鉢植えで育てる植物といえば、パキラやガジュマルなどが有名ですが、クリスマスに欠かせない、あの『もみの木』も鉢植えで育てられるということを、知っていますか?もみの木を鉢植えで育てる方法や室内に入れる時の注意点を紹介します。
もみの木とは?
もみの木といえば、クリスマスツリーで有名なので、その姿を見たことがある人は多いと思います。もみの木は、マツ科の植物で常緑針葉樹です。クリスマスツリーのイメージが大きすぎるため、海外で自生しているイメージがありますが、実は日本でも、本州から南の地域で自生しています。
枝は四方に向かって生え、上に行くにつれ四方に伸びだ枝は短くなり、円すい型のいかにもクリスマスツリーといった樹形に成るのが特徴で、葉っぱは、1~3cmほどの細長い形をしており、枝に沿って密集して生えています。春先に枝の先に小さな花を咲かせます。
もみの木を地植えで栽培すると、とても大きく生長し、樹高が45mほどにまでなることもあります。しかも、もみの木の生長は早く、1,5mほどの苗木も5年位経つと5mほどにまで生長します。
そんな生長が早く大きくなるもみの木だからこそ、鉢植えで大きさを制限して育てることがオススメなのです。
観葉植物もみの木の育て方
苗植え
もみの木は、鉢植えで販売されているものもありますが、「根巻き」といって苗の根っこが麻布でくるまれた状態で販売されていることが多いので、そのような状態で購入した場合は、自分で鉢に植え付ける作業が必要になります。
苗植えに必要なものは、『鉢・土・鉢底ネット・鉢底石』です。鉢は、必ずもみの木を購入してから用意するようにしましょう。もみの木の苗植えは、「根巻き」のまま鉢に植え付けます。
根巻きの大きさは、苗ごとに違っているため事前に鉢を購入してしまうと、鉢に根巻きが入らないということが起こってしまいます。そのため、必ず購入した根巻きの大きさを見て(若しくは測って)その根巻きがすっぽりと収まる大きさの鉢を用意して下さい。
ちなみに、鉢は鉢底に向かって細くなる台形の様な形をしているので、根巻きに合わせた大きさを測る場合は、鉢底の大きさで合わせてくださいね。用意する土に関しては、ホームセンターや園芸店で販売されている培養土で十分です。
自分で土を作る場合は、赤玉土:腐葉土=7~8:2~3の割合で混ぜた後、1~2週間寝かせた土を使用することをお勧めします。準備物が用意できたら、いよいよ苗植えです。購入した時に根巻きに梱包用のビニールなどがされている場合は、事前にそれを外しておいて下さい。
根巻きに使われている麻布や麻ひもは、そのままにして鉢にもみの木の苗をすっぽりと入れます。その後、空いた隙間に土を入れていくのですが、そのままザザッと入れただけではスカスカになってしまうので、時々手で押しながら土を隙間なく入れていって下さい。
麻布や紐は、そのまま土に埋待った状態でも、そのうち土の中で分解されていくので、心配はいりません。土が入ったら、鉢底から水が染み出るくらいたっぷりと水を与えます。
その後、葉っぱを留めてあるヒモがある場合は、それを外すのですが、紐を外すと葉っぱが広がってしまうので、もし、植え付けが終わった鉢を部屋に移動したい場合は、設置したい場所に鉢を持っていったあとで葉っぱを留めたヒモをはずした方がいいでしょう。
水やり
もみの木は乾燥に弱いので、土が乾いたら水やりをして下さい。もみの木が小さい幼木の間や夏場に、水切れを起こして根っこが乾燥すると、翌年の夏から秋にかけて、葉っぱが茶色くなって枯れてしまうことがあります。
特に、生長期である夏場は、暑い時期であることもあり、土が乾きやすいので、毎日土の乾き具合を確認するように心がけましょう。
ただし、土の中が蒸れた状態になると、根腐れといって根っこが腐って枯れてしまうこともあるので、夏場の水やりは、朝や夕方などの涼しい時間帯にするようにしましょう。
肥料
使用している土が、肥えた土であれば、改めて肥料を与える必要な有りませんが、新芽が出る頃に木が弱っている様子が見られたら、化成肥料を与えて下さい。それ以外の時期は、肥料を与える必要はありません。
置く場所
針葉樹は、日当たりの良い場所を好むので、日当たりと風通しの良い場所で管理すると良いでしょう。しかし、もみの木は耐寒性はあるものの、耐暑性はあまりないので、真夏の時期には明るい日陰か半日陰の場所に移動させたほうが良いでしょう。
また、枝や葉っぱが壁に触れた状態で育つと、触れた場所の枝や葉っぱが傷みます。ですから、もみの木を置く時は、枝や葉っぱが壁などの障害物に触れない広めのスペースに設置しましょう。
植え替え
植物を鉢植えで育てる場合、定期的に「植替え」という作業が必要になってきます。植え替えというのは、生長した植物を新たに大きい鉢に植え替える作業をいいます。
これは、生長した根っこが鉢の中一杯になって根詰まりを起こし、それが原因で生長不良になったり枯れたりすることを避けるための大切な作業です。もみの木は生長が早いので、鉢に植え付けてから1~2年に一回の間隔で2~4月頃に植え替えをしましょう。
では、植替えの準備物や手順を説明します。
用意するもの
- 一回り大きい鉢※もみの木がある程度(自分の好みの)大きさになっていたら、同じ大きさの鉢で大丈夫です。
- 培養土
- 鉢底ネット・鉢底石
手順としては、鉢から株ごと引き抜いた後、根鉢(根っこが土を絡めたまま鉢の形になっている状態)を崩さずに、一回り大きい鉢に植え替えます。鉢から引き抜いた後の植え替えの手順は、苗植えの方法と一緒です。
ただ、もみの木を現状より大きくしたくない場合は、根鉢を少し崩してから植え替えをします。鉢からもみの木を引き抜いた後、根鉢を半分ほど崩し、黒く傷んだ根っこを取り除き、その他の根っこを、根っこの先から1/3くらいの場所で切ります。
その後、同じ大きさの鉢に植え付け、鉢底から染み出るまで水を与えます。この方法で植え替えた時は特に、根っこが新たに伸びてくるまで、乾燥は厳禁で、土の表面が乾燥したらすぐに、鉢底から染み出るまでたっぷりと水を与えて下さい。
剪定(せんてい)方法
観葉植物を育てる場合、剪定といって、樹形を整えたり、枝や葉っぱが込み合って風通しが悪くなっている部分を切る作業が必要になってくることがあります。
もみの木の剪定は、11月から3月頃に行うのが最適です。この植物の場合は、自然に任せておいても、樹形は結構綺麗にまとまってくれますが、大きく生長しすぎた場合や、枝葉が生えすぎて込み入っている箇所は、不要な枝を付け根から切る必要があります。
筆者の家にももみの木があり、時折剪定をするのですが、枝を間引いたり高さを低くするために幹を切る時は、小型のノコギリを使い、樹形を整えるための剪定は、枝切り鋏を使っています。
ただ、我が家の場合、地植えであるため、大きく生長しているので、ノコギリを使っていますが、鉢植えの場合は、ノコギリでなくても、園芸用のハサミやがあれば事足りるかもしれません。
もみの木を室内で育てる時の注意点
もみの木は、日差しが大好きな植物なので、ずっと室内で栽培するとなると、どうしても光量が少なくなるため、もみの木が弱ってしまいます。ですから、もみの木を鉢植えで育てる時は、基本として屋外の風通しと日当たりが良い場所で育て、クリスマスシーズンの数日間限定で室内で育てるようにして下さい。
ただ、短い期間であっても、乾燥や風通しには、気をつけなければいけません。暖房の付いた室内は、乾燥しがちなので、土の表面が乾いたらすぐにたっぷりと水を与え、受け皿に溜まった水は、根腐れを防止するために、その都度捨てて下さい。
また、寒い冬にはどうしても、窓を開けて換気する機会が減り、風通しが悪くなりがちです。風通しが悪いと様々な害虫が付きやすくなるので、気をつけて下さい。
他にも、シーズンが過ぎ、いきなり屋外へ出すと、急激な気温の変化に対応しきれず、さらに外の冷たく強い風に当たると、もみの木が弱ってしまう可能性があるので、屋外に出す場合は、西日と風が強く当たらない場所で管理して下さい。
まとめ
もみの木について紹介しました。大きく生長するもみの木は、鉢植えで樹高を制限しながら育てることで、長く楽しむことが出来ます。
フェイクのクリスマスツリーも便利でいいですが、今年は自分で育てたもみの木に飾り付けをしてクリスマスを過ごしてみるのもいいかもしれませんよ?