とした後、根っこが鉢に収まるように切り詰め、新しい土に植え付けます。

植え替えのタイミングとしては、生長が早い樹木の場合は2~3年毎に、ゆっくり生長する樹木の場合は3~4年毎に植え替えをするようにしてください。植え替えの手順としては、根っこの処理をした後は、植え付けとほとんど一緒です。

 

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まとめ

今回は、盆栽の育て方について紹介しましたが、いかがでしたか?盆栽というと、なんだか難しそうですが、観葉植物を育てるのとそれほど大きく変わりはないですよね。

強いて言えば。毎日観察して、樹木の変化に気づくことが、初めて盆栽を育てる時のコツと言えると思います。そうすることで、盆栽への愛情もより深いものとなると思います。ぜひ、盆栽に挑戦してみてはいかがでしょうか?