皆さんがよく知るコーヒーは、コーヒーの木になる豆を焙煎して作られていることは、多くの人が知っていると思います。
実は、そのコーヒーの木を観葉植物として室内で育てることが出来ることは、知っていましたか?今回は、コーヒーの木の育て方を詳しく紹介します。
観葉植物コーヒーの木の特徴
観葉植物としてメジャーなコーヒーの木ですが、その多くはアフリカやマダガスカルの周辺が原産で、アカネ科コーヒーノキ属に分類される植物です。
コーヒーの原材料となるコーヒーの木と同じものなので、しっかり管理して育てれば、観葉植物として売られている『コーヒーの木』からも、コーヒー豆が実ることがあります。
観葉植物として売られているコーヒーの木は、10cmほどの小さなものから、150cmにもなる高さのものまで様々で、大抵の場合鉢植えの状態で売られています。
コーヒーの木を飾る場所の広さや用途によって、大きさを選びましょう。
コーヒーの木の原産国が、南国であるだけに暑さには強いのですが、寒さには弱い傾向にあります。また、5月~7月には白色の星型で細い花びらの花をつけます。
コーヒーの木の魅力は?
①艶のある葉
コーヒーの木の葉は、葉が若いうちからとてもつややかで、独特の艶があります。葉についたホコリや汚れをこまめに拭いて、健康に育てるとずっとそのつややかな状態を維持することが出来ます。
葉が若いうちは、明るい黄緑色をしていますが、育っていくにつれて、深みのある濃い緑色に変わっていきます。
②白い星型の花
コーヒーの木を栽培して1mほどの大きさになると(数年かかります)白い花を咲かせるようになります。
花は白色で、花びらが細く星型をしています。花の大きさは1~2cmと小さく、5~6月ころにかけて開花します。木の品種によって玉状に一箇所に固まって咲いたり、1列に並ぶようにして咲いたりします。
花が咲いている期間は2日と短く、すぐにしぼんでしまいますが、次々へとたくさん咲くので、毎日様子を見ていると、開花を見逃すことはないでしょう。
また、コーヒーの花が咲くと、ジャスミンのような甘い香りがします。開花が、ピークになる頃には、周囲に甘い香りが広がり、花の香りを楽しむ事ができます。
③コーヒー豆
花が咲き終わり、受粉がうまく出来ていると、緑色の小さな楕円形の実をつけます。でも、このときはまだコーヒー豆は出来ておらず、実がなってから、大体10ヶ月という長い時間をかけて、少しずつ熟していきます。日が経つごとに実が、緑→赤→濃い褐色へと変化していきます。
もちろん、木の実の中には大きな種があり、それが皆さんもご存知のコーヒー豆で、その種を焙煎することで、『コーヒー豆』になります。
また、実の果肉には甘みがあり、近年では食用品として見直されてきています。
コーヒーの木を買う前の準備は?選ぶコツは?
観葉植物として売られているコーヒーの木は、木のサイズがどのような大きさであっても、鉢植えの状態で販売されているので、買ったその日から部屋に飾ることが出来ます。
ただ、木を世話するためには、以下のものを用意しておくと良いでしょう。
- ジョウロ、霧吹き
- 液体肥料
- 緩効性化成肥料
- 剪定バサミ
ここで挙げたものの中で、コーヒーの木を買った直後から必要となってくるものは水を上げるための注ぎ口の細いジョウロ(若しくは鉢植えに水を注ぎやすいもの)です。最低限水やりをするための容器を準備しておきましょう。
肥料や剪定ばさみに関しては、購入した時期によって必要性が変わってきますので、それぞれの項目で説明します。
さて、準備が整い、いざコーヒーの木を買うのですが、どうせ買うのであれば、元気な木の方がいいですよね。どこに気をつけて買うかというと、
・木に害虫が付いていないか注意する
ハダニやアブラムシが付いていないか確認しましょう。ハダニは、葉の裏側におり、白い粉のように見えます。
・出来るだけ艶のある健康的な葉が多く付いていて、枝振りの良いものを選ぶ
この2点に気をつけて選ぶようにしましょう。
観葉植物コーヒーの木の育て方
日光・置く場所
室内に置く時は、直射日光が当たらない場所で、かつ日当たりの良い場所に起きましょう。というと、なんだか難しいですよね。
コーヒーの木は、陽の光を好みますが、直射日光が当たると、葉っぱが焼けて枯れてしまうので、日当たりのよい窓際に置く場合は、レースのカーテンやブラインドなどをして、程よい陽の光を当ててあげて下さい。
ただ、耐陰性があるため、多少日光が当たらない場所でも元気に育ちますが、エアコンの風が直接当たるような場所は、葉が傷んでしまうので避けて下さい。
水やり
コーヒーの木は、春から秋にかけて生長して、冬には生長を止め休眠します。ですので、このサイクルに合わせて水やりの方法も変えます。
生長期の春から秋にかけては、土が乾くと鉢の底から水が流れ出るほどたっぷりの水をあげて下さい。もし、葉っぱの先や新しく出てきた芽がしおれていたら、水が足りていないサインです。
休眠期である冬は、土が乾いたからと言ってすぐに水やりをせず、そこからさらに2~3日明けてから、水やりをする程度にとどめておきましょう。この期間は、コーヒーの木を乾燥気味にすることで、耐寒性を高めることが出来ます。
但し、乾燥気味にさせるからと言って、一回に与える水の量を減らしてはいけません。寒い季節でも、与える水の量は、生長期同様に鉢の底から水が流れ出すくらいたっぷりあげて下さい。
もし、木の葉が落ちてくるようなことがあれば、乾燥し過ぎのサインなので、水やりの回数を増やすなどして調整しましょう。冬の水やりのサイクルにする目安として、室温が15℃以下になった時に、このように木を乾燥させましょう。
肥料の与え方
基本的には、肥料がなくても育ちますが、肥料を与えるとコーヒーの木の生長が早くなります。コーヒーの木の生育期は春~秋で、この期間に肥料がよく効くように与えて下さい。
与える肥料の種類としては、液体肥料であれば、適正濃度に薄めたものを与えるか、緩効性の置き肥をして下さい。この時、有機肥料ではなく化成肥料を使うと、コバエが発生することを防げます。
4月~5月頃を目安に緩効性肥料や液体肥料を与え、肥料の肥効期間を目安に、晩夏に差し掛かる頃まで安定して追肥して下さい。
4月下旬頃から7月頃までは、緩効性肥料と液体肥料を両方与えてもいいいですが、9月を過ぎて冬の準備に入る頃には、液体肥料をしっかりと与えましょう。そうすることで、株が強くなります。
観葉植物コーヒーの木の病気や害虫
暖かい時期には、害虫や病気の被害に合うことが多くなります。その中でも気をつけなければいけないのが「アブラムシ」「カイガラムシ」「ハダニ」「サビ病」です。
アブラムシ
2~4mmほどの小さくて黄緑色や黒色の害虫で、幼虫であっても成虫であっても葉や蕾から汁を吸って寄生します。
アブラムシはその体内にスス病などのウイルスを媒介しているため、汁を吸われることで、そこからウイルスが侵入して病気を発症させることがあります。また、病気を発症しなくても、汁を吸われることで木の体力がなくなり、枯れてしまう可能性があります。
アブラムシを見つけたら、アブラムシに効果のある殺虫剤を巻いて駆除しましょう。
ハダニ
気温が高く、乾燥すると発生しやすくなります。黄緑や赤色をした0.5mmほどの小さな害虫で、葉の裏に潜み、その汁を吸います。そのまま放置すると、木が枯れてしまうので駆除が必要です。
ハダニ自体は1mmにも満たない大きさですが、ハダニに吸われた場所は、白い斑点が出来るため、ハダニがいるかどうかわかります。
見つけた時は、ガムテープで剥がしたり、殺虫剤を巻いて駆除しましょう。また、普段から霧吹きなどで水を吹きかけることで、ハダニが付くことを予防できます。もし、殺虫剤を使いたくない時は、牛乳を10倍に薄めたものを霧吹きで、葉に吹きかけるのも効果があります。
カイガラムシ
3mmほどの小さな虫で、その背中には、白い綿毛のようなものを背負っています。5~7月頃に多く発生し、寄生した木の栄養を吸って弱らせます。
生長すると、身体からワックスのようなものを分泌するため、成虫になると殺虫剤が効きにくくなります。そのため、見つけたら幼虫のうちに駆除しましょう。
もし、成虫になったものを見つけた場合は、歯ブラシなどで直接こすって落としましょう。カイガラムシの排泄物は、スス病を誘発するので、早めの駆除が必要です。
サビ病
雨が多い時期発生しやすい病気で、サビ病に感染すると、葉っぱにクリーム色の小さな斑点ができ、それがどんどん広がって、最終的には、葉や茎が変形して枯れてしまいます。
サビ病に感染した箇所を切り落とし、感染が全体に広がっているときには、その株ごと処分しましょう。窒素成分の多い肥料を与るとこの病気になりやすいため、肥料を与える時は、配合された成分のバランスに気をつけ、風通しの良い場所で育てることが大切です。
まとめ
コーヒーの木は、100円均一のお店でも購入が可能なほど、人気がある観葉植物で、しかも手軽に栽培することが出来ます。
コーヒーの木の葉っぱが、きっとあなたを癒やしてくれるはずです。お部屋のインテリアの一つに加えてみてはいかがでしょうか?