自分の好きな果物を自分の家で育てられたら・・・。そう考えたことのある人は、筆者だけでは無いはず!
果物の木を鉢植えでしかも、マンションのバルコニー(ベランダ)でも育てられるということを知っていましたか?初心者でも鉢植えで育てられる果物の木について紹介します。
マンション(バルコニー、ベランダ)で果物の木を育てる環境
まずは、お住いのマンションのバルコニーやベランダが、果樹を育てるのに適しているかを確認して下さい。確認のポイントは以下のとおりです。
風当たり
お住いの階数が高層階になると、バルコニーやベランダに出た時の風当たりは強くなります。もし、バルコニーやベランダで常に強い風を感じるよであれば、果樹を育てるには、あまり適した環境とはいえません。
果樹が常に強風を受けるような場所だと、風当たりによって株が痛みやすく、またそれだけ強い風が吹き抜けるような場所であれば、土の乾きも早くなるため、果樹の生育に問題が出てくる可能性があります。
ただ、高層階であっても、風を受けにくい場所で育てられるなら、問題はありません。バルコニーやベランダは、マンションの共有部分なので、マンションの管理規約範囲内で育てられる果樹を検討してくださいね。
日当たり
どんな植物を育てる場合でも、日の光に当たらなければ、元気な株にはなりません。特に、果樹の場合は、室内で育てる観葉植物より日の光を多く必要とします。
そのため、風の影響を受けない場所であっても、北向きのバルコニーであったり、屋根や手すりなどで、日陰の時間が多いような場所は、果樹を育てる環境として、適しているとはいえません。
マンション(自宅)での果物の育て方
果樹の選び方
果樹は、街中の園芸店では取り扱っていない場所もあります。ただし、ホームセンターのグリーンコーナーでは、桃やレモンなど、様々な果樹が売られているはずです。
しかも、大抵は鉢植えで、発芽から2~3年は経過しており、購入した年にすぐ実をつける状態になっている場合が多いです。好きな果樹が見つかったら、購入する前に、木を軽く揺すって、ぐらつきがないかを確認して下さい。木にぐらつきがないということは、土の中で、しっかりと根が張っているということです。
日当たり
上記の通り、果樹は日の光を多く必要とします。1日に最低でも4~5時間、日の光にあたっていなければいけません。ですから、鉢を日当たりのいい場所に管理するようにしましょう。
水やり
鉢の底から水が染み出すまで、しっかりと水を与えましょう。特に夏場は、半日ほどで土が乾いてしまうことも多いです、。様子を見て、すぐに土が乾くようなら、朝夕の1日に2回くらい水やりをしたほうが良いでしょう。
花が咲いてから実が付くまでは、乾燥させすぎないように、なるべくこまめに土の様子を確認しましょう。
肥料
ホームセンターなどで販売されている果実用の肥料を、月に1回程度与えます。肥料は、固形のものでも粒上のものでも構いません。肥料は、1年を通じて与えますが、春と秋にはしっかり肥料を与えるようにして下さい。
病気・害虫
育てる果樹によって、気をつけなければいけない病害虫が異なってきます。しかし、せっかく世話をして育てていても、病気や害虫が付くことによって、果実ではなく果樹自体がだめになってしまうことがあります。
害虫が寄生してしまうと、その糞尿によって二次的に病気を誘発してしまうことがあります。ですから、特に害虫を見つけたときにはすぐに駆除するようにしましょう。
また、一般的に害虫と呼ばれるものだけでなく、果実の甘く美味しそうな匂いにつられ、蟻やその他の昆虫、更には、カラスや小鳥達も寄ってきます。果実が色づくと、収穫時期です。鳥や虫に取られないためにも、色づいたら早めに収穫したほうが良いでしょう。
植え替え
毎年果実を収穫したい場合、2年に1回は植え替えをし、土を入れ替え、根っこの整理をして下さい。鉢の中で根詰まりを起こしたり、古くなった根っこをそのままにしておくと、株全体の生長に影響が出てしまいます。
マンション(自宅)で育てやすい果物の種類5選
イチジク
クワ科の落葉樹であるイチジク。イチジクは、漢字で書くと「無花果」と花の無い果と書きますが、花が咲かないわけではありません。イチジクの花は、果実の内側に咲くため人の目には見えないだけなのです。
イチジクは、初夏から夏にかけて実がなる品種と秋に実がなる品種、そしてどちらの時期にも実がなる品種があります。イチジクの熟した実は、雨に弱いので、特に梅雨時期は注意が必要です。
節間が短いので鉢植えに適している「ビオレッタ」という品種は、特別な処理をしなくても、夏と秋に実をつけます。この品種の果実はちいさいですが、皮ごと食べることが出来ます。
ビワ
バラ科の常緑樹であるビワを自宅で育てると、市販の果実より小さくなる傾向がありますが、以下のことに気をつければ鉢植えでも、実を大きくできる可能性はあります。
それは、冬場の鉢の置き場所です。花が咲く時期は11月から2月頃で、収穫期が5~6月頃になります。ビワは小さな果実を付けた状態で、越冬しなければならず、寒さに弱いビワは、氷点下3℃を下回ると落ちてしまいます。そのため、冬場は室内の日当たりが良い場所に移動させましょう。
昔からの迷信で、「ビワを庭に植えると病人が出る」なんていうのがあるようですが、それは、もともと大木であるビワを庭植えすることで、ビワの木が家に日陰を作ることから発生したもののようなので、その迷信を木にする必要はありません。
アロニア
英語名でチョークベリーと呼ばれるこの果実は、バラ科の落葉樹です。アロニアの実には、たっぷりと栄養が含まれており、健康フルーツとしてもメディアで紹介されていますよね。
アロニアの実は、ダイエット効果や老化防止など、美容面での効果が期待されて使用されていますが、品種によって赤く熟すものと黒く熟すものがあり、赤く熟す品種は観賞用、黒く熟す品種は食用として使い分けられています。
とはいうものの、一般で流通しているアロニアの多くは「アロニア・メラノカルパ」という別名ブラックチョークベリーと呼ばれる品種で、熟すと黒くなりジャムや果実酒など食用としての利用が可能です。
ブルーベリー
ブルーベリーは果樹の中でも育てやすく、初心者にオススメです。ブルーベリーの木というと、どうしても果実がメインになってしまいますが、ブルーベリーの花は、白い釣鐘型をしていて、そちらも可愛らしくて観賞用としても楽しめます。
ブルーベリーの果実は、違う品種の花粉が受粉することで初めて果実が実る植物であるため、果実を楽しみたい場合は、違う2品種のブルーベリーを植え人工授粉させる作業が必要になってきます。
レモン
レモンの木も育てやすく、初心者にオススメの果樹です。しかも、レモンの場合、ブルーベリーと違って受粉作業を特にしなくても花が咲き果実が出来ます。
ただ、レモンを栽培するにあたって、結実させるためには、葉っぱの数を減らさないということが重要となってくるため、アゲハチョウの幼虫やその他の害虫によって食害されたり侵されたりしないように、害虫駆除には気をつけなければいけません。
もし、害虫を見つけた時は、葉っぱを摘んで駆除するのではなく、虫のみを駆除するようにしましょう。また、アシナガバチが柑橘類の果実を好むので、人がよく出入りする場所には置かないようにしましょう。
まとめ
マンションのバルコニーやベランダでも簡単に栽培できる果樹を紹介しました。
どの果樹も割りと簡単に育てることが出来ますが、結実させるためには、多少時間がかかってしまうものも多いので、苗木を購入するときには、数年経っているものか、既に結実しているものを買うと、その年から自分で育てた果物を楽しむことが出来るかもしれませんよ。