観葉植物ホヤの枯れない元気な育て方、特徴、種類について紹介します。
観葉植物ホヤの特徴
- 学名:Hoya
- 科名:キョウチクトウ科ホヤ属
- 原産地:熱帯アジア・オーストラリア・太平洋諸島
ホヤは樹木や岩に着生して生息しています。鉢植えでも流通していますが、性質を生かして吊り鉢での流通も盛んです。英名はwaxplant, waxvine, waxflowerと呼ばれています。花が蝋細工のように見えることからワックスフラワーと呼ばれています。
「ホヤ」の名前は植物学者のトーマス・ホイという人にちなんでいます。ちなみに、クリスマスに多く出回り美しい身をつける「ヤドリギ」は別名「ほや(寄生)」と呼ばれています。ここでのホヤとは全く関係ありません。
観葉植物ホヤの種類
ホヤ・ケリー
出典:花屋ハル
ハートの形の葉が特徴的で、一枚だけ鉢に挿した姿でバレンタインデーなどに出回ります。
ホヤ・カルサーノ
サクラランとも呼ばれ、淡いピンクの可愛らしい花をつけます。
ホヤ・セルペンス
出典:イン ナチュラル
蔓状で丸みのある小さな葉がつきます。インテリアグリーンとして大変人気があります。
観葉植物ホヤの育て方
水やり
乾燥に強い植物です。多肉質なので水のやりすぎには注意しましょう。春から夏は成長が早まる時期なので、土の表面が乾いたらたっぷりと水をあげてください。高音多湿の環境を好むので、霧吹きなどで株全体を濡らしてください。
冬場はやや控えめにし、土が中まで完全に乾いてからあげます。水をたりすぎると根腐れを起こすことがあります。鉢皿に水が溜まっていたら必ず捨ててください。ホヤは根にダメージを受けると、成長に影響します。湿らせすぎないように気をつけてください。
つきやすい害虫や病気
カイガラムシに注意しましょう。カイガラムシは年間を通して発生します。葉や幹に寄生し養分を吸い取ってしまいいづれは枯れてしまいます。見つけたら歯ブラシなどで擦り取るか、専用の殺虫剤で駆除しましょう
肥料
肥料は必ず必要なわけではありませんが、肥料をあげる場合は気候が穏やかな春から秋にあげてください。希釈した液肥で構いません。また、株が弱っていたり、葉にツヤがなく元気がないときには肥料を与えないでください。株がショックを受けて枯れてしまうことがあります。
植え替え
根が回って、植え替えが必要な場合は、一回り大きな鉢に植え替えます。古い土は落としてください。古い土は取り除きますが、根が大変デリケートで根を傷つけてしまうと成長に影響が出ることがありますので、優しく扱ってください。
用土は市販の観葉植物用の土を使うのが便利ですが自分でブレンドする場合は小粒の赤玉土6:腐葉土4の割合が好ましいです。
土は柔らかくしてから使うようにしてください。また、植え込む時は土を押しすぎず、空気を十分に含ませながら植えてください。植え替えたら、水をたっぷりと与えてください。
置き場所
日当たりの良い場所で育てましょう。しかし、真夏に直射日光を当ててしまうと葉焼けを起こして傷むことがあるので、直射日光を避けて明るい場所が理想的です。耐陰性があり日陰にも耐えることができますが、花が付きづらくなります。
花付きは気にせず、観葉植物として育てるならば日陰でも育ちます。暑さには強く丈夫です。温暖な土地に自生しているので生育のタイミングは暖かく保つようにしてください。ホヤは寒さは苦手です。
冬は10℃程に保つのが理想的ですが、5℃程度までは耐えられますが5℃以下では枯れてしまうことがあります。屋外で栽培している場合は11月ごろには屋内に取り込むようにしてください。寒い地域では、秋口には取り込む必要があるかもしれません。霜や雪に当たってしまうとすぐにダメージを受けて枯れてしまいます。
ホヤの増やし方(挿し木)
ホヤはさし木で増やすことができます。適期は春頃が良いです。まずは、枝を2節ほど切り落とします。水を含んだバーミキュライトやピートモスに枝をさします。発根まで、約1ヶ月かかります。苗床が乾かないように注意しながら日陰で育てます。
根が出て植えつける際は、1本ではボリュームが出ず貧相な仕立てになってしまうので、3本くらい植え付けます。
ホヤの仕立て方
ホヤは一度花をつけた位置に毎年花をつけます。花のついたツルは切らないようにしてください。短いツルでも長く伸びると花をつけるので切らないようにしてください。
できるだけ長くツルを保つために、行灯仕立てにしたり吊り鉢にして下に垂れ下げて楽しみます。茎も葉も肉厚なので、傷つけないように注意しながら仕立てます。
アサガオなどに利用する園芸用の行灯を使うと便利です。もっと大きくなったらヘゴで仕立てることもできますが、慣れていないと非常に難しいので、園芸店などにお願いすると良いでしょう。
吊り鉢の場合は、水が切れやすいので注意が必要です。また、吊り鉢を釣ることができない環境であればプランツスタンドをも利用できます。スタンドであれば安定感もあり好きな場所で育てることができます。
ホヤの花の咲かせ方
特別な手入れは必要ありません。水をしっかりあげて、日当たりの良い場所で育ててください。ホヤはつる性なので、アイビーやワイヤープランツのようにぐんぐんと育つというイメージもありますが、非常に緩やかに成長します。
花をすぐに楽しみたい場合は、ツルが長く伸びていて花芽がついている株を購入しましょう。花芽が蕾の時はわかりづらいと思いますので、花屋さんや園芸屋さんに相談してください。
近年流行しているハートホヤ
ハート型の葉が一枚だけ刺さったハートホヤというものが多く出回るようになりました。バレンタインなどに花屋の店頭や雑貨店で多く見受けられます。ハートホヤと呼ばれていますが、正体はホヤ・カーリーです。
葉が刺さっているだけの状態なので発根する可能性はありますがツルを伸ばすまでにはならないことが多いです。しかし、丈夫な性質なので、大切に育てると割合長く育てることが来ます。
管理は、通常のホヤと同じです。デザインされた鉢やガラス、ブリキのポットで出回ることが多く鉢底に穴が空いていないことも多いです。水やりは鉢底に穴が空いているか確認してから行ってください。穴がある場合は、下から水が出るくらいたっぷりとあげます。
穴がない場合は、竹串などを挿しておいて保水状態を確認してください。冬場はより控えめにしてください。肥料は特に必要ありません。日当たりは、直射日光を避け明るい場所で育てると長く楽しめます。
ホヤはキョウチクトウ科ですが、ガガイモ科で分類される場合もあります。キョウチクトウ科とガガイモ科はとても近く、キョウチクトウ科にはパキポディウムやアデニウムが属しています。
ガガイモ科の多肉植物はとても個性的なものが多いです。花姿が面白いだけではなく、花自体から腐臭のような匂いを放つものが多いです。受粉のために、昆虫を寄せ付けるために強い匂いを放っていると言われています。
ちなみに、ホヤの花は甘い香りのするものが多く見られます。ホヤはサクラランという名前で流通、販売されていることが多いです。サクラランと呼ばれている品種は「ホヤ・カルサーノ」になります。
花が綺麗な桜色で、葉が肉厚でツヤがありランのようなのでそう呼ばれています。実際のホヤは、品種によって様々な色や形の花が咲きます。
まとめ
葉も花も美しいホヤは大変育てやすい丈夫な観葉植物です。明るくて暖かい場所であれば元気に育てることができます。珍しい品種や、新しい品種も出回ってきていますので、気に入った品種があればぜひ挑戦してみてください。