ベンジャミンの育て方|種類、挿し木、剪定は?

メジャーで人気の観葉植物ベンジャミンの育て方、特徴、種類について紹介します。

 

観葉植物ベンジャミナ(ベンジャミン)の特徴

ベンジャミナ(ベンジャミン)はクワ科フィカス属、ゴムノキの仲間でベンジャミンゴムノキとも呼ばれます(以下ベンジャミン表記)。観葉植物が出回り始めた初期からベンジャミンは常緑で室内でも葉を落としにくいことなどから一気に普及しました。

葉色の緑が濃いものから明るい緑のもの、白い斑入りのものなど形状も大小様々ですが、比較的小さめで丸みを帯びた葉がたくさん茂るという特徴はどの品種も同じようです。刈り込みにも強いため好きな形にトピアリーを作ったり幹を編み込んだり色々な楽しみ方があります。

 

原産地

原産地は東南アジア(東南アジア熱帯気候区)インドです。ベンジャミンは東南アジアなどの熱帯地域が原産です。自生地では高さ20メートルになる大木もあり、葉が四方に繁茂しています。

その生命力はすさまじく特定の樹木を宿主に着生して、気根と呼ばれる根を張り巡らせて茂ります。日光を受けるとその勢いは強まり、宿主の樹木に日が届かずに枯らせてしまうほどです。

本来、日光を好むベンジャミンですが、室内の日が届かない場所でも葉を落とさずに生きられる理由はうちに秘めた生命力が所以となっているのかもしれません。観葉植物としては知らない人はいないくらいに普及したベンジャミン。その育て方はも難しくはありません。

 

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観葉植物ベンジャミナ(ベンジャミン)の育て方

日光・温度・置く場所

ベンジャミンは日光が大好きな植物です。春~夏にかけては室内では日当たりの良い風通しのある場所に置きます。真夏の直射日光を避ければ屋外の方が葉色にもツヤが出てぐんぐん成長します。

しかし耐寒温度が5℃くらいで寒さにはあまり強くありません。冬は室内に移動してできるだけ明るい場所で管理します。

屋外から屋内に移動したり急な温度変化など環境が変わると葉が落ちることがあります。しかしそれは一時的なもので心配はいりません。移動する時は少しずつ環境に順応できるように気をつけます。

 

 

水やり

初夏~夏は鉢の土が乾いたらたっぷりとお水をあげます。しかし成長期であっても室内では土の乾きが遅いので加湿にならないように注意が必要です。冬は乾かし気味に管理します。

 

 

市販の観葉植物用の土か配合する場合は赤玉土7・腐葉土3(もしくはピートモス)を配合します。

 

 

肥料

出典:遊恵盆栽

ベンジャミンにとって一番の肥料は日光です。しかし室内置きで成長を促進させたい場合は5~9月の間、2ヶ月に一回緩効性肥料を与えます。

 

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植え替え・植え付け

旺盛なものはすぐに根がつまり、鉢土の排水性も悪くなります。成長スピードにもよりますが、鉢底から根が見えるくらい詰まっているようでしたら植え替えのタイミングです。

真夏を除いて5月から9月が植え替えのタイミングです。古い土と根の1/3を落とし、新しい用土で一回り大きな鉢に空気を含ませるようにして棒で刺しながら植え付けます。水をたっぷりやったあとはしばらく水を控え、すぐに屋外に出さず風通しの良い場所で管理します。

 

 

剪定

ベンジャミンは手をかけずにいると枝や葉を四方に伸ばし大きくなり形も崩れます。剪定にも強いので年間を通して伸びすぎた枝は切って形を整えます。旺盛なベンジャミンは下葉を刈り込んで樹形を丸くしたりトピアリー仕立てにしてアレンジすることもできます。

高くなりすぎた_幹の高さを調整する強剪定は成長期である5月に行うと新芽が展開しやすいです。弱っていたり具合が悪い場合は一気に刈り込む前に原因を探ります。

寒さや水のあげ過ぎなど、根詰まりや風通しが悪さなど数々の原因が考えられます。弱っている幹を強剪定しても新芽が展開しないこともあります。まずは環境の改善をして様子をみましょう。

 

 

増やし方(挿し木)

出典:フラワーコーポレーション

挿し木で増やすことができます。春に剪定で出た枝など15センチくらいを葉っぱが数枚ついた状態で挿し穂とします。切り口を数時間水につけてその後赤玉土やパーライトなどの無菌性の用土に挿し、発根するまで半日陰の場所で管理します。

成長期であれば一ヶ月ほどでしっかり根がでますので、その後上記の排水性よく配合した培養土を鉢にいれて挿し穂を植え付けます。(鉢上げ)鉢上げした後もすぐに屋外にだしたりせずに15℃以上の温度が保てる半日陰の場所で管理します。

 

こうして根から土の水分や養分を吸い上げることができるようになったら挿し木成功です。

挿し木に成功したら苗を二本以上、となり同士に植え付けてある程度の高さまで直立で育て、一定の高さまできたら人工的に幹を絡ませるベンジャミンの生産農家の技法を試すこともできそうです。

縄状にしたり編み込んだりと上級者向けではありますが、ベンジャミンの幹はしなやかで誘引しやすいので出来る技法になります。

 

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害虫

風通しが良くない場所で管理しますとカイガラムシが発生することがあります。ベタベタした蜜状のものがついていたらカイガラムシが原因です。白い綿がついているものはコナカイガラムシです。

葉が密集しやすいベンジャミンは定期的に剪定をして風通しをよくしてカイガラムシなどの害虫を防ぎましょう。ついてしまった場合は数が少ないうちに拭き取りとります。春先にカイガラムシ用の薬剤を散布することも有効です。

また時折ハダニも出ることがあります。白い糸を出し汁を吸われた葉はかすれたように白っぽくなります。カイガラムシもハダニも空気が乾燥していると発生しやすいのですが、湿度に弱い性質があるので時々葉水をして乾燥を防ぐことが一番の予防になります。

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インテリアとしてのベンジャミン

出典:造花専門店 岩や

ベンジャミンは力強くたくましいといったイメージよりも風にそよぐ葉が美しいナチュラルな雰囲気を持っています。天然素材でできた鉢や_ジュートを使った麻袋などを鉢カバーとして使うとより一層ナチュラル感が増します。白を基調とした針カバーもよく合います。

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観葉植物ベンジャミンの種類

ベンジャミンの園芸品種は交配などによって原種から色や形違いのものが数多く出てきています。その一部をご紹介します。

 

ベンジャミン・ゴールドラッシュ

出典:www.kirakira.ne.jp

ベンジャミンの原種より葉色が明るいグリーンで、ツヤがあります。

 

ベンジャミン・ゴールデンプリンセス

出典:BIGUP

ベンジャミンの枝変わりによってできた斑入りの品種です。幹色が茶色を帯びています。斑入りの中でも比較的丈夫な品種です。

 

ベンジャミン・エキゾチカ

出典:インテリアフェイクグリーン 通販

ベンジャミンの園芸品種で葉が長さ12センチくらいで原種よりも大きく、幹は灰白色で美しいです。

 

ベンジャミン・スターライト

出典:フラワーコーポレーション

ベンジャミンの枝変わりでできた斑入りの品種。寒さに弱く暗所に弱いです。

 

ベンジャミン・シタシオン

出典:グリーンインテリア

葉の先端が葉裏に向かい反り返る、変わった葉を密生する品種です。とても特徴的で優雅な樹形です。

 

ベンジャミン・リトルクレープ(ヤナギバベンジャミン)

出典:www.kirakira.ne.jp

細い縮み葉で大鉢仕立てにすると柳のように垂れやすいことからそう呼ばれます。耐寒性もある品種です。

 

 

まとめ

ベンジャミンは今では多様な品種が作られ、観葉植物として流通量が増えました。しかし同時に普遍的でありきたりなイメージも定着してしまい、新しい物を求める現代人のグリーンディスプレイとしてのベンジャミンの価値が下がってしまうような事態もありました。

しかし観葉植物として枯らさずに室内で維持できることを目的とするなら、ベンジャミンなどのゴムノキの仲間は他に類を見ないくらいの生命力と再生力を持っています。

そしてなにより光沢のある、風にそよぐ美しい葉や白灰色の幹などベンジャミンはインテリア性も高く居心地のいい空間作りに一役買ってくれます。部屋の広さとのバランス、育てやすさなどを考慮して長いお付き合いをしていくつもりで迎え入れると、ベンジャミンはお世話も比較的簡単で環境に順応してくれることでしょう。