観葉植物カンガルーポーの枯れない元気な育て方、特徴、種類について紹介します。
観葉植物カンガルーポーの特徴
出典:Weblio辞書
- 学名:Anigozanthos
- 科名:ハエモドルム科アニゴザントス属
- 原産地:オーストラリア
オーストラリアの感想地帯が原産の多年草です。アニゴザントス、フラビタス、などとも呼ばれています。花の形がカンガルーの足に似ていることからカンガルーポーと呼ばれています。産毛に覆われていてなんとも可愛らしい花をつけます。
株は60〜100センチにもなり、花の色は茶色、黄色、オレンジ、ピンク、赤などがあります。切り花としても人気があり、春や秋に流通しています。ドライフラワーとしても使用できます。カンガルーポーには8種類、野生種があります。品種改良が盛んで200以上の園芸品種があります。
アニゴザントスという属名は、ギリシャ語でanoigo、開くという意味を持ち、「花」を意味するanthosにも由来しています。 花の先端が6つに分かれ開く姿が特徴的です。カンガルーポーの特徴は花が一列に並んでつき、一つづつの形は筒状であることです。
閉じている筒は受粉の時期になると、先端がはっきりと開きカンガルーの足に似た姿になります。これは、成熟して時期が来るまで大切な雄しべと雌しべを外敵や環境変化から守り、受粉のタイミングに花先を開いて、鳥に受粉をしてもらいます。
受粉しやすいように、カンガルーポーの花はカーブしてつきます。何故かというと、花が直立していると鳥が受粉の際に止まりにくいので湾曲させ流という進化を遂げました。 オーストラリアの植物はそういった環境変化を遂げてきた植物が多く、非常に興味深いものです。
観葉植物カンガルーポーの種類
アニゴザントス・マングレシー Anigozanthos manglesii
花のつけ根部分が赤く、花本体は緑色になります。
アニゴザントス・フラビダス Anigozanthos flavidus
1m以上になる大株です。小輪多花性で、よく枝分かれしボリュームがあります。たくさんの園芸品種が育成されています。
ジョーイ・メルボルンシリーズ Anigozanthos ‘Joey Melbourne’
出典:庭の植物
ジョーイシドニータイプという品種を元に育成された品種です。やや小さめな園芸品種になります。
ブッシュゼムタイプ
このタイプは非常に強く、ガーデニングなどに使われます。花色は鮮やかな赤やピンク、黄色になります。
カンガルーポーによく似た「ブラックカンガルーポー」
日本での鉢の栽培は難しいためあまり流通していませんが、切り花として見かけることがあります。
カンガルーポーの仲間かと思いきや、実は全く違う植物です。ブラックカンガルーポーは緑〜黄緑色の花をつけます。姿は似ていますがカンガルーポーはアニゴザンツス属になります。一方ブラックカンガルーポーはミクロピディア属になります。
カンガルーポーの育て方
カンガルーポーの株の選び方
春になると鉢が流通し始めます。葉がしっかりとしていて、下葉が枯れていないもの、できれば花芽がついている方が育てやすいです。
水やり
カンガルーポーは感想地帯原産の植物ですが、水は好きな方です。春から夏は花を咲かせるため成長が旺盛になります、土の表面が乾いたらたっぷりと水をあげてください。冬場は休眠に近い状態になるので、水は控えめにし、土が中まで完全に乾いてからあげるようにしてください。
水が足りなくなると葉が垂れ下がって水切れを起こします。多湿は好まないので鉢皿には水が溜まらないように気をつけましょう。
つきやすい害虫や病気
外で管理している場合、花がナメクジに食べられてしまうことがあるので注意が必要です。
肥料
元肥として土の中に緩効性の粒状肥料を混ぜておきます。追肥は春から秋の穏やかな時期に液体肥料を2週間に1回ほどあげます。夏は月1回くらいまで減らしますが、暑さで弱っているようなら与え図に様子を見ます。
液体肥料ではなく固形肥料をあげる場合、春に入った生育時期・花が終わった後・涼しくなってくる秋の3回に分けて、緩効性の化成肥料を与えます。
原産地の西オーストラリアの土地は痩せている土壌です。特に、リン酸をあまり含みません。肥料をあげる場合はリン酸を多くあげないように注意してください。
植え替え
株が大きくなって、水の吸い込みが悪くなったり、鉢の下から根が出てきた場合は植え替えが必要になります。暑い夏、寒い冬を避けて、春か秋に植え替えを行います。
用土は市販の観葉植物用の土を使うのが便利ですが自分でブレンドする場合は小粒の赤玉土6:ピートモス3:堆肥1、または、小粒の赤玉土4:ピートモス3:川砂3を混ぜあわせた土がおすすめです。ピートモスではなく腐葉土でも構いません。水はけがよく柔らかい用土を利用するようにしてください。
置き場所
カンガルーポーは日当たりの良い場所が好きです。カンガルーポーは暖かく気候が穏やかな春や秋は屋外で管理しても大丈夫です。水は大好きですが、常に湿っていると根腐れを起こしてしまうので梅雨や長雨の時期は雨が当たらないように気をつけてください。
また、日本の暑さは蒸し暑く耐えられないこともあるので、日当たりの良い室内で育てることをお勧めします。カンガルーポーは耐寒性があまりありません。冬は外での管理は難しくなってくるので室内で管理してください。冬場は休眠状態でも株は生きています。暖かい場所で管理してください。
エアコンの風が直接当たってしまうと、著しい乾燥状態になったり温度の調整がうまくいかなくなります。直風はさけ、一定の暖かさが保てる場所に置いてください。
葉にしみが出る
カンガルーポーの葉や花に水をかけてしまうと、その水によって腐ってしまうことがあります。水は株元にしっかりとあげてください。
葉が垂れる
環境によって変わってきますが、水切れの可能性が高いです。また、日当たりが足りないと株の元気がなくなることもあります。
カンガルーポーの増やし方
カンガルーポーは株分けで増やすことができます。適期は4月~5月です。鉢から株を抜き取り、古い苞を落としたあと株を分割します。分割する株に新芽がついているか確認してから行ってください。
一株に対し一つ以上新芽がついているよう分けてください。分けた株はそれぞれ小さめの鉢に植え込んでください。直射日光を避け明るい日陰で管理してください。タネで増やすことも可能です。
カンガルーポーの飾り方
春に多く出回るので、玄関先にコンテナガーデンとして飾ることもできます。個性的な姿なのでワイルドフラワーやカラーリーフととても相性が良いです。
カンガルーポーは花鉢として出回ることが多いですが、ツンツンとした肉厚な葉と個性的な花を楽しむため観葉植物のように栽培することもできます。地域によって、季節によっては屋外での管理も可能ですが、室内の明るい場所にて鉢植えで十分に楽しめます。
バスケットやブリキの鉢カバーに入れるとナチュラルで可愛らし印象になります。水をしっかりあげなければいけないので、カバーの中には鉢皿を引いてください。水が溜まっていたら根腐れの原因になってしまうので、必ず捨てるようにしてください。
一番ポピュラーに流通しているのは中苗、5号鉢ほどの大きさのものです。ちょうど5号だと色々なデザインの鉢カバーに入れることができるので、お花屋さんや雑貨屋さんでぜひ相談してみてください。
まとめ
ツンツンとした肉厚の葉が面白く、毛の生えた可愛らしい花をつけます。花はスモーキーな色味でとても可愛らしい姿をしています。原産地は感想地帯なので、やや管理にコツが必要ですが、慣れて来るとどんどん株を大きくして増やして楽しむことができます。