アスプレニウムの育て方|病気、害虫、テラリウムは?

アスプレニウム=タニワタリ(アビス)の枯れない元気な育て方、特徴、テラリウム、病気や害虫について紹介します。

 

観葉植物アスプレニウムの特徴

出典:the Farm UNIVERSAL ONLINE SHOP

チャセンシダ科アスプレニウム属のアスプレニウムとはチャセンシダと呼ばれるシダ植物の仲間で世界の熱帯から寒帯に約700種ほど分布し、日本の暖地にもオオタニワタリなど約30種ほどが自生します。原生地は日本の暖地、済州島、台湾。

オオタニワタリはとても大きく葉は大きい株で1mくらいの長さになり、その葉が中心の塊状の根茎から放射状に伸び、直径2mにもなる巨大な株も自生します。うっそうとした薄暗いジャングルのなかで主に樹上や岩石などに着生してたくましく育ちます。

沖縄などではオオタニワタリの新芽を食材として用いることもあります。鉢植えの観葉として小さいサイズで出回るのがアビスで、オオタニワタリのミニチュア版と言えます。細い葉は放射状に広がり光沢のある明るい緑色で、とても爽やかな印象です。

 

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観葉植物アスプレニウムの育て方

出典:アカキ

日光・置く場所・温度

アスプレニウムはじめっとした高温多湿な環境を好みます。反対に直射日光の当たる乾燥した場所を苦手としますので、できるだけ日差しをさけ明るめの半日陰の場所で管理します。

5℃以上の気温があれば越冬できます。

 

 

水やり

アスプレニウムは高温多湿を好むため、常に株の中心を乾燥させないようにする必要があります。5月~9月は土が乾いたらたっぷりと水をやり、土が乾いていない時でも中心から葉にかけて葉水を与えます。

気温が下がってくる10月頃から土への水やりを徐々に控え葉水に切り替えます。(葉水とは、葉から少し離して霧吹きで水を吹きかけ葉から水分を吸収させること。病気や害虫の予防にもなります)

日本の屋外でも越冬できるだけの耐寒性を持ちますが、乾燥に弱いので外に置いておいて気がついたら枯れていたとゆうこともあります。できれば室内管理で時々葉水を与えながら空中湿度を高めてあげると冬でも美しい葉を維持できます。

 

 

腐植質で保水性、水はけの良い土を好みます。

市販の観葉植物用の土か赤玉土6・腐葉土4などで混ぜ合わせます。ピートモスを配合しても保水性が上がりよいでしょう。水苔などを土の表面に敷き詰めると土の乾燥を防ぐことができます。

 

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肥料

真夏をさけて5月~9月に2、3ヶ月に一回、緩効性の化成肥料を置き肥します。

 

 

植え付け・植え替え

大きく育ち、鉢とのバランスが悪くなった株は植え替えします。葉を持ち上げ軽く縛り、鉢から根を抜いて古い土と根を1/3程度落とします。ひとまわり大きな鉢に新しい用土を入れ植え付けます。

植え付け植え替えは、気温がしっかり上がった5月~梅雨時期が適しています。

観葉植物の【植え替え】のコツ|土、時期は?

 

アスプレニウムの病気・害虫

出典:大阪市福島の観葉植物の店 OSLO オスロ

カイガラムシ

葉や茎、幹について養分を吸汁して繁殖する、固い茶褐色の殻に覆われた虫です。蜜状のべたべたした排泄物を出すため生育不良を起こすことがあります。成虫は見つけ次第取り除き、べたべたする場合は洗い流します。白い粉をまとったものはコナカイガラムシです。

カイガラムシの駆除、予防方法|成虫になったら注意

 

ナメクジ

アスプレニウムが好む環境はナメクジも好みます。屋外で暖かい時期に発生しやすく葉や新芽など、食べられる場所であればどこでも食害します。

夜間に屋外で活動しているナメクジは昼間は鉢下などにひそんでいることが多いので、もしキラキラと光るナメクジが通った跡を発見したら鉢底などをさがしてみてください。市販のナメクジに効く薬剤なども売られています。

 

 

ハダニ

乾燥した環境で、春~秋に葉や花に発生し汁液をすって生きています。発見したら水で洗い流すか、被害がひどい場合は殺ダニ剤を散布します。

ハダニの駆除、予防方法|観葉植物を害虫から守る

 

炭疽病

春から秋に葉に茶褐色の斑点が生じ、次第に大きな円形となって広がり、病変部が枯れることがあります。これを炭疽病といいます。根詰まりや根腐れなどで枯れる場合と見間違えないように注意が必要です。

病変した葉は取り除いて市販の農薬を散布します。

 

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軟腐病

梅雨時期~秋口まで、高温多湿な状態が続いたり、土の水はけが悪いときなどに発症する病気です。

カビが原因による病気で、茎の傷口などから細菌に感染します。株の根元付近が腐ってしまいますので予防のためにも風通しのよい水はけの良い土で育てます。

 

 

アスプレニウムのテラリウム

出典:Green Box (グリーンボックス)

アスプレニウムは高温多湿を好み、強光線を苦手とすることから容器の中で栽培するテラリウムも適しています。透明の容器の中に作り出されたミニチュアガーデンをテラリウムと言います。

葉や用土から蒸発する水分がガラスの内側で水滴となって再び用土に戻り、湿度はほぼ安定して保たれます。

内部の湿度を保つには開口部が小さいものが適しています。テラリウム専用の容器も販売されていますし、使い終わった食材の空き瓶などを利用するのもよいでしょう。

 

 

作り方

  1. ガラスベースの底に水腐れ防止剤を入れ、その上に容器の高さの1/5ほどのハイドロボールをいれます。
  2. 苗をピンセットや箸でバランスをみて植え付けていきます。鉢から抜いて土をきれいに洗い流した苗を使ってもよいですし、水耕栽培用に販売されている苗も長持ちします。
  3. 植物が倒れないように、スプーンなどを使って根に土を寄せて固定します。
  4. ハイドロボールの1/5ほどまで水を与え、時々葉水などで加湿します。

 

植え付ける際のポイントは選んだ植物を容器にあわせてバランスよく配置することです。また2~3種植える場合は同じような水分吸収になるシダ植物を一緒に植えるとよいでしょう。(マザーファーンやプテリスなどがおすすめ)

メインになる植物をやや高い位置に植え付け、それを背にするように小さめのものを植え付けるとよいです。このとき注意しなければいけないのは密集させすぎないことです。

あまり密集させすぎると蒸れて植物が痛む原因となるからです。ある程度の大きさのアビスであれば近所鉢などに単体で植え込んでもみずみずしいインテリアが出来上がります。

 

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まとめ

アスプレニウムはシダ植物の中でもグリーンが鮮やかでインテリアにもなじみやすく、育てやすい植物になります。乾燥に気をつけて葉水を与えながら育てることで人の暮らしにも潤いをもたらし、癒しの空間作りに一役買ってくれます。