観葉植物カンガルーポケットの枯れない元気な育て方、特徴
観葉植物カンガルーポケットの特徴
出典:ayanas
- 学名:Dischidia ruscifolia
- 科名:ガガイモ科ディスキディア属
- 原産地:東南アジア〜オーストラリアの熱帯地域
カンガルーポケットはディスキディアという植物です。熱帯雨林の中で岩や大きな木に着生して育つ着生植物です。根はありますが、水分を取り込む役割より着生して株を固定する役割の方が強いです。葉から水分を取り込むことができます。
一部の品種は葉が進化し貯水嚢を持っています。貯水嚢は根を持ち、内部は空洞になっていて水分や養分を取ることが可能です。ディスキディアの中には、貯水嚢の内部にありを導き入れ、巣としているものもあります。
根が内部に張り込み、蟻が運び込んだ土や食べ残し、ふんを養分として取り込んで行きます。このシステムを持つ植物を「アリ植物」と呼びます。この貯水嚢がぷくっと可愛らしく膨らんでいる様からカンガルーポケットという名前に馴染みがつきました。
カンガルーポケットと呼ばれているのは「ディスキディア・ペクチノイデス」という品種になります。自生地はフィリピンの密林と言われています。一見すると多肉植物のようですが、管理方法は全く違います。
大きさ
ツルは長いと2メートルほどにもなります。通常販売されているカンガルーポケットはそこまでツルが長くはありません。スリーブと言って、植物専用のビニールに包まれている状態で販売しているところも多いので、ビニールをとってツルの長さ、状態を確認してから購入するようにしてください。
ちなみに、通信販売でも入手することが可能です。植物は日々成長して行きます。購入する前にはお店に相談し、株の状態、現状を確認してから購入するとトラブルが少ないです。
花言葉
花言葉は「平和」です。これはディスキディアの花言葉ですが、ディスキディアはほとんどが丸い葉を持ちますがたまにハート形の葉が出現することからこの花言葉がつけられたと言われています。
カンガルーポケットは一般的には柔らかい、明るいトーンのグリーンになります。最近では白い斑がランダムに入った品種が流通しています。斑の部分は日に焼けやすいので、管理には気を使う必要がありますが、管理は通常のカンガルーポケットに準じます。
カンガルーポケットの育て方
出典:アピィの風
水やり
着生植物なので、乾燥気味に育てます。購入時は、ポットに水苔やバークで植えられていることが多いで、カラカラに乾いたらたっぷりと水をやる程度にしてください。貯水嚢から水分を取るので霧吹きで株全体に水をあげることも大切です。
根がいつも湿っていると根腐れを起こしやすくなります。根腐れを起こすとあっという間に株も枯れてしまいます。再生させるのは難しくなるので乾かし気味に育ててください。
つきやすい害虫や病気
カイガラムシに注意しましょう。カイガラムシは暖かい環境に発生してしまいます。葉や幹に寄生し植物の養分を吸い取って枯らしてしまいます。見つけたら歯ブラシなどで擦り取るのが基本ですが、カンガルーポケットは柔らかいため、濡れた布で拭き取るか、専用の殺虫剤を利用してください。
肥料
肥料をあげる場合は生育期の春から秋に行ってください。希釈した液肥を与えると生育が良くなります。株が弱っている時は、強い肥料はあげないようにしてください。ショックで一気に枯れてしまうことがあります。
用土
過湿に弱く、乾燥状態には強いので、水はけの良い土が適しています。観葉植物用の土の他に、多肉植物の土を利用しても構いません。水苔での栽培も可能です。
また、排水性のいいココヤシのチップやバークも使用できます。ココヤシチップや水苔を使うときは、使う前に十分に水に浸して膨らませてください。よく絞ってから使います。
増やし方
出典:ayanas
生育期には挿し木で増やすことが可能です。茎の節の部分から根が出てくるので、その茎をカットして使用します。
置き場所
直射日光を避けた、明るい場所で育ててください。夏の暑さにはよく耐えますが、蒸れには注意してください。秋から冬は室内の暖かくて明るい場所に置供養にしてください。
カンガルーポケットは10度以下になると株が弱ってきます。12度以上を保てると成長が続きます。冬にエアコンを使う際は直風が当たらないように気をつけてください。
カンガルーポケットの開花
花は米粒のように小さく、6月〜8月ごろに開花します。花の色は白や赤が一般的です。明るい黄緑の葉に赤い小さな花がつく姿はとても可愛らしく、鑑賞価値があります。
葉が黄色くなる
暖かい場所が好きなので、気温が下がると葉が変色してしまいます。
葉が落ちる
同じく、温度不足のことが多いです。暖かい場所に移して水やりは控えめにして回復を待ちましょう。
葉がシワシワになる
水が不足して乾燥しすぎている可能性があります。水は乾いたらしっかりあげるようにしてください。逆に、加湿が進み、根腐れを起こしている場合もあります。常に湿っているようだと、根腐れの可能性が高いです。
仕立て方
自宅で楽しむ場合は、着生させるのは難しいので、吊り鉢仕立てがオススメです。ツルが絡まないように下に垂らして楽しめます。植え込み材は、土ではなく軽いココヤシチップなどがオススメです。使用するときは水に浸して十分に水を含ませます。1時間以上は浸けてください。
また、ちょっと変わった仕立てにしたい場合はヘゴ板につけることもできます。ヘゴの板が入手できない場合は、ヘゴの棒、焼いた杉板、流木やコルクでも代用できます。
水苔は新鮮で綺麗な水に浸し、硬く絞っておきます。カンガルーポケットを鉢から取り出し古い土や水苔を取り除きます。水苔で根の部分を包み、園芸用ワイヤーで巻いて固定します。
ディスキディアはボール状に仕立てて吊るすととても可愛いインテリアにもなります。ココヤシの繊維を利用してボール状にします。
鉢植えでももちろん栽培は可能です。多湿にならないように、水はけの良い用土を利用してください。明るいグリーンに小さな赤い花をつけるので明るいトーンの鉢がよく合います。また、麻やブリキの鉢カバーも相性が良いです。
カンガルーポケットの種類
カンガルーポケットの属するディスキディアは東南アジアからオーストラリアまで広くに分布し約80種類あると言われています。現在、日本で入手しやすい品種をご紹介します。
ディスキディア・オバタ
出典:ゆずり葉の木
濃いグリーンに白い葉脈がくっきりとうかびカッコ良い品種です。
ディスキディア・インブリカータ
鮮やかなグリーンでペタッとした丸い葉が特徴です。
ディスキディア・ベンガレンシス・バリエガータ
出典:tree tree
柔らかいグリーンに、葉の縁に白い斑が入ります
ディスキディアはガガイモ科の植物になります。ガガイモ科にはたくさん個性的な植物が存在します。オキシペタルムという花もガガイモ科になります。ブルースターとして切り花で親しまれていてウェディングブーケなどにも使われています。切ると白い樹液が出て、手につくと痒くなることもあります。
ガガイモ科の種類
ハートカズラ
ハート型で多肉質の小さな葉が長い蔓に連なってつきます。
フウセンカズラ
紙風船のような身がつきます。
マダガスカルジャスミン
春から初夏にかけて流通する鉢物です。ジャスミンとつきますが、ジャスミンとは関係ありません。強く香ります。
まとめ
カンガルーポケットは暖かくなると流通し出します。小さい株で販売されていることが多いです。多湿を避け、温かさを保てば育てやすい観葉植物です。是非栽培してみてください。