シンゴニウムの育て方|種類、増やし方は?

サトイモ科でも人気の観葉植物シンゴニウムの育て方、種類、特徴について紹介します。

 

観葉植物シンゴニウムの特徴

出典:m-plant(エムプラント)

サトイモ科シンゴニウム属のシンゴニウムは観葉植物が流行しはじめた初期からサトイモ科の植物なしでは語れないほどに様々な鉢物が出回っています。

サトイモ科の観葉植物で有名なのは、ポトス、クワズイモ、ディフェンバキア、モンステラ、スパティフィラム、アンスリウム‥その中でもシンゴニウムは比較的サイズが小さめでマーブル模様の葉色を楽しむ品種として多くの交配種も誕生しました。

 

ツル性なので仕立て方も様々で卓上サイズの鉢物から、支柱にぐるぐると巻きつけ高さを出したものまであります。美しい葉模様の矢尻形の葉が成長につれて形がかわるのも見どころです。

シンゴニウムの原生地は熱帯アメリカ、メキシコで、中央アメリカから南アメリカの熱帯に20種ほどが自生しています。うっそうとしたジャングルの中で弱い光と高温多湿な環境の中で茎から気根を出して他物に着生して成長します。

なかなか日本の気候でそのような環境を維持することは難しいのですが、原生地の環境を知ることで植物の適性がわかることもあります。

 

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観葉植物シンゴニウムの育て方

出典:観葉植物工房

日光・温度・置く場所

柔らかい光を好みます。真夏の直射日光をさけて5~9月は50%ほど遮光した明るい場所に置きます。ある程度の耐陰性はありますが光不足だと徒長して形が悪くなります。

耐寒温度は10度程度ですので屋外管理しているものも秋に気温が下がってきたら屋内に移動します。明るい窓際などが適していますが、冬の窓際は朝晩冷え込みますので気をつけましょう。冬でも成長させたい場合は15℃以上の室温をキープします。

 

 

水やり

春と秋は土が乾いたらたっぷりと水をやります。7~8月、暑い時期は蒸れやすいので土への水やりを控え、葉水などに切り替えます。

秋~冬にかけ気温が下がってきたら生育も鈍りますので水やりの回数を控え、土は乾燥気味に管理し、葉水をして空気中の湿度を上げるようにします。

 

 

市販の観葉植物用の土か配合する場合は赤玉土6・腐葉土2・川砂2程度配合し、水はけの良い土作りをします。

 

 

肥料

5月頃に緩効性の化成肥料を少量置き肥するか、5月~9月の間に一ヶ月に1回程度薄めた液肥を与えます。シンゴニウムは肥料を多く与えすぎると葉が茶褐色に変色することがありますので肥料の与えすぎに注意します。

 

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植え替え・株分け

生育旺盛な株は、十分に気温が上がってきた5月頃植え替えをします。根が詰まってくると土中に酸素や水が行き渡らなくなり、生育不良を起こします。

古い土と根の1/3程度ほぐし落とし、ひとまわり大きな鉢に空気を含ませるように棒で刺しながら植え付けます。シンゴニウムは株分けによって増やすことができます。

植え替え時に根をほぐしわけて別々の鉢に植えることによって健康に維持できます。株分けや植え替えの直後は根にダメージがあるのでしばらく半日陰の場所で水分をきらさないようにしっかりと根付くまで様子をみます。

観葉植物の『植え替え』のコツ|土、時期は?

 

増やし方(挿し木)

出典:METALI シンゴニウム‘ホワイトバタフライ’

シンゴニウムの効果的な発根方法をご紹介します。適期は15℃以上の気温がある5月ごろです。

  1. 葉を2枚ほどつけた状態で10センチ~15センチ程度の長さで茎を切り取り挿し穂とします。
  2. 挿し穂の下の切り口を湿らせた水苔でくるみ輪ゴムで止めます。
  3. 苔玉状にした挿し穂を浅い容器に入れ、隙間に水苔をつめて乾燥しないように霧吹きなどで水分を与え様子をみます。
  4. 数週間で発根したものを鉢に植え付けます。

 

 

苔玉仕立て

土中から根を掘り起こしある程度土を落とした根を水苔でしっかりとくるみ、ワイヤーなどで固定します。

あくまでも鑑賞目的ではありますが、苔の部分の水を切らさないように管理し定期的に水苔を外し巻き直すことによってある程度の成長も期待できます。

 

 

ハイドロカルチャー(水耕栽培)

シンゴニウムは水につけておくだけでも発根しますが、より清潔に水を維持しながら長期間水耕栽培を楽しむ方法としておすすめなのがハイドロカルチャーです。

無数の気孔があるハイドロボールをガラスベースなどに敷き詰め、シンゴニウムの苗を植えます。この時、土から抜いたシンゴニウムは根から水分を吸収することが難しいため、ハイドロカルチャー用に売られている苗を使用した方がよいです。

ガラスのベースなどに植えることによって中の水位が見やすく、土も使わないことから卓上などに置くことができます。

ハイドロカルチャーでの観葉植物の育て方と種類

 

シンゴニウムの種類

 

シンゴニウム・マクロフィルム

原生地:メキシコ南部~パナマ

シンゴニウムの原種に近い品種で耐陰性があり強健な性質を持ちます。葉色が濃く、生育も旺盛なため、しばしば支柱に絡ませて高さを出した仕立て方でオフィスや店舗の一角などに配置されることがあります。

 

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シンゴニウム・ポドフィルム

原生地:メキシコ~パナマ

ツル性で他物に着生して成長する小型の品種です。

 

 

シンゴニウム・フレンチマーブル

出典:★Aloha Platy life★

ポドフィルムの園芸品種でグリーンの葉に白い斑が大胆に入り大きく鮮やかです。

 

 

シンゴニウム・ミニ

葉型は小さいながら、幼葉のうちは矢尻状なのが成葉になると3~5つほどの深い切り込みが入ります。

 

 

シンゴニウム・シルキー

ポドフィルムの園芸品種。葉全体が淡緑色で縁にかけて濃くなる。性質も強く釣り鉢としての利用が多い。

 

 

シンゴニウム・ホワイトバタフライ

シルキーの交配種といわれ形など形状も似ていますが、シルキーよりも葉の緑が脱色したように白く美しい品種です。

 

 

シンゴニウム・ピンクバタフライ

出典:遊恵盆栽

ポドフィルムの園芸品種で葉面がピンク色の変種です。成長すると色が覚め緑色に変化します。

 

 

シンゴニウム・ウェンドランディ

原生地:コスタリカ

つる性で葉長は10センチくらいに長く、濃い緑色で白い葉脈がはしります。シンゴニウムとはいえ同じサトイモ科のアロカシアのようなエキゾチックな雰囲気があります。

 

 

まとめ

シンゴニウムは数々の品種が交配によって生まれその性質や丈夫さも異なりますが、基本的に柔らかい光にあてて空気中の水分を高めていくことで元気に育てやすい植物といえます。

どちらかというと淡い色の葉で鑑賞価値が高いシンゴニウムのほうが性質が弱い特徴があります。釣り鉢や支柱仕立て、水耕栽培や苔玉など置き場所に合わせて仕立てることもできます。

柔らかな優しい葉が茂り、室内に癒しの空間を演出してくれるシンゴニウムは観葉植物としてなくてはならない代表選手といえます。

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