リュウビンタイの育て方|増やし方、つきやすい害虫は?

観葉植物リュウビンタイの枯れない元気な育て方、特徴について紹介します。

 

観葉植物リュウビンタイの特徴

  • 学名:Angiopteris lygodiifolia
  • 科名:リュウビンタイ科 リュウビンタイ属

リュウビンタイは日本の暖かい地域に自生している大型のシダになります。株元の黒い塊が、龍の鱗のように見えることから別名「龍鱗」と言われています。また、葉脈の形が畳表の竜鬢に似ているからとも言われています。

性質は高温多湿の日陰が好きで、とても大きくなります。一枚の葉が2メートルほどになる株もあり、左右広がって葉が展開すると大変大きくなります。塊の株自体は成長に従って大きくなっていきます。

羽片、小さな葉は10枚前後が左右対称についています。シダ特有の水分をしっかり含んだ葉で、裏側には胞子嚢が付いています。シダなので、花や実、たねはつけません。この胞子を使って増えていきます。

 

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リュウビンタイの育て方

好ましい環境

リュウビンタイはシダ類です。原生地では山の中の湿度の高い場所に生えています。岩に張り付いていたり、大きな木の根元で育ちます。高温多湿の状態を、通年を通して保ってください。

ジャングルの陰で育っているので、直射日光には弱い性質を持っています。やや明るい環境で育ててください。

 

 

水やり

リュウビンタイは水切れに非常に弱い性質です。水が切れると、葉が倒れてくるので、その前にあげるようにしてください。気温が高くなる春から夏は生育期でもあるので、しっかりと水をあげましょう。

水をあげる際は株本体もたっぷりと湿らせてください。冬は休眠期に入るので、やや乾かし気味に管理します。冬は多く水をあげすぎると腐ってしまうことがあるので注意が必要です。

 

 

日当たり

やや日陰の湿ったところが好ましいです。直射日光は葉焼けを起こすので避けてください。お部屋のやや明るい場所で育てます。あまりに暗すぎると新芽が出てこなくなったり、歯が綺麗に広がらず変形することがあります。

 

 

株選び

希少品種と歌われているものもありますが、近年では比較的容易に入手することができます。選ぶ際は、新芽が付いているもので、葉がまっすぐと綺麗に伸びているもの、株がしっかりとしまっていてグラつきのないものを選んでください。

鉢に対してきつめのものの方が、生産者さんが植え替えてからしっかりと育てていて、安定した状態のものが多いです。通信販売などで購入する場合は、現状を確認してから購入すると良いでしょう。

また、植物全般に言えますが、初めて育てる種類の場合は、真冬に購入するよりは暖かい時期から育て始めた方がうまくいきます。

 

 

湿度の保ち方

葉の裏も含めて、全体にたっぷりと霧吹きをしてください。高温多湿が好きですが、あまりにも湿度が高いと、蒸れてしまったり、病気の原因となります。扇風機やサーキュレーターをうまく利用して風通しを良くしておくとより良いです。

 

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冬の対策

寒さに弱いので、最低10度は必要です。寒さに慣れていたり、大きい株であれば、5度くらいまで耐えることもあるようです。温度が保てないと、成長が止まって、暖かくなっても生育しないことがあります。

寒冷地では特に対策が必要ですが、窓の近くに置いてしまうと外気とさほど変わらない温度になってしまうので、窓から離しておきます。部屋の中央が好ましいです。夜間、特に冷える環境の場合は、床からも離してください。台などを使ったり、発泡スチロールの箱に入れて保温するようにしてください。

 

 

増やし方

リュウビンタイはシダ植物です。シダは胞子を使って増やすことができます。胞子栽培とはどういうものかご紹介します。胞子栽培は一度に大量に増やすことができます。

一度に大量の個体を増やして栽培するので、変異個体と言って面白い個体が出てくることがあり観察しがいがあります。

 

胞子を準備する

リュウビンタイの胞子は葉の裏側の縁に付いている茶色いところです。胞子嚢がはじけている時が採取のタイミングです。

葉を採取して、パラフィン紙で包み、密閉した袋に入れておきます。しばらくすると葉が乾燥し、胞子が粉状になって落ちてきます。採取した胞子は暗く涼しいところで数年間は保存できます。ただ、シダの種類によっては発芽率が低くなるためすぐにまかなければいけません。

 

 

床を準備する

胞子を蒔く床は、密封した容器がふさわしいです。タッパーやプラスチック容器が扱いやすく、管理しやすいです。

 

 

培地について

胞子を蒔く培地は無菌、あるいは殺菌処理されたものを使います。発芽から植え替えまで時間がかかり、その間にカビなどが発生しないようにするためです。バーミュキュライトを使っていることが多いです。

 

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胞子の蒔き方

発芽は、条件が整うと一気に発芽します。なるべく間隔を取るために、胞子は極力薄く広げるように巻いてください。

 

 

発芽までの注意点

密閉容器なので、直射日光は避けてください。順調に行くと、1週間ほどで発芽が始まります。

培地が乾燥するようでしたら、適宜水を与えてください。バーミュキュライトなどを利用する場合は、培養土などと違い栄養分がないので、液肥を少し混ぜて与えても構いません。成長したら、ポットに植え替えてください

 

 

鱗片での増やし方

胞子以外では、基部の鱗片を使って増やすことができます。春から秋の穏やかな暖かさの時期に切り取ってください。固く締まった鱗片を使います。柔らかくブニョブニョしていたり、しわしわしているような株が元の場合は、うまく発根しなくなります。

鱗片を親株から切り離し、一晩水につけます。綺麗な水で戻した水苔で包み込みます。明るい日陰で管理し、水を切らさないように注意します。発根したら、水苔のまま植え替えます。根を痛めるとあっという間に枯れてしまうので、十分注意してください。

 

 

植え替え

リュウビンタイは頻繁な植え替えはお勧めできません。他の観葉植物より根はきつめに管理した方がうまくいきます。植え替えの際、蜂が変形している場合は、無理に引き抜かず鉢を切るか、割るかをして取り出します。その際、根を傷めないように注意してください。

植え替えは、通常の観葉植物用の土を利用して大丈夫です。真夏を除く、暖かい時期に行ってください。

観葉植物の【植え替え】のコツ|土、時期は?

 

置く場所

リュウビンタイは置き場所が非常に大切です。光に向かってまっすぐ葉を伸ばすので、日当たりがない場所だと葉は綺麗に伸びません。新芽も同様です。

また、葉が広がると大変大きくなります。葉がのびのびと成長するように、広い場所で育ててください。多湿が好きなので、乾燥気味になってしまうので、エアコンが当たる環境は避けてください。

 

 

害虫

外で育てる場合は、害虫としてナメクジに注意してください。高温多湿の環境が好きなので、稀にカビが生えることがあります。見つけ次第拭き取って管理してください。

リュウビンタイは特に肥料がないと育たないという性質ではありません。また、塊茎が小さい時に肥料をやると枯れてしまう場合もあります。

 

 

リュウビンタイは葉が大きく広がるので、しっかりと安定した鉢に植えてください。ただ、お水が好きで、常に水分を含んでいる状態になるので、陶器などに植えると重たくなります。花台やプランツトローリーをうまく利用してください。

 

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まとめ

リュウビンタイは様々なサイズが出回り、近年は入手もしやすくなっています。高温多湿が好きという、元来の性質を理解すれば管理もしやすくなります。また、少し変わっていますが、胞子を使ったシダ特有の増やし方にもぜひチャレンジしてみてください。