メジャーな人気の観葉植物ジャスミンの枯れない元気な育て方、種類、特徴について紹介します。
観葉植物ジャスミンの特徴
モクセイ科ソケイ属のジャスミンと呼ばれる植物は世界の熱帯、亜熱帯に約400種類があります。アフリカ、東南アジア、太平洋諸島に多く耐寒性と非耐寒性のものがあります。
ツル状に成長するものもあれば 直立するものもありますがいづれもほとんどの種に花が咲きます。花は強い芳香があり香水や芳香剤、またジャスミンティーなどに使われます。
日本でもハゴロモジャスミンやオウバイなどは耐寒性もあるため暖地では露地栽培されています。ハゴロモジャスミンなどつる性のものは 葉も密に茂り目隠しにもなり、鑑賞価値も高いことから庭植えにしてフェンスやラティスにからませたりされることもあります。
「ジャスミン」とは総称で品種によっても耐寒性などが若干異なりますが基本的には日当たりと水を好みます。育て方も難しくなく花付きもよいので初めてベランダガーデニングに挑戦するときなどにおすすめの品種です。
観葉植物ジャスミンの種類
ホワイトプリンセス
ジャスミンの仲間で細かい葉に可憐な甘い香りのする白い花をたくさんつけます。半つる性で枝は長く伸びると垂れてきますが 自力でどこかに巻きついたりすることもないので支柱をたてれば自由自在に形を変えられます。
開花時期は初春から晩秋まで長く 耐寒性も多少あるのですが 真冬の屋外の寒さはこたえるので鉢管理で真冬は室内に移動できる環境が適しています。
ハゴロモジャスミン
出典:花咲マニアとアロマさん
中国原産でピンクの蕾に優しい芳香のする白い花を咲かせます。つる性で耐寒性もあるため0℃を下回らないような場所であれば屋外でも越冬できます。
そのため地植えにしてガーデンフェンスに絡ませて成長させることもできますし、鉢植えのものであれば行灯状の支柱を立ててぐるぐると回転させてからませたり 釣り鉢に植えて上から垂らしたり装飾の幅も広がります。
マツリカ(アラビアジャスミン)
出典:YuHa
インド、スリランカ、イラン、東南アジアなどで自生しています。花は香りが強く花冠がジャスミン茶に使用されます。自生地では半ツル性の常緑低木で一年中葉を落とすことなく花が咲きます。
日本では沖縄以外は鉢植えにして室内で越冬させたほうが無難でしょう。日本では夏の夕方から早朝に花が咲く1日花で朝方ジャスミンのいい香りがあたりを漂います。
ソケイ
出典:日々身辺抄
インドやパキスタンなど南アジアの高所で自生していて中国を通じて日本に伝わったとされています。
インドでは葉をアーユルヴェーダや漢方薬に、白く芳しい花は女性のヘアアクセサリーに使用されます。庭木や鑑賞用の鉢物としても出回りますが、日本ではマツリカやハゴロモジャスミンのほうが流通量が多いです。
オウバイ(黄梅)
出典:ひげ爺さんのお散歩日記
中国が原産の半つる性低木です。2月下旬から4月頃、葉が出る前に梅に似た黄色い花を垂れ下がる枝の先にさかせます。
他のジャスミンとは形状が異なり、花も香りがしませんが同じ仲間になります。英名でウィンタージャスミンと呼ばれています。
シルクジャスミン(ゲッツキ)
6~9月に白い花を咲かせる観葉植物、庭木向けのジャスミン。ゲッツキとも呼ばれていて、育てやすく、ぐんぐん伸びていくのが特徴です。
観葉植物ジャスミンの育て方
日光・温度・置く場所
ジャスミンは日当たりの良い場所で育てます。寒さに強いハゴロモジャスミンは霜に当てなければ屋外でも越冬できますが ホワイトプリンセスやマツリカは若干寒さに弱いので移動ができる鉢管理が適しています。
春から秋にかけては屋外で、冬も多少寒さに当てると花が咲きやすいといわれています。10℃を下回るようになってきたら屋内に移動し時々日中に屋外にだして日光浴をさせると_元気に越冬することができます。一年中屋内管理で日照不足になると花が咲きにくくなります。
水やり
鉢管理のものは土が乾いたら一年を通してしっかり水をあげます。水はとても好きなのであまり神経質にならずに乾いたら与えることが基本になります。
屋外で地植えされているものは、植えて間もない幼木は土の乾燥が気になったら与えます。しっかりと根付いたものは自然の降雨や土に含まれる水分で十分です。
土
よく肥えた土を好みます。市販の培養土であれば肥料が配合されているものもありますので十分です。配合する場合は赤玉土6・腐葉土4程度を混ぜあわせます。
肥料
真夏を除いて春~秋にかけて液肥か 緩効性肥料を適宜与えます。
植え替え・植え付け
根詰まりを起こしているときは春先に植え替えをします。植え替えは多少ストレスがかかりますので植え替える前に枝を切り戻しておきます。
ひとまわり大きな鉢に植え替えて水をたっぷり与えてしばらくは半日陰の場所で管理します。苗を地植えにする際も春先に培養土と共に植え付けます。成長を考えて伸びていく先をイメージしながら植え付け場所を決定します。
ハゴロモジャスミンは絡ませた後に移動させることは困難なのであらかじめ決めておきましょう。しっかりと根付くまでは直射日光や強い西日を遮光して 水切れに注意しながら管理します。
増やし方(挿し木)
挿し木で増やすことができます。8月上旬から9月下旬、その年に伸びた枝を2~3節切り取ります。節の下で斜めに切り赤玉土など無菌性の土に挿して発根させます。その際は土が乾かないように霧吹きで水を与え、半日陰の場所で管理します。
しっかりと発根したら鉢上げといって 上記の土に植え付けます。その後も安定して根から水を吸い上げることができるようになるまで 突然外に出さずに様子を見ましょう。
剪定
春から夏にかけて旺盛にツルが伸び、秋から春、気温が下がると成長がとまり花芽が作られます。このため剪定は花後なるべく早い時期に主となるツル以外の脇芽を間引きます。
摘芯
花は枝の先端につけます。花が終わったら新芽を切って摘芯して脇芽を出します。脇芽で出てきた新芽をさらに切って株全体にボリュームをもたせます。そうすることによって花付きが良くなります。
仕立て直し
花期が終わって冬を越えて仮に寒さで葉が落ちてしまったときや ボリュームが出すぎて仕立てなおしたいときは春先に根元から切り戻します。そうして新たな新芽をだして 株全体をリニューアルさせることもできます。しかし強剪定したものは翌年花が咲きにくくなります。
ジャスミンの花
可憐な白い花びらに甘い芳香のするジャスミンの花は「優美」「愛らしさ」「官能的」などの花言葉があります。また、「ジャスミン」とはペルシャ語の「yasmin」に由来して「神からの贈り物」の意味があります。
人口的にジャスミンの香りを作り出すことはむずかしく、天然の花から採取される香料はとても貴重なものといえます。その花の香りと効能を最大限に生かしたものがジャスミンティーです。主に茉莉花の花が使用されます。
緑茶やウーロン茶に花の香りを移した飲み物ですが、香りによるリラクゼーション効果だけでなく、美肌効果やダイエット効果もあるといわれています。ビタミンCやミネラルを豊富に含むため美肌効果があり、脂肪の分解を促進することから食事前に飲むことで
ダイエット効果が得られるとゆうわけです。ジャスミンの香り成分の中に脳をリラックスさせ、不安や緊張を緩和させるアロマテラピー効果もあります。同時に集中力も高めてくれるため古くからジャスミンの花は重宝されてきました。まさに神からの贈り物ですね。
まとめ
ジャスミンは育てやすく仕立て方も多様なため観葉植物としても、また庭を飾る植栽としても選ばれることが多いです。冬が終わり春から秋にかけて長い期間咲かせる優美な花の香りは存在感があり、ときに花芽が増えたものなどは香りが強すぎてしまう場合もあるほどです。
隣家との境目などに植える際には香りが出ることを踏まえ植える場所を検討する必要があるでしょう。しかし香りの効能は素晴らしく、とくに女性にはジャスミンの香りは味方になってくれます。茂らせたくない場合は鉢管理で小さく仕立て、ほのかな香りを楽しみましょう。