可愛い人気の観葉植物ペペロミアの枯れない元気な育て方、特徴、種類について紹介します。
観葉植物ペペロミアの特徴
コショウ科ペペロミア(サダソウ)属のペペロミアは小型の多年草でがっしりとした茎と多肉質な葉を持つものが多く性質は強健で乾燥にも強いので育てやすい植物です。葉も個性的でバリエーション豊かなことも魅力の一つです。
ペペロミアとは「コショウに似た」という意味です。料理によく使われる香辛料のコショウは同じコショウ科ですが別の属のコショウの木からとれるものでペペロミアと性質も似た近縁種になります。
花穂もつきますが長く細いものが穂状に伸びあまり目立ちません。そんなペペロミア、世界の熱帯、亜熱帯に広く分布しその数1000種にもなります。日本にはサダソウと島胡椒の2種類が自生しています。
ペペロミアの種類
数多いペペロミアの品種の一部をご紹介します。
シマアオイソウ(ペペロミア・アルギレイア)
原生地:ブラジル
ロゼット型※1で丸い葉が株元から多数群生しボリュームがでます。葉は濃緑色地に銀白色の縦縞模様が入りとてもアーティスティックな種類です。
ペペロミア・オブツシフォリア
原生地:熱帯アメリカ、フロリダ南部
直立型※2で草丈30cmくらいになり、分岐します。茎は茶褐色もしくは紫色を帯び、葉は濃緑色で光沢があり多肉質です。
ペペロミア・グラベラ
出典:tree tree
原生地:熱帯アメリカ
ほふく型※3で小さく丸みを帯びた葉が互い違いにつく(互生)可愛らしい品種です。
サダソウ
出典:沖縄植物図鑑
原生地:日本
本種はペペロミア属の中で大隈半島、佐多岬で見出されたことからサダソウと名付けられました。暖地の海岸近くの樹林下の砂岩質地などに自生するライムグリーンの常緑種です。直立型※2
- ※1ロゼット型:茎が短く葉には長い軸がついており葉は茎を中心として四方に伸びるタイプ。
- ※2直立型:茎が太くまっすぐ上に伸びます。茎はある程度の高さになると重みで斜めになるので支柱などで固定します。
- ※3ほふく型:茎は細く地面を這うようにのびていきます。
観葉植物ペペロミアの育て方
日光・温度・置く場所
ペペロミアは明るく風通しの良い場所を好みます。室内管理であれば春、秋はレースカーテン越しの窓際などであれば明るさと風通しが確保できます。ベランダなど屋外で管理する場合は直射日光を避けて明るい日陰に置きます。
薄暗い場所に長く置くと徒長し、葉の光沢が失われます。葉焼けを起こさない程度に遮光して光を浴びることがポイントになります。耐寒温度は8~10度です。できるだけ室内でも10度以上保てる場所が理想的ですが、乾燥気味に管理すれば10度以下の低温にも耐えることができます。
水やり
5~6月と9月は土の表面が乾いたらたっぷりと水をやります。土がなかなか乾かない時は土への水やりを中止して葉水に切り替えます。7、8月の高温時期には根腐れを起こさないように水やりを控えます。
10月から徐々に水やりを控え冬は乾燥気味に管理します。暖房などで乾燥した室内でも葉水は有効です。ペペロミアは葉や茎が多肉質で水分をふくんでいますので乾燥には強い植物です。乾燥より過湿に注意しましょう。
土
市販の観葉植物ようの土か、配合する場合は赤玉土5・腐葉土4・ピートモス1程度混ぜ合わせます。
肥料
5~9月の成長期に毎月2回程度、薄めた液肥を与える程度で十分です。多肥は厳禁です。
害虫
まれにカイガラムシが発生することがあります。風通しが良くない場所で管理しますと発生しやすく、ベタベタした蜜状の排泄物をします。白い綿がついているものはコナカイガラムシです。
葉が密集しやすいペペロミアは枯れた古い葉をこまめに取り除き、風通しを確保して葉水で乾燥を防ぐことによって発生を予防することができます。ついてしまったときはやさしく水で洗い流しましょう。
植え替え・株分け
ペペロミアは生育が旺盛なものになると根がびっしりと鉢中がいっぱいになり酸素が行き渡らなくなります。水はけもわるくなりますので2年に一回程度植え替えをします。
春しっかりと暖かくなった5月から梅雨時期までに行うとよいです。真夏は根にダメージがでますので避けるようにします。古い土と根の1/3程度取り除き新しい土でひとまわり大きな鉢に植え替えます。
そのとき、根を手でほぐしわけて増やすこともできます。株分けといって容易に株を増やすことができ、その後の健康促進にもなります。植え替え、株分けをした後は水をやり、しばらく風通しのよい半日陰の場所で根が定着するまで様子をみます。
増やし方(挿し木)
天芽から5~8cmほどの長さで切り取り、葉を数枚つけて下葉を取り除き挿し穂とします。小粒の赤玉土などに挿し半日陰の場所で時々霧吹きなどで水をやりながら様子をみます。
2~3週間後、しっかりと発根したら鉢に植え付けます。(鉢上げ)
テラリウム
ガラス容器の中に作り出されたミニチュアガーデンをテラリウムと言います。葉や用土から蒸発する水分がガラスの内側で水滴となって再び用土に戻り、湿度はほぼ安定して保たれます。
内部の湿度を保つには開口部が小さいものが適しています。テラリウム用の容器も市販されていますのでそれを使用してもよいですし、身近にある食材の空き瓶などを利用するのもよいでしょう。
小型で明るい日陰を好むペペロミアはテラリウムに適しています。
作り方
- ガラスベースの底に水腐れ防止剤を入れ、その上に容器の高さの1/5ほどのハイドロボールをいれます。
- 苗をピンセットや箸でバランスをみながら植え付けていきます。鉢から抜いて土をきれいに洗い流した苗を使ってもよいですし、水耕栽培用に販売されている苗も長持ちします。
- 植物が倒れないように、スプーンなどを使って根に土を寄せて固定します。
- ハイドロボールの1/5ほどまで水を与え、時々葉水などで加湿します。
植え付ける際のポイントは選んだ植物を容器にあわせてバランスよく配置することです。2~3種植える場合はメインになる植物をやや高い位置に植え付け、それを背にするように小さめのものを植え付けるとよいです。このとき注意しなければいけないのは密集させすぎないことです。
あまり密集させすぎると蒸れて植物が痛む原因となるからです。できあがったテラリウムは直射日光のあたらない半日陰に置きます。水は時々霧吹きで与える程度で肥料も与えません。
世界に一つだけの自分だけの庭園をガラスの中に作ってみませんか。お部屋の中に潤いをもたらし、生きたインテリアになること間違いありません。