観葉植物ナギの枯れない元気な育て方、特徴、観賞スポットについて紹介します。
観葉植物ナギの特徴
出典:http://www.okinawa-plant.com/product/77
- 学名:Nageia nagi
- 分類:マキ科・マキ属
- 原産地:日本・台湾
本来は、20メートル以上になる大木ですが、幸運を招くとして、幼木が観葉植物として人があります。神の宿る神聖な木として神社などで多く植えられてきました。葉がなかなかちぎれないことから、縁結びの象徴にもなっています。
また、ナギという名前から凪に連想し、航海安全を祈願するご神木にもなっています。あるいは、人生という航海を無事に送れるよう穏やかな人生を願う象徴としても願いが込められているそうです。
また、葉が裏も表も美しいことから、裏表のない正直な人間になるように願いを込められたとも伝えられています。ナギの木は「ナギラクトン」という物質を分泌しています。
「ナギラクトン」は一緒に植わっている他の植物の生育を抑えてしまうので、ナギの周囲にはあまり大きな木が育ちません。こうした行動をアレロパシー(多感作用)と呼びます。 「ナギラクトン」には抗菌、抗炎症効果もあります。アロマテラピーでもよく使われています。
ナギの木は水に強くしっかりとしているため、家具などに多く使われてきました。樹皮が特徴的なことから、樹皮がついているものは床柱にも用いられます。樹皮は緑色を帯びた暗い灰色です。鱗片状に樹皮が剥がれ落ちマダラの丸い文様が大変美しい木です。
ナギの名前の由来はミズアオイ科の「コナギ」からきていると言われています。ツユクサのような水田でよく見られる雑草です。葉がよく似ています。しかし、コナギは草本性の植物なので全く違うものになります。
ナギはオスとメスに分かれている
ナギは「雌雄異株」、雄株と雌株に分かれています。5〜6月になると雄株は雄花をつけ、雌株には雌花が咲きます。どちらも地味で目立たない花です。雄花は白に近い淡い乳白色で小さな粒が房状に連なります。葉の付け根から2、3分枝してつきます。
雌花も葉の根元に小さくつきます。ナギは自然受粉になります。受粉した雌株は直径1.5㎝ほどの実をつけ秋になるとこの実が青白く、白い粉をまとったように熟します。果肉を取り除き、種子を採取することができます。神社などでは、雄雌を対で植樹する場合が多いです。
ナギはマキ科に属する針葉樹
しかし広葉樹のような丸い葉を持っています。葉は縦に多くの平行脈が走っていて、主脈はありません。そのため、ナギの葉は縦に引っ張ってもなかなかちぎることができません。その丈夫さに肖り、「縁が切れない」ようにと女性がナギの葉を鏡の裏に入れる風習があったようです。
観葉植物ナギの育て方
出典:遊恵盆栽
ナギはもともと外で育てるのに適しているため、日当たりの良い場所が大好きです。寒さはやや苦手なので、出し入れの管理がしやすいように鉢植えで育てます。
置き場所
鉢植えの場合、基本は日当たりの良い明るい場所で管理します 。本来日本や台湾の穏やかな気候の場所を好みます。地植えにする場合は、水はけのよい場所を選び、日当たりの良い場所が良いです。風通しの良い場所に置いたほうが病気や害虫を防ぐことができます。
水やり
春から秋は成長期のため土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。鉢の下から水が出てくるくらいたっぷりと与えます。鉢皿に溜まった水は必ず捨ててください。冬場は水を控えめにあげてください。
土の表面がしっかりと乾いてからあげる程度で大丈夫です。地植えの場合はあえて水やりは必要ないと考えて良いでしょう。
用土
水はけのよい土が好ましいです。市販されている観葉植物の土を利用してください。または、草花の土も利用できます。
肥料
特に季節ごとに肥料は必要ありません。地植えにしたり、植え替えを行ったタイミングで緩効性肥料を与えてやると良いでしょう。
植え替え
下から根が出てきてしまったり、水の吸い込みが悪くなってきたら真夏を避け、春頃の成長期に植え替えを行います。
剪定
ナギは大きく樹形が乱れたり、枝が茂ることはないので、剪定の必要はあまりありません。木になるようでしたら適宜枝を切り戻して構いません。
ナギの増やし方
ナギは、挿し木などでの移植を嫌うので、タネから増やします。市販の培養土にタネを蒔いてから、浅く土をかけます。水やりをこまめに行い、乾燥しすぎないようにしてください。春や暖かい時期に発芽します。発芽は非常にゆっくりなので、ゆっくり待ちましょう。
葉っぱの変色
出典:新築一戸建てブログ
ナギは古いはや弱った葉は落ちる前に変色します。通常葉は、縁の方から変色していきますが、ナギは葉の中央部分から黄色くなったり変色が進んでいきます。
ナギは非常に寒さに弱い植物
冬越しにはやや気を使ってください。特に観葉植物用に入手したばかりの幼木はまだ体力もないので、冬は明るく暖かい場所で栽培してください。
ナギは成長時期にはお水が大好き
暖かい成長時期は水をたっぷりと必要とします。水切れを起こすと葉がシワシワとなりツヤがなくなってきます。一度体調を崩すと持ち直すのは難しいので、水切れを起こさないように注意が必要です。
冬場は暖かい環境が好ましいですが、エアコンの風が直接当たる環境は避けてください。乾燥が著しくなってしまい、葉にダメージが出ます。
ナギの仕立て
ナギは幼木で大変小さい状態で流通していることが多いです。暖かい時期によく出回ります。また、お正月なども縁起の良い植物として出回りがあります。花屋や園芸店、ホームセンターで簡単に手に入ります。
仕立ては、小さな植物なので簡単です。陶器などに入れるとスタイリッシュに仕上がります。濃くはっきりとした緑なので、モノトーンの陶器とよく会います。スクエアでもラウンドでもどちらも素敵なのでお好みのもので構いません。
和風なテイストの陶器も相性が良いので、盆栽鉢が手に入った場合はそちらで仕立てても面白いです。グラウンドカバーは、ネオコールや飾り石でも構いませんが、緑の状態の良い苔が入手できたら苔で覆っても素敵です。
ハイドロカルチャーやセラミス仕立ても近年よく見受けられます。しかし、本来は暖かい地域で地植えされ、大木となる木です。根に負担をかけないようにある程度環境に慣れたら、土に植え替えをすることをお勧めします。冬場は乾かし気味に管理するので、根が水に浸かったままだとうまく管理ができない場合もあります。
ナギの鑑賞おすすめスポット
ナギは幼木を観葉植物として楽しむこともできます。本来は寿命の長い大木なので、のびのびとした姿を見に出かけるのも良いでしょう。
奈良の春日大社境内
ナギ樹林は、約9.3haに広がります。国の天然記念物として指定されています。春日大社境内のナギ樹林は、自生ではないそうです。
古くにご神木として献木され植樹されたナギが、繁殖したものと考えられています。その植樹の時期は、1,000年も昔のことだそうです。
和歌山の熊野速玉大社
樹齢1000年を超えるというナギが鑑賞できます。日本最大の大木で天然記念物に指定されています。平重盛が植えたという説もあります。このナギは熊野詣の道中のお守りとして信仰されてきました。
まとめ
ナギは非常に縁起が良く、風水的にも注目されています。開業祝いや、お祝い事の贈り物として大変人気があります。また、縁が続くお守りとしてご結婚祝いとしての使い道も増えています。非常に丈夫な性質なので、初心者の方も育てやすいと思います。ぜひ、気軽に育ててみてください。