多肉植物代表ともいえるサボテンは、部屋にあるだけで存在感があるうえ、育てやすく人気のある観葉植物の1つです。
でも、サボテンには大型ものから小型のもの、柱型のものから丸型のもの。様々な種類があリ過ぎて、どれを選んでいいかわからなくなってしまいますよね。サボテンの選び方と人気があって育てやすいサボテンを紹介します。
たくさんの種類からサボテンの選び方
「サボテン」と聞くと、荒野に生える大きなサボテンをイメージする人が多いかもしれませんね。でも、サボテンには2000種類以上の品種があると言われています。
そんな中から、自分が欲しいサボテンを見つけるのは、なかなか難しいものです。でも、下記に上げるポイントに注目して探すと、ピッタリのサボテンが見つかると思います。
サボテンを大きさで選ぶ
飾る部屋の大きさや場所によって、観葉植物の大きさも変わってくると思います。サボテンを置きたいと思う場所に合わせてサイズを決めると良いでしょう。
大型種
柱サボテンとも呼ばれる大型のサボテンは、ぐんぐんと伸びるのが特徴で、人の身長以上に育つこともあります。それゆえにどこにおいても、存在感はバッチリです。
大型種で有名な品種は、彩雲閣(サイウンカク)、竜神木(リュウジンモク)、大雲閣(ダイウンカク)などがあります。
中型種
大型種のように高くなる品種は殆どありませんが、硬い肉質やチクチクとしたトゲがるものが多く、部屋に置くと結構な存在感があります。
中型種で有名な品種は、金晃丸(キンコウマル)や白桃扇(ハクトウセン)などがあります。
小型種
小さくて可愛らしいサイズが人気の小型種は、窓際やデスクの上など、場所を気にせず色々な所におけるのが魅力です。サボテンの中でも、小さいだけに手入れもしやすく、育てるのが簡単なため、初めて観葉植物を育てる人にもオススメのサボテンです。
小型種で有名な品種は、月影丸(ツキカゲマル)やマミラリアなどがあります。
サボテンをタイプで選ぶ
サボテンのタイプも様々です。柱のように上へ真っすぐ伸びるもの、鋭いトゲを持っているもの、トゲはあっても柔らかくもこもこしているもの、丸い形のもの、花を咲かせるものなどがあります。
ソフトなトゲのタイプ
トゲが柔らかいタイプのサボテンは、どちらかというとトゲがそのサボテンのデザインになっているようなものも多いです。しかも、柔らかいトゲの場合、トゲが白色をしている場合もあり、緑と白のコントラストが、可愛らしさを演出してくれます。
ハードなトゲのタイプ
トゲが硬くしっかりしたタイプの品種は、見るからに「サボテン」といったフォルムをしているものが多いです。サボテンの中では、少し育て方が難しいですが、トゲの美しさを鑑賞したい人は、このタイプのサボテンを選ぶと良いでしょう。
花を咲かせるタイプ
実は、サボテンも花を咲かせる品種があります。ちょこんとした可愛らしい花を咲かせるものや咲いた花が主役になるようなものなど様々です。
花を咲かせるサボテンの品種の中に月下美人というサボテンがあります。この花は、1年に1度、夜に咲き始め、翌朝には萎んでしまいます。闇世の中、月明かりに照れされて浮かび上がる、そのゴージャスな白い花は、一度見たら忘れられないと言われています。
サボテンを育て易さで選ぶ
植物を育てる以上、その植物を元気に生長させるための世話が必要になっています。水やりや肥料に追肥、植替えなど様々なケアが必要とされます。
サボテンは、砂漠地帯で育っているイメージがあるためか、育てるのが簡単に感じますが、種類によっては、きちんと水やりをしなければいけないものや、季節によって水やりのタイミングを変えなければいけないものもあります。
また、気温や日当たりによっては、場所を移動させるなどの作業も必要になってくる場合があります。そのあたりを踏まえて上で、ご自身の栽培経験と品種の育て易さを照らし合わせて、サボテンの種類を選ぶと、無理なく楽しく育てることが出来るかもしれません。
育て易さで言うと、「ブラジリカクタス属・コリファンタ属・エキノプシス属・オプンチア属」などの品種が育てやすいといわれています。
多肉植物サボテンの種類
ここからは、タイプ別にサボテンを紹介していきます。上に挙げた以外のタイプも紹介していきますので、自分好みのサボテンを見つけてみてくださいね。
トゲのあるサボテン
ここでは、巨大なトゲを持つ強刺類(キョウシルイ)や繊細で美しいトゲを持つ品種を紹介します。
金鯱(キンシャチ)
出典: suijun-hibisukusu’s fotolife
多くの人から親しまれている金鯱は、サボテンの王様と呼ばれているほどです。まっすぐに伸びた金色で鋭いトゲが特徴で、大きく育った金鯱を遠くから見ると、金色に見えるほどです。
そんな「ザ・サボテン」な金鯱ですが、時期がくると可愛らしい小さな花も咲かせてくれますよ。ただ、金鯱の自生地がダムで沈んでしまったため、現在では絶滅危惧植物IBに指定されているという悲しい現実も・・・。
神仙玉(シンセンギョク)
出典:『ガーデニング日誌』
丸い緑のボディに赤色のトゲをもつ神仙玉は、緑と赤のコントラストが鮮やかです。トゲの幅が広いほうが希少価値が高いです。
太平丸(タイヘイマル)
出典:おぶうHealing
アメリカやメキシコが原産地で、産地によってトゲの太さが異なります。マットな緑色の肌に、もこもこした刺座の毛、そこから生えるカールしたトゲが6~8本放射状に伸びているのが特徴です。
黒王丸(コクオウマル)
出典:烏丸のフォト風物記
黒王丸に生える鋭いトゲは、黒色で茎の白銀色とのコントラストがとても美しい玉サボテンです。特徴の1つでもある白い表皮は、黒王丸の生長とともに白くなっていきます。
しかし、黒王丸の生長速度は緩やかであるため、図鑑などで見るような真っ白いサボテンになるには、数年から数十年かかります。
白翁玉(ハクオウギョク)
出典:PICO庵
球形か円筒形に育つ白翁玉は、白いトゲがカールしてサボテン全体を巻くように生えているのが特徴です。白いトゲを汚さないように育てるのが、この白翁玉を育てる時のポイントなっています。数年くらい育てると、濃いピンク色の花をサボテンのてっぺんに咲かせることがあります。
美しい花を咲かせるサボテン
サボテンの中には、そのトゲや独特な形ではなく、咲かせる花を鑑賞するための「花サボテン」という種類があります。ここでは、代表的な花サボテンや花サボテンではないけど美しい花を咲かせる品種を紹介します。
象牙丸(ゾウゲマル)
出典:ケロたん☆の雑談は日常
コリファンタ属の象牙丸は、コリファンタの基本種です。花サボテンの品種にも匹敵するほどの紫紅色のとてもきれいな花を咲かせます。寒さにも暑さにも非常に強いサボテンです。
鳳華丸(ホウカマル)
象牙丸と同じコリファンタに属するサボテンです。丸い茎はつやつやしたハリのある深い緑で、上部には白綿毛が生えています。星のように放射状に広がるトゲが、白く輝いて見えます。花は淡い黄色で、毎年夏に咲きます。
白檀(ビャクダン)
出典:ひとりよがりの日々の足跡
ロビビア属の白檀。ロロビア属は花サボテンの代表格の一つに挙げられており、とても人気があります。
白檀は、子株を次々と出して群生する特徴があります。出ていた子株それぞれから赤い花が咲きます。このサボテンには、トゲがありますが、短くて柔らかいため、ギュッと握らない限り、素手で触っても刺すことはありません。
紫影丸(シエイマル)
出典:ミントのみん
レブチア属の紫影丸は、明るいオレンジ色の花をサボテンを取り囲むように咲かせます。その姿は、まるで、サボテンが花かんむりをかぶっているようで、とてもかわいらしいです。
レブチア属の株は小型のものが多く、沢山の花を連続して咲かせます。また、トゲがありますが、触っても痛くないのも特徴で、植え替えの時などはとても扱いやすいです。
ノトカクタス・マグニフィカス
なんとも長い名前のサボテンですが、こちらも花サボテンを代表する品種です。サボテン全体を白粉に覆われており、髪の毛のような細いトゲが生えます。花の色は黄色く、直径8cmにもなる大輪が咲きます。
この品種は、丈夫でしかも花をよく咲かせてくれるので、観葉植物を初めて育てる人にオススメです。
錦繍玉(キンシュウギョク)
出典:http://www.geocities.jp/fujiwara0107/cactus/kinshu.html
美しい黄色の花が、花束のように房になって咲くのが特徴です。この品種は花だけでなく、トゲと刺座のコントラストも美しいので、花が枯れてしまった後でも、そのコントラストを楽しむことが出来ます。
金烏帽子(キンエボシ)
出典:南国の隅っこ
ウチワサボテンを代表する品種でもある金烏帽子は、株が小さいうちは、うさぎ型をした可愛い姿をしていますが、生長すると最終的には、60cm以上になる大型種です。
株が充実すると、茎にある節から黄色い花をいくつも咲かせ、緑と黄色のコントラストが見るものを楽しませます。
見た目が可愛いサボテン
金晃丸(キンコウマル)
小さくて可愛らしい印象を与えてくれる金晃丸。短めのトゲは、細くて金色をしているため、フォルムはふわふわして見えます。一応花を咲かせるようですが、その花を咲かせるのは、難しいようです。
緋牡丹(ヒボタン)
出典:SabotenStyle
とても人気のあるこの緋牡丹の本体は、まるで真っ赤な花を咲かせたような形をしています。このサボテンは接ぎ木によって育っており、本体の下には、台木(だいき)と呼ばれる別のサボテンががありそのサボテンの力を借りて育っています。
そのため、余計サボテンのてっぺんに花が咲いているようにみえるのです。主として赤い本体なのですが、ピンクや黄色などの緋牡丹もあります。
白星(シラボシ)
メキシコのコアウイラ州に自生している白星は、別名「マミラリア・プルモサ」と言い、茎が薄緑色をした球形のサボテンです。直径は6~7cmほどに生長します。トゲがありますが、白色の羽毛状でふわふわしてとても可愛らしいフォルムをしています。
墨烏帽子(スミエボシ)
まるでサボテンがバンザイをしているかのような形をしている墨烏帽子は、ウチワサボテンという品種で、西部劇のワンシーンに出てくるようなフォルムをしています。
水やりの方法もそれほど難しくなく、観葉植物を初めて育てる人にオススメです。
形や姿が美しいサボテン
サボテンの中には、有星類、牡丹類と呼ばれる品種があります。これらの姿は、一般的なサボテンの姿とは、異なり岩のような形だったり、その肌に星を散りばめたような白点があったりします。
岩牡丹(イワボタン)
瓦を積み重ねたようなその姿にトゲはありませんが、積み重なった多肉が先が尖って角状になり、それがトゲのようになっています。整った幾何学模様のように見えますが、よく見るとそれぞれが違う形をしており、それらが織りなす全体像は、見るものを魅了します。
連山(レンザン)
出典:育てようかな。
三角形の多肉が上へと連なる様子がこの名前の由来です。積み重なった多肉のてっぺんには、もこもことした綿毛が生えており、思わず触りたくなってしまいます。
烏羽玉(ウバダマ)
出典:アレオーレのブログ
このサボテンには、トゲはなく、ベージュに近い白色で柔らかな毛が、規則正しくかたまって生えているのが特徴です。その姿が可愛らしく、女性にも人気があります。
古代のメキシコでは、この烏羽玉を祭事の時に麻酔や快楽を求めるための麻薬として使われていたこともあるそうです。
翠冠玉(スイカンギョク)
見た目には、烏羽玉とほとんど変わらない翠冠玉です。この2つの明確の違いはなく、その違いを見分けるには、花が咲くまで待つしかありません。
咲いた花が、白色であれば翠冠玉、クリーム色の花であれば、烏羽玉といわれています。しかし・・・。烏羽玉には赤い花を付ける希少種もあるようで、結局見分けるのは、困難なようです。
恩塚鸞鳳玉(オンズカランポーギョク)
名前に難しい漢字が続き読み方も難しい、こちらのサボテンは、日本人園芸家の「恩塚勉氏」によって作り出された品種で、表皮は鸞鳳玉よりも大きな白い斑点が密に入り、株によっては、真っ白なサボテンに見えるものもあります。
稜線が5本で高く伸びるタイプが、典型的な形ではありますが、稜線が3本のもの(三角形に見えます)や4本もの(四角形に見えます)など、様々な形が楽しめます。
兜(カブト)
サボテンの中でも、1・2を争うほどの人気種です。サボテンの特徴ともいえるトゲが退化してしまい、ふわふわとした綿毛のような状態になってしまった品種です。
緑の肌と白斑点の肌に、まるでボンボンがついているようで、その可愛らしい姿は、見る人に癒やしを与えてくれます。
多肉植物サボテンの育て方
ここからは、水やりやサボテンを置く場所、植え替えに絞って、注意するポイントなど、基礎的な部分を簡単に紹介します。
水やり
サボテンを育てる中で、枯らしてしまう場合の最大にして最多の原因が、水やりに関する問題です。
サボテンは、「水をほとんど必要としない」という間違った情報から、ほとんど水やりをせず、水不足によって枯れてしまったり、反対に一生懸命に育てるがあまり、必要以上に水を与えすぎて、サボテンを根腐れによって枯らしてしまう人が多いようです。
多肉植物のサボテンであっても、生長期にはたっぷりの水を必要とします。逆に、生長が緩やかになったり止まったりする休眠期には、ほとんど水を必要としません。
春や秋には、土の表面が乾いた後2~3日経ってから、夏は、月に2~3回ほどを目安に、鉢の土がカラカラになりすぎないよう注意しながら水やりをして下さい。
冬も水やりは少なめで、のタイミングを大きく空けて構いません。冬場の水やりの際は、、冷たすぎる水を使用しないように気をつけて下さい。水やりをする時は、基本として鉢底から水が染み出るまでたっぷりと与え、受け皿に溜まった水は、必ず捨てるようにしましょう。
置く場所・温度
サボテンの多くは、日の光が大好きなので、室内で育てる場合は、一年を通して日差しがよく当たる窓際において管理しましょう。しかし、夏場の強すぎる日差しは、サボテンを傷つけてしまうことがあるので、夏場は直射日光が当たらないようにレースのカーテン等で、日差しを和らげて下さい。
植え替え
サボテンが生長するにつれ、大きな鉢へ植え替えする作業が必要になってきます。というのも、同じ鉢でずっと育てていると、鉢の中が伸びた根っこで一杯になって、枯れの原因になってしまいます。
サボテンを植え替える時は、一回り大きな鉢と新しい土(サボテン用の腐葉土)などを準備し、サボテンの生長期に合わせて植え替えをしましょう。休眠期や梅雨時期に植え替えをすると、植替えのダメージから復活できず、サボテンが弱ってしまう可能性があるので、これらの時期は極力避けましょう。
※上に挙げた育て方は、あくまでも基本です。品種によってはこの限りではなく、水をもっと必要とする種類や更なる細やかなケアを必要とする品種があります。購入する際には、育て方を十分に確認しましょう。
まとめ
様々なタイプのサボテンを紹介していましたが、お気に入りのサボテンは見つかりましたか?ここで紹介した多くのサボテンは、園芸店やインターネットから購入することが可能ですので、もし、心ときめくサボテンが見つかったら、ぜひ手に入れて育ててみてはいかがでしょうか?