ガジュマルの育て方|剪定、植え替え、水やりは?

日本では、沖縄に自生しているガジュマルは、ぷっくりとしたその幹が、なんだか木の妖精のようで人気のある観葉植物です。ガジュマルの育て方について、詳しく紹介します。

 

観葉植物ガジュマルの特徴

ガジュマルは、日本の沖縄やインド、オーストラリアに生息する常緑樹で、幹は多く枝分かれして繁茂します。気根を地面に向かって垂らし、少しずつ土台や自身の幹に複雑に絡みつき、ガジュマル特有の独特なフォルムになっていきます。

ガジュマルの名前の由来も、そうした幹や気根が絡まる姿が訛ったものという説もあるほどです。気根は、最初とても細いですが、幹と同じほど太くなり、地面に達する頃には幹と区別がつかないほどになります。

 

自然に生えているガジュマルは、木の高さが20mほどになりますが、観葉植物としてのガジュマルは、10~20cmから最大で100cmほどの木の高さのものが、多く販売されています。また、気根によって枯れていく土台を取り除き、空洞状にしたものも売られています。

観葉植物として人気が高いガジュマルは、その管理が比較的簡単で、枝の切り戻しをして木の形を整えるものさほど難しくないので、初心者でも育てやすく、それが人気の一つとなっているようです。

 

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観葉植物ガジュマルの育て方

置き場所・日光

ガジュマルは陽の光を好み、日光を浴びて育つ植物です。ですので、日がよく差すベランダや窓辺に置き、ガッシリとした丈夫な木に育てましょう。特に、黄金ガジュマルと呼ばれる種類のものは、たっぷり日光に当てることで、光沢のある美しい黄緑色の葉色になります。

ただし、葉に斑が入った品種のガジュマルは、強すぎる光線に弱いので、真夏には直射日光を避け、明るい日陰で育てるようにしましょう。但し、また真夏以外の時期は、よく日に当たる場所に置いて育ててあげて下さい。

 

 

温度

耐寒温度は5~6℃なので、冬の間は、ベランダで育てている場合は室内に入れ、窓辺から少し離しましょう。また、日中の温かい時間帯には、日の良く当たる場所に置くなどして工夫して下さい。

気温が5℃以下の場所に置いておくと、葉っぱが枯れて落ちてしまいます。しかし、葉っぱが枯れ落ちてしまっても、5℃以上で気温を保ち、空気中の湿度を高く保つことで、春には新しく芽が出てきて復活することもあります。

 

 

水やり

ガジュマルが自生するどの地域も、湿度の高い熱帯地域であるため、水が切れると枯れてしまいます。

ガジュマルへの水やりは土への水やりは、他の植物と同じように土が乾いてから水をたっぷり与え、葉っぱへ霧吹きなどで水をかける「葉水」をし空気中の湿度を上げましょう。ちなみに、水不足になると、木の下の方から葉っぱが枯れてきます。

 

生長期である春から秋にかけては、特に水がたくさん必要で、基本としては『土が乾いたらたっぷりと水を与える』のですが、春から夏にかけては、毎日1~2回を目安に水やりをしましょう。

秋に入り、気温が低くなってくると、ガジュマルの生長もゆっくりになるので、与える水もそれほど必要でなくなります。夏までは、毎日与えていた水も回数を減らし、冬には、土が完全に乾き、白っぽくなってきたら、さらに数日後に水やりをする程度で大丈夫です。

水分不足になると枯れてしまうガジュマルですが、ずっと土が湿っている状態が続いても、根腐れを起こし枯れてしまうので、季節に応じた水やりをして下さい。ただし、冬場でも水を与える時は、春や夏同様に鉢の下から水が流れてくるまでたっぷりと与えて下さいね。

 

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肥料

ガジュマルは生長期には、水だけでは栄養が不足することもあるので、生育期間である春から秋の間に2ヶ月に1回程度、ゆっくり効果が出るタイプの化成肥料や観葉植物用の固形の肥料か、10日~15日おきに1回液体肥料を与えて下さい。

肥料をたくさん与えてしまうと、葉や枝が伸びすぎてしまうため、観葉植物の場合、生長期であっても、それほどたくさんの肥料は必要ありません。

冬は、ガジュマルがどんなに元気に見えなくても、肥料は与えないで下さい。冬には、生長がほとんど止まってしまうため、ガジュマルが栄養過多の状態になり、かえって根を傷めてしまいます。

 

 

剪定

ガジュマルは、よく枝を伸ばすため、何年も放っておくとびっくりするほど大きく育ってしまいます。そのため、室内で育てる観葉植物の場合は、1年に1回、5~6月に剪定をしましょう。

ガジュマルの剪定する場合「切り戻し」という方法で行います。切り戻しとは、必要のない枝を元の短い長さで切りそろえる状態に戻す方法で、これは、ガジュマルの形を整える目的だけでなく、枝の生長を促す働きもあります。

 

初めて剪定する時は、短く切ると枯れてしまうのではないかと心配になりますが、ガジュマルの生命力が強いので、すぐに新芽が出てきます。

切り戻しをする前に、自分のイメージする形に近い写真などを用意し、イメージした形より、ひと回り小さく剪定する事でガジュマルをきれいに作ることが出来ます。

 

切り戻しの手順としては、まず真上に伸びる枝の先端を切り高くなりすぎないようにします。次に、枯れている枝を根元から切り落とし、外や内に伸びている枝の長さを全体的に切りそろえます。その後、重なり合った枝のどちらかを根本から切ります。

剪定する時期は、生長期の最初の方で行います。ちなみにガジュマルの生長期は4月から9月なので、剪定は4月~5月頃に行うといいでしょう。その時期以外に形を整えたい時は、枝先を軽く切りそろえる程度にしてください。

 

剪定後は、生命力が強いガジュマルであってもダメージを受けているので、直射日光に当てると枯れてしまったり、剪定によって葉っぱの数が減ることで、根から吸い上げた水を蒸発させる力も弱くなって根腐れしたりするので、直射日光が当たらないような場所に置いたり、水やりを少し控えたりしましょう。

この時の水やりの目安としては、土が白っぽくなりカラカラに乾燥してから、水を与えましょう。早く元気な姿に戻したい時は、普段より2倍位に薄めた液体肥料を水やりの時に水の代わりに与えるといいです。

 

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植え替え

ガジュマルを同じ鉢で育て続けると、鉢の中で、根っこを延ばす場所がなくなり枯れる原因になるので、大きく育ってきたら2~3年に1回のペースで、一回り大きな鉢へ植え替えましょう。

植え替えをする時期としては、4月から7月の間に行いましょう。特に5~6月が最適です。また、新たな鉢に入れる土としては、水はけと水持ちの良い育ちやすい新しい土を用意することが大切で、赤玉土と腐葉土の割合が7(赤玉土):3(腐葉土)の割合で混ぜたものを使うと良いです。

 

とはいえ、今は園芸店やホームセンターで観葉植物用の培養土がたくさん販売されているので、それを使うと手軽で手間もかからないので、初心者の方は、市販の土を使うことをお勧めします。

古い鉢からカジュアルを引き抜いたら、周りの土を1/3ほど落とし、腐ったり黒くなっている根をはさみで切って、あらかじめ土を入れて用意しておいた新しい鉢の中心に置き残りの土を上から入れます。

 

この時、あらかじめ入れておく土は鉢の1/3ほどまでで、その後、鉢の縁の2~3cm下まで土を被せて下さい。鉢のすれすれまで土を入れると水やりした時、水とともに土があふれるので、必ず縁から2~3cm下までにしましょう。

また、土を入れ終わった後、根と土をなじませるために、割り箸などで土の表面をつついて下さい。そうすることで、根の間まで土が行き渡ります。この時、土の表面が下がることがあるので、そうなった時は、さらに土を入れましょう。

 

土を入れ終わったら、鉢の底から水が垂れるまでたっぷりと水を与えで下さい。植え替えが完了したら、1~2週間は、直射日光が当たらない明るい日陰に置いてください。また、風通しが悪いと害虫が付くことがあるので、陽射しの差し込む窓辺に置くことをお勧めします。

この間の水やりは、土が乾いてから与えるようにし、肥料は与えません。新しい芽や枝が生えてきたのが確認できたら、いつもどおりの環境に戻してあげましょう。

観葉植物の『植え替え』のコツ|土、時期は?

 

害虫

環境の整った場所で適切な水やりをしているにも関わらず、葉っぱが落ちてくる場合は、害虫が発生している可能性があります。ガジュマルに被害を与える害虫は、「カイガラムシ」や「ハダニ」です。どちらも、葉っぱや茎に寄生してガジュマルの栄養を吸い取ります。

カイガラムシは、その名の通り貝殻のようなものがある種類や貝殻がないもの、丸いものや縦長のものなど、国内でも400種類発見されており、形は様々です。

 

どの種類も大きさは1mm~3mmほどで、肉眼では見にくいですが、白っぽいものがたくさんついている時は、カイガラムシが寄生している可能性が高いので、他の葉っぱは茎なども確認して下さい。

カイガラムシは、成虫になると殺虫剤の効果があまりない種類のものもいるため、見つけた時は、歯ブラシなどで直接こすり落として下さい。

カイガラムシの駆除、予防方法|成虫になったら注意

 

ハダニは、1mm以下というとても小さい虫であるため、カイガラムシより目視で見つけるのは困難で、大抵の場合は、葉っぱに以上が見つかってから気づくことが多いです。

ハダニが汁を吸うと、その箇所の葉緑素が抜け、白い模様ができようやくガジュマルの異変に気が付きます。また、ハダニは整った環境のもとでは爆発的に増え、一定数に達するとクモの仲間であるため、お尻から糸を出して飛んで別の場所に移動します。

 

このように、白い模様のような葉っぱが出てきたり、ガジュマルに糸が絡んだりしているのを見つけたら、ハダニがいる可能性が高いです。その時は、怪しい葉っぱの下に白い紙を添え、上からそっと叩いたり揺すったりして下さい。

この時、葉っぱについたゴミが落ちてくるのですが、しばらくそのまま見ていると、動き出すゴミが出てきます。それがハダニです。

ハダニが確認できたら、専用の殺虫剤を葉の両面に散布するか、ハダニは水に弱いため、霧吹きなどで葉の両面を濡らしたり、濡れた雑巾やティッシュなどで拭くことで、駆除できます。また、葉水は、ハダニの予防にもなるので、こまめに葉水をしましょう。

ハダニの駆除、予防方法|観葉植物を害虫から守る

 

まとめ

ユニークな形をしたガジュマルですが、植える鉢によって、その印象がガラリと変わり、鉢を和風なものにすれば、盆栽のような雰囲気にもすることが出来るため、部屋を選びません。

自分好みの鉢に植え替えれば、より愛着がわくかもしれませんよ。

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