サボテンの育て方|水やり、植え替え、害虫は?

多肉植物の代表ともいえるサボテンには、育てやすいというイメージから、観葉植物を初めて育てる人が手にしやすいようです。しかし、実際育てて見ると、枯れさせてしまったという声も多いようです。

実は元気な株を育てるには、意外とコツが有るのです。サボテンの育て方について紹介します。

 

多肉植物サボテンの特徴

「サボテン=砂漠に自生」というイメージの人が多いと思いますが、サボテンの種類の中には、砂漠の他にも雨の少ない土地や高地で育つものもあります。ただ、植物が育つには、過酷な環境であることが多く、そのために、葉っぱや茎などに水と養分を蓄えられるようになっています。

ところで、サボテン以外にも多肉植物は数多くありますが、その違いはどこにあるかご存知ですか?サボテンの特徴と聞いて一番に想像するのは、体中ににあるトゲでしょうが、他の多肉植物であっても、棘を持つ種類はあります。

 

では、その最大の違いは何か?それは『刺座(しざ)』が有るか無いかです。刺座はアレオーレとも呼ばれていますが、サボテンのトゲの根本を見てみると、綿毛のような白い部分があることがわかります。それが刺座です。

サボテンには、必ずこの刺座があり、トゲのないサボテンであっても、刺座は残っています。刺座があるものがサボテンで、トゲがあったとしても、刺座がなければ多肉植物ということです。つまり、刺座は、サボテンの最大の特徴といえるでしょう。

 

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観葉植物サボテンの育て方

置く場所・日光・温度

サボテンは、様々な環境で自生していると書きましたが、やはり乾燥した日差しの強い場所で育っているものが多く、日光を好む種類のサボテンが多いです。そのため、置き場所としては、日当たりと風通しが良い窓際などが適しているでしょう。

ただし、真夏などの強すぎる直射日光を当ててしまうと、葉焼けといって、サボテンが火傷をした状態になり、細胞が壊死して茶色に変色し、枯れの原因になってしまうので、日差しが強すぎる5月~9月頃は、レースのカーテンなどで日差しを和らげて下さい。

 

暑さにも寒さにも強いサボテンですが、日本のような熱帯夜は苦手です。というのも、多くのサボテンは、日中の過酷な暑さに耐え、冷え込んだ夜間の冷気で体力を回復しているからです。

これは、砂漠地帯が日中と夜間の温度差が激しく、昼は暑く夜に冷え込むという環境に自生していたための進化で、夜に温度が高いとサボテンは体力を回復できなくなるので、熱帯夜が続くような夏場には、できるだけ夜間は、除湿が効いた温度の低い部屋へ移動させてあげましょう。

 

 

水やり

乾燥に強いサボテンですが、水が必要でないわけではありません。サボテンに水やりをする時は(どの植物でも一緒ですが)、鉢の底から水が溢れ出るくらいたっぷりと与えましょう。

しかし、水やりの間隔は他の植物よりも長く、サボテンの場合は、鉢の土の中までしっかりと乾いてから、次の水やりをします。土の中が乾いていることを確認するには、竹串や割り箸などを土に刺して付いた土を触ったり、鉢自体を持ち上げて水やり後との重さの変化で確認します。

また、目視での目安としては、土が白っぽくなり土の縁が少し反り返って浮いてきたら、土の中も乾燥してきた証拠です。ただ、一番確実なのは、竹串などを刺して中の土の具合を確かめることだと思います。サボテンの水やりに関して、月を追って少し詳しく紹介します。

 

5月~9月(春と夏の終わり)

この時期は生長期で、多く水を必要とするので、この時期だけは、土の表面が乾いたらたっぷり水を与えます。

 

6月~7月中旬(梅雨時期)

5月の頃よりは水やりの間隔を空けましょう。梅雨時期は土が乾きにくいため、天気予報で晴天が続きそうな時に水やりをするようにしましょう。

 

7月~8月(真夏)

サボテンの生長が緩やかになるこの時期は、水やりを月に1回から様子を見て2回くらいに減らし、朝方か夕方以降の涼しい時間帯に水を与えましょう。ただし、もしサボテンがこの時期でも元気に育っているようなら、もう少し水やりの間隔を狭めても構いません。

 

10月~12月(秋から冬の初め)

冬の休眠の時期に向けて、生長がより緩やかになっていく時期です。水やりの間隔も徐々に空けてください。2週間に1回くらいのペースで大丈夫です。

 

12月~4月(冬から春)

この頃になると、サボテンは休眠期に入り生長が止まるため、ほとんど水を必要としません。1ヶ月に1回くらいの水やりで十分です。ただし、凍結のおそれがある時は、断水して下さい。とがあるので、萎れてきているようなら、晴れて暖かい日の昼間に水を与えましょう。

水を上げる時間帯としては、夏は朝方か夕方以降の涼しい時間帯に水やりをしましょう。気温が高くなってから水を与えると、その熱で鉢の中が蒸してしまい、根っこが傷んでしまいます。

 

また、冬は、気温が暖かくなってから水やりをして下さい。夜は気温が下がるので、夕方以降の水やりは止めましょう。さらに、季節を問わず晴れた日に水やりをするようにしましょう。特に、梅雨時期や冬には、晴れた日が続いた頃に水やりをすると良いでしょう。

サボテンが枯れてしまう多くの原因は、水不足か水の与えすぎです。水を与えすぎると、根腐れといって、根っこが腐ったり傷んだりしてしまいます。そうなると、水分や養分を吸収できなくなり、枯れてしまうのです。

土が乾燥したら、晴れた日を選んで水をたっぷり与えるようにして下さい。また、受け皿に溜まったは必ず捨てて下さい。

 

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植え替え

生長すると、鉢の中は伸びた根っこでいっぱいになってしまいます。そうなると、根っこは水分や養分を吸収できなくって萎びたり、土の中がいつまでも湿った状態になるので、根腐れを起こしたりして枯れてしまうことがあります。

そこで、定期的にサボテンを大きな鉢に植え替える作業が必要となります。1年~2年に1回、生長期である春か秋に、土が中まで乾いた状態で作業します。

 

用意するものは、『一回り大きな鉢・サボテン用の培養土・鉢底石(軽石)・鉢底ネット・ハサミ』です。また、割り箸もあると便利です。手順としては、以下のとおりです。

  1. 用意した鉢の底に鉢底ネットを敷き鉢底石(軽石)を敷く。
  2. 鉢に1/3ほど用意した腐葉土を入れる。
  3. サボテンを鉢から抜き出し、もみほぐして古い土を取り除く。
  4. 黒くなって傷んだ根っこをはさみで切り落とす。
  5. サボテンを一回り大きい鉢に根を広げて置き、用意した残りの腐葉土を入れる。
  6. 割り箸などで土を突いて根っこと土をなじませる。

植え替え後は、1~2週間ほど断水し、半日陰で管理します。もし、半日陰での管理が難しい時は、キッチンペーパーやティッシュペーパーをサボテンの上から被せて日当たりの良い場所に置きましょう。

 

 

サボテンの病気・害虫

カイガラムシ、ワタムシ、コナカイガラムシ

全てカイガラムシの仲間で、いずれもトゲや皮の溝に寄生しています。成虫になると、硬い殻のようなもので覆われる種類があるため、なるべく幼虫のうちに殺虫剤を散布して駆除しましょう。

もし、成虫になって発見した時は、歯ブラシやハケで直接こすり落として駆除して駆除して下さい。コナカイガラムシは寒くなると地中に潜るので、土を入れ替えすることで予防することができます。

カイガラムシの駆除、予防方法|成虫になったら注意

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ハダニ

1mmにも満たない小さな体で、乾燥した環境を好むため、サボテンなどの多肉植物に寄生しやすい害虫です。

体が小さいこともあり、水に弱く流されやすいので、葉水といって、霧吹きなどで水を株全体に吹きかける作業を定期的にする事で、予防することが出来ます。もし、発生したら専用の薬剤を散布して駆除して下さい。

 

 

ネジラミ

植物の根っこに寄生し、そこから養分を吸い取る害虫です。土の中に発生するため、発生に気づくことが難しいです。植え替えの時に根っこを確認しましょう。

もし、白い粉上のものが根っこに確認できたら、ネジラミが発生している証拠です。その時は、水溶性オルトランを希釈して株を1時間付けて駆除しましょう。また、浸透性移行性剤を土に混ぜることで、サボテン全体の隅々まで有効成分が行き渡りるため、害虫の発生を予防できます。

サボテンのおすすめ種類、選び方は?

 

まとめ

サボテンが枯れてしまう原因の多くは、水分不足か水のやり過ぎによるものでした。しかし、水やりのポイントを抑え、サボテンをお世話していくうちにコツが掴めると思います。上手く行けば、花を咲かせることもあるサボテン。自分のお気に入りを見つけて育ててみてはいかがですか?

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