オリーブといえば食用油ですが、観葉植物としても人気です。観葉植物オリーブの枯れない育て方、おすすめの種類、特徴について紹介します。
観葉植物オリーブの特徴
モクセイ科オリーブ属は日本では東北地方より南の暖地で庭の植栽として露地栽培されています。香川県小豆島ではじめてオリーブの栽培に成功しました。
樹高は高いもので3mにもなり、なめらかな幹にスモーキーな緑の葉が美しく、常緑で、滅多に葉を落とさないことからシンボルツリーとしても人気です。
また、平和・安らぎ・知恵・勝利などの花言葉がふくまれていることも象徴の木として人気を呼ぶ理由です。
5~7月頃白い小さな花がさき、その後実がつき秋にかけて熟します。果実は油分を多く含み、オイルの原料になります。オリーブの実は生でひとくち口にしただけでも渋みがひろがり味覚も低下するため生食には適しません。オイルやピクルス、塩漬けにするのが一般的です。
原産地はギリシャ(地中海沿岸)イタリア、スペインです。
観葉植物オリーブの育て方
日光・温度・置く場所
オリーブは日当たりを好む植物です。屋内よりは屋外で管理することが適しています。鉢植えになっているものは屋内の日当たりのよい場所であっても、どうしても日照不足になりがちでひょろひょろとした幹になってしまいますのでたっぷり日の当たる風通しのよいバルコニーやデッキがよいでしょう。
耐寒性もあり気温はマイナス2℃程まで耐えますが、霜に弱いので北海道や東北でも雪深い場所では屋外で栽培することができません。
水やり
オリーブはとても乾燥に強く、多湿を嫌います。鉢植えの場合は土が完全に乾いたらたっぷりと与え、しっかり乾かすといったメリハリのある水やりがポイントです。
地植えのオリーブは真夏や極端に降水量が少ない時はシャワーで水を与えますが、土壌に水分を含んでいますので普段は自然の降雨で十分です。
土
地植えの場合は水はけが重要になってきます。アルカリ性の土が適しているので植え付ける前に石灰を土に混ぜこみます。鉢植えの場合は赤玉土6・腐葉土4に石灰を配合します。
植え替え
鉢植えの場合は成長の早いものなら鉢底まで根が達したら植え替えます。適期は4~5月、9~10月です。地植えの場合は4~5月が適しています。
鉢植えで、元気がないようでしたら思い切って4~5月に地植えにして大きくする方法もあります。反対に地植えのものを_鉢に植えると弱りますので 避けたほうが良いでしょう。
地植えにすると、環境が合えばぐんぐん根を張り葉を茂らせますので想像以上に大きくなってしまったとゆうことも起こり得ます。植える場所は大きくなった樹形をイメージして建物からある程度離して植えましょう。大きくなった後から植え替えることは容易ではありません。
根域制限といって、地植えにする際にあなを掘って麻布などで養生したり、麻袋などに植えてから植え付ける方法があります。高さとボリュームを抑えぎみにすることができ、省スペースに植え付ける際におすすめです。
植えたあとはたっぷり水をやり支柱などで支えます。
肥料
幼木で成長促進させたい場合は3~9月の成長期に3回程度間隔をおいて緩効性化成肥料か油かすを与えます。
地植えの成木ではほとんど肥料を必要としません。
剪定
オリーブの剪定には強剪定と弱剪定と2種類あります。葉が密集していたり樹形を整えるための、伸びすぎた枝を切り詰めることは弱剪定といって年間を通じて行えます。
こまめに切ったほうが新芽が出て健康に育ちます。左右交互に枝がつくようにバランスよく切ると樹形が整います。気をつけて行う必要があるのは強剪定で主幹や太い幹を切るときです。
この作業も木を若返らせる効果があり、大きくなりすぎたときは切り詰めるとよいのですが、木が栄養を取り込んだりの活動を休んでいる休眠期に行う必要があります。オリーブの休眠期は冬でその中でも強剪定には2月頃が適しています。
春になると新芽が次々に出てまたボリュームも出てきます。強剪定した後の幹の断面から細菌や虫が入り込むことを防ぐため、トップジンなどでコーティングすると安心です。
花をつけるための剪定
オリーブは新芽から一年経た翌年の枝に花をつけます。花付きを考えて2年目の枝を残しながら剪定すると春に白い可憐な花をつけてくれます。
増やし方
挿木で増やすことができます。新芽からある程度の長さまで成長した2、3枚葉のついた枝を枝先から10センチほどに切り、2時間ほど水につけます。
(水あげ)湿らした水はけのよい赤玉土や川砂に挿し、半日陰の場所で乾かさないように管理します。根を出すまでは湿度が必要になります。霧吹きで加湿したり、ラップで覆い乾燥を防ぐ方法もよいでしょう。
1~2ヶ月程で根が発根が安定したら鉢に植え替えます。その後3年程度、鉢植えで管理して寒い時期は霜の当たらない場所に移動したりして根が定着するのを待ちます。直径5センチ、長さ30センチほどの太い枝が手に入ったら上部が地表から5センチほど出る深さに植えます。
太枝挿しといって地表から出た枝の脇から新芽がでます。表土が乾燥したら水やりをします。さきほどの枝穂を使う方法よりは手間がかかりませんが時間はかかります。どちかの方法も春先の成長期に行います。
病気・害虫
オリーブはあまり害虫被害がありませんが、オリーブにつく特徴をもつ、オリーブアナアキゾウムシの幼虫は幹の内部を食べる害虫です。蛾の幼虫なども一度つくと葉を食べてしまうので、根気よくピンセットなどで取り除きます。
オリーブの実をつけるための植え付け
オリーブの実を収穫するためには2種類以上の品種を至近距離に植えつけるとよいです。
風や虫を使って受粉しますので 半径100メートル以内の場所に異なる品種のオリーブを植えるようにしてください。開花日数は4~5日でその間に受粉できるように開花時期の同じ品種を選ぶと失敗が少ないです。
オリーブの実は緑色(9~10月)→赤色→黒紫色(12月頃)に変化します。使い道によって収穫時期がことなります。
オリーブの葉のアレンジ
オリーブは太陽の樹、平和の象徴としてのイメージもあり古代アテネではその葉でリースをつくり勝者の頭上に冠として授けたとも言われています。
剪定で出た枝ばを丸く束ねてワイヤーでとめるだけでシンプルなリースができます。スワッグといってドライフラワーなどと一緒に束ねて逆さまにして吊るせばおしゃれなインテリアになります。
観葉植物オリーブの種類
数あるオリーブの品種の中で比較的早く花が咲く品種をご紹介します。
ネバディロブロンコ
出典:樹冠
スペイン原産 数あるオリーブの中でもっともポピュラーな品種で成長が早く丸みのある薄緑の葉です。
枝葉が多くボリュームがでるので目隠しにもなり、刈り込んで形作ることもできます。
マンザニロ
出典:www.lighthill.jp/olivelist/manza01
スペイン原産、葉はやや銀葉系で他の品種より小型で丸みがあります。
チプレッシーノ
出典:樹冠
原生地はイタリアのシチリア島です。果実は丸みのある楕円形、葉はやや銀葉よりで先がとがっています。
レッチーノ
出典:SOUJU
イタリアのトスカーナ地方原産で気候の変化にもよく順応する品種です。
まとめ
オリーブは、観葉植物として室内で管理し続けることは難しいといえますが鉢に植わっているものは移動ができるので様子をみながら屋外で太陽の光に当てたり、室内の明るい場所で楽しんだりすることができます。
白ぬりの壁やテラコッタなどと相性もよく、玄関先に素焼きの鉢など植えて置くとナチュラルな雰囲気が出せるでしょう。シンボルツリーとしてお庭に植え付ける際は、大きくなることを想定して時々剪定を楽しみながらオリーブのある暮らしをはじめてみませんか。