室内で生育しやすい観葉植物の中で品種の多さではトップクラスのフィカス属。あとからこれもフィカスだったの、と思い知ることも多々あるほどにゴムノキの仲間はたくさんいます。(例えばウンベラータ、ベンジャミン、ガジュマル、、)
葉の形状は違ってもおおまかにゴムノキの仲間と認識しておいて損はありません。クワ科フィカス属インドゴムノキの育て方をご紹介します。
観葉植物ゴムの木の特徴
原産地
原生地はインド・マレー半島・ミャンマー(東南アジア熱帯雨林気候区)。現地で自生しているものの中には30~40メートルにもなる高木もあります。
幹は直径2mほどになり多くの気根、支柱根をだしその巨体に養分をおくり支えています。日本でも温暖地では屋外で自生しているものもあります。観葉植物として流通しているものでは1メートル以上の大きな鉢物から30センチくらいのものまで仕立て方は様々です。
形状
葉は肉質で艶があり葉も大きくなります。樹液は乳白色で以前はその名のとおりゴムの原料にもなっていました。非常に強健で生育も旺盛です。暑さ寒さに強く比較的暗い室内でも維持できます。
とてもタフなイメージが定着しているのでどんどん流通量が増え、観葉植物としてインテリア性を高めるために樹形を人工的に誘引した変種や交配させてつくった園芸種なども広く出回るようになりました。
そういったものは意外とダメージに弱いこともあります。もともと強健だったはずのゴムの木もタフだからといって放置していたら 気づいたら葉がなくなっていたとゆうことにもなりかねません。
インテリアとしてのゴムノキ
ゴムノキはバリエーション豊かな品種とそれぞれの特徴が個性的で、和にも洋にも雰囲気が変わります。黒い鉢に植えてモダンな雰囲気やグレーの角鉢に植えてスタイリッシュに。
カゴの鉢カバーに入れるとアジアンな雰囲気もたのしめます。鉢を替えて普遍的なイメージのあるゴムノキをイメージチェンジしてみてはいかがですか。
観葉植物ゴムの木の育て方
水やり
生育期の5~9月は土の表面が乾いたら鉢底から水がしみでる程度 たっぷり水をやりしっかりと吸収するまで次の水やりを待ちます。また表面が乾くまでの日数をだいたいカウントします。
そうしたメリハリをつけた水やりがポイントになってきます。また土が乾いてしまったときは葉が下を向き始めます。水不足のサインですので 乾いている場合はすぐにお水をあげましょう。
しばらくたつと葉が上がってきますので そんな時、植物の息吹を感じられます。秋には徐々に乾くスピードもゆっくりになりますので、水やりも減らします。冬は乾かし気味に(週に一回程度)乾いていることを確認してから水をあげます。
どちらかとゆうと加湿に弱いので 根腐れを起こさないように風通しの良い場所がよいでしょう。葉がポロポロと落ちるときは水分過多のサインです。しばらく水を控えて様子を見てください。
日光・温度・置く場所
室内の日が当たらない場所でも維持できますが、美しく育てるにはある程度の明るさは必要です。真夏の直射日光をさけ、年間を通して日あたりの良い場所に置くと葉の艶も良くなり斜上して樹形がよくなります。
茎や葉に張りがなかったり色が悪いときは日照不足のサインです。屋内でも屋外でも育てることがてきますが冬の寒さに当てると葉が黄色くなり落葉します。
5℃を下回るようになったら室内に移動しましょう。落葉して葉がなくなっても次の春には新芽を出します。幹は生きていますので冬場も土が乾いたら水やりを忘れずに。
土・植え替え
市販の観葉植物用の土か、配合する場合は腐葉土5・赤玉土4・軽石小粒1などで植え付けます。植え付け、植え替えともに5月~9月の生育期に行います。鉢底から根が出ていたりした場合植え替えの目安です。
また赤玉土を多く含む土は、しばらくは水はけがよいのですが、水やりの回数を重ねた後 団粒_状(粒と粒がくっつき合う)になって水はけが悪くなりますので一年に一回を目安に植え替えてあげると健康に育ちます。
鉢から取り出した根の1/3と、古い土を取り除きます。同じ鉢に新しい土で植え付けるか大きくしたい場合一回りおおきな鉢に植え付けます。
肥料の与え方
4~9月の間に1、2回 間隔をあけて化成肥料を置きたします。
生育不良の際は肥料やけを起こす可能性がありますので控えます。 水の過不足、日光、根詰まりなどを疑い環境の改善をするだけで元気を取り戻すときもあります。
増やし方
挿木、取り木で増やすことができます。ともに5~7月が敵期です。
挿木は、2~3枚葉をつけた枝をきり下葉を落としたあと明るめの日陰に置き、枝の1/2程度を湿らせた赤玉土などに挿して水を切らさないように管理します。約1ヶ月ほどで発根し、その後1ヶ月で定着したら鉢上げします。
取り木はよく切れる清潔なナイフで2センチほど表皮をはがします(幹をぐるっと一周)。はがした箇所に水で湿らせた水苔でつつみ ビニールで覆い密閉します。1ヶ月ほどして発根したら成功です。
発根部のしたで切り、ビニールをはずしてみずごけごと用土に植えつけます。
病害虫
インドゴムノキの病気で気をつけるのは炭疽病です。春から夏にかけて特に梅雨どき、葉に黒い斑点が広がるときは炭疽病をうたがいます。炭疽病はカビが原因で発生し、水はけがわるく温度湿度が高い環境で発生してしまいます。病気にかかった葉は早めにとりのぞき、病気の拡大を防ぎます。
カイガラムシも一度つくと増えるので見つけたら数が少ないうちに取り除きます。
古くから親しまれているインドゴムノキ以外にもバリエーション豊かな品種があり、形状も様々でインテリア性も高いことから近年ますます人気です。その一部をご紹介します。
ゴムの木の人気の種類
斑入りインドゴムノキ
出典:秋の山
明るい緑色の葉の縁に白い斑が入ったもので、インドゴムノキに比べて明るい印象です。鑑賞価値は高いのですが性質がインドゴムノキに比べて弱いです。
アポロゴムの木
出典:60歳で無職の優雅な日々
小さめの濃緑色の葉が間を空けずに重なり合う変種。最近ではその形状が面白くインテリア性も高いことから
人気で、市場でも出回るようになりました。成長旺盛ではありませんが、性質は強健です。
フィスカス・バーガンディー
出典:MACHOLOG
別名「クロゴム」と呼ばれます。深い黒緑色の葉とワインレッドの新芽がシックで大人っぽいイメージです。
アサヒゴムの木
出典:かんも屋 店長のブログ
大きな葉の周縁部に白色の斑が入り、斑入りの品種にしては生育が旺盛で耐寒性も強いです。
フィスカス・ロブスター
出典:はじめての
丸みを帯びた葉はやや小型で比較的密に重なり合い色も濃く、耐寒性も強いです。
まとめ
観葉植物が流行しはじめた頃から、その丈夫な性質と管理のしやすさ、光沢感のある葉が魅力のゴムノキ。じわじわと流通量がふえていきました。
一方で耐陰性があるとゆう言葉がひとり歩きした結果、室内の暗い場所に置かれ続けその強健さを発揮できずにダラんと弱ってしまったゴムノキが、見栄えの問題から外に放置されている姿を見かけることもあります。
観葉植物は人が人のために仕立てたものですが、生き物であることをわすれずに迎え入れましょう。インテリアとしても部屋のポイントとして欠かせないものになり、人の暮らしに順応してぐんぐん新芽を出す姿は嬉しく、その生命力に感動させられることは間違いありません。