特徴的な葉っぱの形と色合いをしたアイビーは、長いツルを伸ばし、その見た目が可愛らしく涼し気な印象をあたえることから、多くの人から親しまれています。
人気のアイビーの水やりや置き場所など、育て方について詳しく紹介します。
観葉植物アイビー(ヘデラ)の特徴
アイビーは、別名を『ヘデラ』『キヅタ』というツル性の観葉植物で、1年中青々とした葉っぱを付けるツル性の常緑樹木です。
暑さや寒さに強く、他の観葉植物から比べると、水やりなどの際もそれほど気を使わず、メンテナンスも比較的手軽である事が特徴といえるでしょう。
また、ツルを長ク伸ばすことを活かし、バスケットなどの可愛らしい入れ物に植えて、天井や壁から吊り下げるなどしてインテリアアイテムとしても、よく重宝されています。
ただ、支柱にからませて栽培する場合は、最初はなかなかうまく絡んでいかないので、紐などでツルを支柱に結える必要があります。
観葉植物アイビー(ヘデラ)の育て方
置き場所・日光
真夏の直射日光は避け、夏の期間は明るい日陰に置き、その他の季節には、なるべく日当たりの良い場所に置き、日光に当てましょう。ただし、夏以外でも、強すぎる直射日光に当てると、葉っぱが火傷をしたような状態になるので、そのような時は、レースのカーテンなどで日射しを和らげるように気をつけて下さい。
アイビーは、耐陰性に優れた植物なので、その他の植物ほど日射しを気にしなくても育ちますが、時々は日光浴させましょう。日に当てることで葉っぱの色つやは良くなります。
葉っぱに斑が入った種類のアイビーの場合は、日に全く当てずに育てると、日照不足から模様が薄くなったり消えてしまったりすることがあります。
また、全くといっていいほど日の入らない日陰の場所は、新芽が成長せず、葉っぱも落ちてしまうので、耐陰性に優れたアイビーであっても、そのような場所での栽培は適しません。
万が一、そのような場所にしか置き場がない時は、週に何度か日当たりの良い場所に移動させ、日光浴させるようにして下さい。また、耐寒性にも優れたアイビーは、耐寒温度が0℃~3℃で、暖かい地域であれば、冬でも屋外で育てることが可能です。
耐陰性にも耐寒性にも優れ、場所を選ばないアイビーですが、日当たりがよく風通しの良い環境に置くと、よく生長するため、理想としては、日当たりが良い窓辺などに置くのがベストだと思います。
水やり・肥料
多少であれば、乾燥に耐えてくれるアイビーですが、本来水をよく吸う植物で、定期的に水やりをする事で、元気に生長します。生長期である春から秋(4月~10月)にかけては、土の表面が乾いたら、鉢の底から垂れてくるほど水を与えて下さい。
11月~3月の間は、生長が緩やかになるので、土の表面が乾いてから数日後に水を与えるようにします。また、真冬の間は、暖かい午前中に水やりをするようにしましょう。気温が低い間に水やりをすると、水温も低いため、枯らしてしまう可能性があります。
ただし、土がカリカリになって固くなるほど乾くと、葉っぱが落ちてしまうので気をつけて下さい。肥料に関しては、鉢の土自体が養分を含んでいたり、培養土であれば特に肥料を与えなくても枯れることはありません。
ただ、葉っぱをたくさん出したかったり、ツルを生長させたい場合は、5月~9月の生長期に与えましょう。2ヶ月に1度、固形型の肥料を少ない量与えるか、液体タイプの肥料を薄め、10日に1回の間隔で水の代わりに与えます。
一度に沢山の肥料を与えた後しばらく与えない日を作るという与え方より、切らさないように少しずつの量を与えるやり方のほうが良いです。
剪定(切り戻し)
剪定とは、植物の伸びすぎた枝やツルを園芸用のハサミなどで切って植物の形を整える作業のことを言います。切り戻しも意味合いとしては一緒ですが、園芸においては、剪定のこともまとめて切り戻しという事が多いようです。
ただ、厳密に言えば切り戻しは、いくつかある剪定の種類の一つとなっています。さて、アイビーの剪定について戻りますが、アイビーの生長は旺盛で、特に生長期のアイビーは、みるみる内にツルが伸びていきます。そんな育ちすぎるアイビーの剪定はいつしても大丈夫です。
ツルが伸びすぎると、ツルの先端まで栄養や水分が届かず、葉っぱが先に行くほど小さくなったり、先端が枯れたりします。また、ツルが伸びたことで、全体的なバランスが悪くなってしまいます。
ですので、生長期には5月頃に1回、その後9月頃にもう一度伸びたツルを剪定すると良いでしょう。アイビーの場合は、節があれば大抵新芽を出すことができるで、ツルのどこを切リ落としても、その後の生長に問題はありません。
ツルの根本(生え際)でなければ、自分の好きな場所でツルを切って、イメージした形にして下さい。また、ツルを切る時は、だめになっている部分はなるべく切って下さい。どれだけ、その箇所が広範囲でもバッサリと切りましょう。
ただし、木質化したツルからは、新芽や新しい葉っぱが出てくることがないので、木質化したツルだけを残すことがないように注意して下さい。『木質化(もくしつか)』というのは、ツルの茶色く固くなった部分があると思います。
この茶色で固くなる変化のことをい、多年草によく見られる変化で、茎やツルの表面が木の表面のように固くなる現象のことをいいます。剪定したツルは、一輪挿しにしたり、挿し木にしたりして楽しむことが出来ます。
植え替え
育ちやすいアイビーは生長が旺盛なため、放っておくとあっという間に鉢の中が根っこでいっぱいになり、水を吸えなくなってしまいます。そうなると、枯れる原因になってしまうので、1~2年を目安に植え替えが必要になります。
植え替えのサインとしては、鉢の底をのぞいた時穴から根っこが出ているか水やりをしていて、その水が鉢の底から出るまで(土に浸透するまで)時間がかかるようになったら、植え替えどきとなります。
植え替えるのに最適な時期としては、5月~9月の気温が高い時期が良いでしょう。
アイビー(ヘデラ)の病気・害虫
基本的には、病気や害虫に強いアイビーですが、高温で乾燥しがちな場所や時期にはハダニが発生しやすくなります。また、栽培している環境次第では「立枯病・灰色カビ病・炭疽病」といった病気にかかることがあります。
立枯病(たちかれびょう)
カビ菌が繁殖することで発症する病気です。土の中で繁殖したカビ菌に侵されて根が腐り、水分や養分を吸収できず、やがて株全体が枯れてしまいます。
今まで通りに世話をしているのに、茎が少しずつ枯れたり、ツルに元気がなくなっている様子が見られた時は、立ち枯れ病かもしれないことを視野に入れ、感染している部分を見つけて抜き取って処分して下さい。
立ち枯れ病は、水分によってどんどん拡散していくので、枯れる前に対処し、鉢の中の土も、植え替えの時と同様の手順で入れ替えましょう。
灰色カビ病
葉っぱや茎が灰色のカビに覆われたかのように、淡褐色の斑が広がって葉が枯れる病気です。この病気を発症すると、最初に葉っぱや茎に水がしみたような痕が現れます。それを放置すると、どんどんしみのような痕が黒や茶色に変色し全体に拡がります。
灰色カビ病にかかってしまった部分は、回復することがないため、それにかかった葉っぱや茎は切り取って処分して下さい。
もし、早い段階で処置できれば病気にかかった部分を切り取った後に薬剤を散布して、その後の発生を食い止めることが出来ますが、株全体に病気が広がってしまった場合は、その株ごと処分して下さい。
ただ、病気の部分を取り除いても、灰色カビ病の菌が土に残っている可能性があるので、可能であれば土を入れ替えるか、それが難しければ薬剤を土に散布して菌を取り除いて下さい。
灰色カビ病は、枯れた花や弱った植物に感染しやすく、葉っぱが生い茂り葉っぱ同士や茎への風通しが悪くなると、発症しやすくなるので、風通しと水はけが良い環境を作りましょう。
炭疽病
葉っぱやツルに、灰褐色~淡褐色、黒い斑点が広がり最終的に枯れてしまう病気で、炭措疽病菌というカビが原因となっています。炭疽病は、高温多湿の環境で発生しやすく、水やりの時に土から水滴が跳ね返ることで、感染が拡がります。
水はけや風通しが良くなかったり、窒素分が多い肥料をたくさん与え、さらに葉っぱが生い茂っている時は、注意が必要です。
まとめ
育てやすく、水栽培も出来るアイビー。葉っぱの色や模様の種類が豊富なので、自分の部屋に合ったアイビーを探して飾ってみてはいかがでしょうか?