炭そ病・斑点病の予防、原因、対処方法は?

観葉植物を育てている中で、突然葉っぱに斑点が出来てしまったら、もしかしたらそれは何らかの病気にかかっている証拠かもしれません。観葉植物に褐色の斑点が現れた時に考えられる病気の中から「炭そ病」と「斑点病」について、かかった時の症状や対処方法、予防方法など詳しく紹介します。

 

観葉植物の病気「炭そ病」について

出典:一望千里

まずは炭そ病について、詳しく紹介します。

 

症状・原因

炭そ病というのは、植物がかかる病気の1つで、観葉植物はもちろんの事、道端に生える草花や樹木など、植物であれば種類に関係なくほぼすべての植物が感染する可能性があります。病気の原因は、炭措疽病菌というカビ(糸状菌)で、それが付着することで葉っぱや枝など病気が発生します。

葉っぱに病気が発生した場合は、褐色の斑点の内側が灰白色の病斑が先ず現れます。その中心部分に黒い小さなぶつぶつや糖質の塊が出た後、病斑が波紋が広がるように広がっていき、さらに症状が進むと、病斑部の中心から穴が空いて、最終的に葉っぱの先から枯れていきます。

葉っぱに出来た病斑は、植物全体に広がります。葉っぱでは丸い病斑が出ますが、それが茎や枝で発病すると、病斑は紡錘型や楕円形で病気が進行すると、やがて枯れてしまいます。この病斑は、葉っぱや枝だけでなく、花やもし、観葉植物に実がなるものであれば、そこにも発生します。

 

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発生時期・伝染ルート

発生時期としては、春から秋にかけて発病しますが、原因がカビ菌であるため、高温多湿な環境を好む事から、特に雨が多くなる6月から7月の梅雨時期や9月から10月の時期に、特に多く発病する傾向にあります。

また、炭そ病は、とても広がりやすい病気なので、炭そ病にかかったまま観葉植物を放っておくと、隣の鉢植えにも移ってしまいます。さらに、炭そ病を発病してしまった時、多湿な環境にあると、カビの胞子が多く発生してしまうので、環境には注意が必要になります。

 

伝染ルートとしては、雨や水が植物にかかることによって伝染します。ですから、水やりする時に、観葉植物の上から水やりをすると、カビ菌がそれによって植物全体へと広がる原因になってしまうのです。

他にも、上から水をかけなくても、水やりした時に土や水が跳ね返ることで、伝染することもあります。これは、カビの胞子が鉢植えの土の上に落ちることで発生します。

 

 

対処方法

炭そ病らしき症状が見つかったら、病斑が出ている葉っぱをすぐに切り落とし、焼却処分しましょう。一度炭そ病にかかった部位は、治ることはありません。ですから、もし、炭そ病が観葉植物全体に発生してしまったら、その植物ごと処分するしかありません。

もし、病気の初期段階であれば病斑が出ている部分を取り除いた後に、殺菌剤の散布によって炭そ病の拡大を止める効果が期待できます。炭そ病に有効な薬剤としては、「モスピラン・トップジンMスプレー」や「ビスダイセン水和剤」、「オーソサイド水和剤」等が挙げられます。

 

 

観葉植物を守る「炭そ病」の予防方法

観葉植物の風通しを良くする

炭そ病から観葉植物を防ぐには、まず、炭そ病にかかりにくい環境を整えることが大切です。炭そ病の菌はカビなので、枝や葉っぱが生い茂っていると観葉植物自体の風通しが悪くなり、多湿な状態になりやすくなります。

そのため、定期的に生い茂っている部分の枝や葉っぱを園芸用のハサミで切り、植物の風通しを良くしてあげましょう。また、植物の風通しだけでなく、鉢の置き場所も、高温多湿になりやすい様な場所でなく、窓際などの風通しの良い場所に置きましょう。

 

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水は株元にやる

水やりの時、観葉植物の上から水をかけてしまうと、葉っぱの上で増殖していたカビ菌が植物全体に広がってしまうので、水は、鉢の株元に直接与えるようにしましょう。また、葉水に関しても、炭そ病の疑いがある場合は控えるようにしましょう。

 

 

鉢の土の水はけを良くする

観葉植物の風通しを良くしたり、水を株元に与えていても、土の水はけが悪くて、いつまでもジメジメした状態になっていては、結局多湿な環境を作り出してしまいます。

そうならないためにも、鉢の土をある程度水はけの良いものにしたり、水やり後、受け皿に溜まった水を捨てたりして、鉢の土は、水はけが良い状態にしましょう。

 

 

発生前に殺菌剤を散布する

炭そ病を発病してしまうと、病斑が出来た箇所は切り取って処分するしかありません。観葉植物にカビ菌が付着してしまう前に、殺菌剤を散布して、菌が付着して増殖することを防ぎましょう。

 

 

観葉植物の病気「斑点病」について

出典:namのスウェーデン輸入住宅

ここからは、斑点病について紹介します。

 

斑点病の症状や発生時期

斑点病も、葉っぱや枝などに褐色や黒色の病斑があらわれる病気です。この病気は、カビの一種である糸状菌が原因となって発生する場合と、細菌によって発生する場合があります。細菌によって発生した場合は、斑点細菌病と呼ばれています。また、斑点病の多くは糸状菌が原因で発生することが多いようです。

症状としては、原因がカビであっても細菌であっても、始めに葉っぱに細かな褐色や灰色をした斑点ができ、それが徐々に全体に広がっていきます。この時、糸状菌が原因であれば、この病斑の輪郭が比較的くっきりとしており、病斑部が出来ている裏は、粉のようなアビが生えています。

 

斑点の発生原因が細菌である場合は、まるで布に水が染み込んだようにじんわりと柔らかな病斑になります。どちらの場合であっても、この病気にかかると、生長不良になって、葉っぱが枯れて落葉してしまいます。

斑点病が発生する時期は、春から秋にかけてですが、中でも梅雨時期や秋の雨が続く時期など、よく雨が降るシーズンに多く発生する傾向にあります。

 

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対処方法

斑点病にかかってしまったら、病斑が出来ている葉っぱや枝を取り除いた後、焼却処分して下さい。病斑が出た部位を取り除いた後は、殺菌剤を散布しておきましょう。

もし、病気が広がって、病斑が大きくなってしまったり、病斑が広範囲に出来てしまった時は、観葉植物を根っこごと抜き取って焼却処分しましょう。

病斑を取り除いた後の散布に有効な薬剤としては、「ビスダイセン水和剤」や「オーソサイド水和剤」、「トップジンMゾル・水和剤」や「ダコニール1000」などがあります。

 

 

予防方法

斑点病の原因の多くがカビの付着によるものなので、予防方法としては、炭そ病の予防方法と似ていています。斑点病においても、先ずカビが繁殖しにくい環境を作る事が、一番の予防策です。

観葉植物の枝や葉っぱを定期的に剪定したり、鉢の土の水はけを良くしたりして、通気性を良くして多湿になる状態を避けましょう。また、葉っぱが常に濡れている状態だと、斑点病が発生しやすいので、水やりの時は、直接葉っぱに水をかけないようにしたり、葉水をした後は、乾いた布等で拭き取るようにしましょう。

さらに、窒素成分を多く含んだ肥料を多用しないということも、予防策の1つです。これは、炭そ病においてもいえることなのですが、窒素成分を多く含んだ肥料は、炭そ病や斑点病を誘発することがあるので、肥料を与える時は、窒素成分が控えめな肥料を適度に使用するといいでしょう。

観葉植物の病気の種類|原因、症状は?

 

まとめ

いかがでしたか?炭そ病と斑点病について紹介しました。どちらも発病の原因の多くが、糸状菌というカビによるものでした。そのため、カビが発生しやすい高温多湿な状態にしないこと、観葉植物の通気性を良くしておくことが、病気を予防することに繋がります。

大切な観葉植物を病気から守るためにも、日頃からよく観察して、初期症状のうちに対処するようにしましょう。

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