トウダイグサ科ユーフォルビア属ユーフォルビアの仲間の一つで、サンゴのようなユニークな形の多肉植物ミルクブッシュをご紹介します。
観葉植物ミルクブッシュの特徴
出典:鉢人blog
ミルクブッシュはアフリカの熱帯地域~南アフリカ原産で、自生地では高さ5~9mほどになります。成長すると幹は木質化して灰色になり樹木のような姿になります。
よく分岐する緑色の多肉質な枝が特徴で、サンゴに似ていることから「ミドリサンゴ」「アオサンゴ」とも呼ばれます。枝の先にごく小さな葉をつけますがすぐに落ちてしまいます。新芽が伸び、茎の先端から小さく葉を出す姿は一瞬しか見られませんがとてもかわいいので必見です。
葉が落ちたあとは茎だけが残り長く維持します。水やりの頻度も少なく簡単には枯れないので、丈夫で枯れにくい植物として挙げらます。
ただしそうは言っても生き物です。あまり動きがないために放置されやすいのですが、維持はできても元気良く生育しているとは言い難い状態のものもあり、乾燥し過ぎると枝元から枯れていきます。室内で管理する上で気をつけるべき点があります。
観葉植物ミルクブッシュの育て方
置く場所・温度・日光
一年中日光のよく当たる場所に置きます。5~9月は戸外に出して光を浴びるとよいでしょう。暑さや乾燥に強く、直射日光にも負けません。10月頃、気温が下がってくるころになったら室内の明るい場所に移動します。(耐寒温度5~8度)
なるべく温度を一定に保ち、極端な温度変化を避けるようにすることがポイントです。25度程度で生育するため、日本の冬は休眠期に入り成長がストップします。
水やり
乾燥に強いため、5~9月は鉢土がしっかりと乾いたことを確認してから水をあたえます。土が乾燥しているかどうかは指で触れてみて確かめるとよいです。10月以降徐々に水やりの頻度を減らし月に2回程度、12~2月頃は置き場所にもよりますが、室温が低い場合は断水します。
枯れる原因は水のあげすぎによるものが多く、とくに低温時に水をやると吸収が進まず根が冷えてしまいます。温室のように温度が一定に保たれているような場所では土がしっかりと乾いたら水を与えます。
土
市販のサボテンや多肉植物用の土が適しています。配合する場合は赤玉土6・軽石小粒4程度もよいです。
肥料
5~9月の間、2ヶ月に一回緩効性の化成肥料を置き肥します。
植え替え・植え付け
ミルクブッシュは生育が非常に早いので株が大きくなって鉢とのバランスがとれなくなってきたら倒れやすくなります。春~夏にかけて鉢から株をぬいてバランスのとりやすい鉢に植え付けます。
適期は十分に気温が上がった_春頃、鉢から抜いた株の古い根と土を1/3程度落とし、ひとまわり大きな鉢に植え付けます。大きくしたくない場合は株分けといって根をナイフなどで切り分け、株を分割して植えます。(一本の幹の場合はこれにあてはまりません_)
植えた直後はすぐに水をやらず、3、4日経ってから水を与えます。
増やし方(挿し木)
ミルクブッシュは挿し木で容易に増やすことができます。5~9月頃、大きく伸びすぎた枝などを10~15cmに切り、水をはったコップなどに茎を挿して流れ出す乳液が止まったら赤玉土など無菌性の用土の挿します。この時、乳液に触れないようにゴム手袋などをするとよいです。
挿した後は土が乾いたら霧吹きで水を与える程度にして乾燥気味に管理します。1~1.5ヶ月で発根します。十分に発根したら鉢植え用の用土に植え付けます(鉢上げ)
病気・害虫
ミルクブッシュはほとんど病気や害虫がつくことはありませんが、風通しの悪い室内などでカイガラムシがつくことがあります。カイガラムシは年間を通して発生しますので、見つけたら早めに取り除きます。
白い綿状のものはコナカイガラムシです。カイガラムシは昆虫の仲間で体長1、2mmで植物の樹液を吸って生きています。カイガラムシ自体が植物を弱らせる原因にはなりませんが、その排泄物が蜜状にベタベタします。
葉や茎についた蜜滴がスス病など病気の原因にもなりますので 数が少ないうちにこすり落とし、ベタベタしていたらシャワーで洗い流します。
枝が間延びして、茎の色がくすんでいる
日照不足が原因です。陽当たりがない場所でもしばらく維持できるとは言え、長期間に及ぶとひょろひょろと間延びします。屋外の日光がよく当たる場所に置きましょう。
一方向の枝ばかりボリュームがでてバランスが悪くなった
鉢を時々回転させて、光が偏ることなく当たるようにします。(鉢回し)
※また、ミルクブッシュの切り口から出る白い乳液はユーフォルビア特有の樹液で有毒です。肌に付着するとかぶれたりすることがありますので注意しましょう。
ミルクブッシュのアレンジ
ミルクブッシュは乾いた地域の植物ですので乾いたテラコッタの鉢や素焼きの鉢がよく合います。また、最近よく鉢カバーとして使われる麻袋などで鉢を覆っても自生地の乾いたアフリカの雰囲気が出ておすすめです。
もし他にない幾何学的な枝模様を生かしたいときは白や黒といったモノトーンの鉢に植えてもかっこいいですね。葉がかさばらないので部屋のコーナー部分などにおけてスタイリッシュな空間ができます。
小さな株でしたらサボテンなどと一緒に寄せ植えをすることもおすすめです。ユーフォルビア属はサボテンと種類は異なりますが、水分の吸収スピードや、好む土質がよく似ています。
ミルクブッシュは高さを出せるため、奥にミルクブッシュ、手前にサボテンを配置するなどしてクラッシュレンガなどを敷石に使えば荒野のイメージを演出できます。
植え方を工夫してみると植える鉢や敷石などでイメージががらっと変わり、一本のミルクブッシュから世界が広がります。ぜひ、挿し木にも挑戦して色々なアレンジで楽しんでみてください。
ミルクブッシュの種類
ピンクコーラル
ミルクブッシュの変異したもので、枝が全体的にピンク色をしています。
イエローマジック
出典:ヤフオク!
枝が黄橙色から淡黄色になる品種です。