エケベリアという植物を知っていますか?多肉植物の一種で、ぷにぷにとした葉っぱをを連ねた姿が、まるで花のように見えることから、インテリアグリーンとして楽しむ人が増えています。
しかも、紅葉したり花を咲かせたりと、季節によって様々な姿を楽しむことが出来る魅力的な植物です。魅力いっぱいのエケベリアを紹介します。
多肉植物エケベリアの特徴
エケベリアは、中央アメリカやメキシコなどの乾燥地帯が原産で、ベンケイソウ科・エケベリア属に分類されている多肉植物です。種類が豊富で、180種類の原種とさらに園芸交配種が数多く存在しています。
そのため、色や見た目、大きさがバラバラで、地表に茂るように生える品種や茎を伸ばす品種、直径が3cmほどの小型の品種や40cmまで生長する大型の品種まで様々です。
更に、日本の高温が苦手な品種や、逆に暑さに強く寒さに弱い品種など、原種や品種によって性質も様々で、栽培の難易度も種類によって変わってきます。
ただ、どの種類もぷにぷにとした葉っぱを重ねながら放射状に生やすという特徴は共通しています。また、秋から春にかけて葉っぱを紅葉させたり、春から夏にかけては花を咲かせたりと、季節ごとの変化が楽しめるところも、共通しています。
多肉植物エケベリアの育て方
エケベリアは、「春秋生育型」といって、どの品種であっても春と秋に生長期を迎え、4月~6月(春)と9月~11月(秋)にかけてぐんぐんと大きくなっていきます。逆に夏と冬には、休眠期といって生長のスピードがゆっくりになったり、止まったりします。
生長が緩やかになったり止まったりするということは、水分や養分もあまり必要としなくなるので、休眠期である夏と冬には、水やりを控え乾燥気味に育ててください。
特に、高温多湿に弱いエケベリアは、梅雨から夏にかけて雨を当てる様な場所での管理を避け、風通しの良い半日陰の場所で夏越しをさせるようにしましょう。また、寒さにもそれほど強いわけではないので、気温が5℃を下回るようになったら、早めに室内の明るい場所に移動したほうが良いでしょう。
生長期には、水分や養分を多く吸収するので、春と秋には、土の表面が乾いてから鉢底から水が染み出るまでたっぷりと水やりをして下さい。また、この時期の置き場所としては、戸外でも問題なく育つので、ベランダや室内など、日当たりが良く風通しの良い場所で管理して下さい。
エケベリアの人気の種類
ミニマ
出典:http://dada-doronco.at.webry.info/200802/article_2.html
小型の品種で、大きさが3cmほどですが、大きく育てることも出来ます。葉色は青緑色で、葉っぱの先には、赤色の尖った小さなツメのようなものがあります。その葉っぱが、ロゼット状にぎっしりと重なって生えます。
春から初夏にかけて小さな黄色やオレンジの花を咲かせ、紅葉の時期には、葉っぱの縁に濃い赤色の縁取りが出ます。青緑色の葉っぱの他にも、ピンクミニマ・ホワイトミニマなど、葉色の違うミニマがあります。
月影(エレガンス)
葉っぱは、丸みがあって柔らかく、まるで薔薇が咲いたように葉っぱが隙間なく何十にも重なり、綺麗なロゼットを形成します。
エケベリアの代表的な品種であるエレガンス系の仲間には、「月影」の他にも、「アルビカンス」、「アルバ」、「雪影」などがあり、アルバは、月影より肉厚な葉っぱで、雪影は月影よりも葉っぱが細いです。
エレガンス系の品種は、それぞれが少しずつ異なる特徴を持ちますが、並べて見比べてみないと、その違いを素人が判断するのは、難しいようです。
大和錦(プルプソルム)
こちらもエケベリアの代表種といえる品種で、肉厚な葉っぱの先は、ツンと尖っています。こんもりとした葉っぱは、均整が取れて形の良いロゼット状に広がります。
ただ、葉っぱが硬く、葉色も深い緑色をして独特な模様もあるため、凛としていて、他のエケベリアよりも渋くてかっこいいフォルムをしています。
ラウィー
厚みのある丸い葉っぱは、真っ白な粉を纏っています。昔からある原種で、時期がくるとピンク色の連なった花を楽しむことが出来ます。
葉っぱを纏っている白い粉は、水がつくと流れ落ちてしまうので、ベランダなどの屋外で育てる場合や水やりをする場合は、葉っぱに水がかからないように注意が必要です。
花うらら(プリドニス)
葉色は、明るい緑色で縁には赤いラインが入っています。肉厚でぷっくりと膨らんだ葉っぱがロゼット状に広がり、バラのようなフォルムになります。また、春先には、ロゼットの中央部分から花茎を伸ばし、その先に釣鐘型の黄色い花を咲かせます。
花月夜
プリドニス(花うらら)とエレガンス(月影)の交配種です。葉っぱは、白味がかったクリーム色で透明感があります。葉っぱの縁には、軟らかなピンク色の縁取りがあり、肉厚でうっすらと白粉を纏っています。
秋から冬の紅葉シーズンには、葉っぱの縁から徐々にピンク色に紅葉します。また、時期がくると黄色の可憐な花を楽しむことも出来ます。
ピンクシャンペーン
出典:http://saona30250.blog.fc2.com/blog-entry-60.html
葉っぱは、肉厚で先の尖った形をしています。葉色は1年を通してシャンパンのロゼのような淡いピンク色で、葉っぱの形とその色合いが、とてもいいバランスで美しく、人気の品種です。
同じ品種の仲間には、ホワイトシャンペーンという品種があり、こちらの葉色は白色で、紅葉シーズンに、ほんのりピンクに紅葉します。
リンゴスター
ビートルズファンには、たまらない名前のエケベリアでしょうか?こちらのリンゴスターは、鮮やかなライトグリーンの葉っぱが、まるで瑞々しい青りんごのような印象を与えます。
肉厚な葉っぱの先は少しだけ尖っており、個体によっては、その先端がちょっぴり赤く色づくものもあります。
トリマネンシス
肉厚な葉っぱは、白い粉で覆われており、初めて見る時は、こんなしろい植物があるのか!!と驚いてしまうほどです。その白い葉っぱを見ると、粉の付き方が均一でないため、とても幻想的です。
葉っぱは、やや細長く葉先にあるツメは尖っています。葉っぱが上を向いて生長しますが、生長が穏やかなため、他の植物のような変化はあまり見られません。
カンテ
エケベリアの女王と呼ばれるほど、そのフォルムが美しい品種です。大型種で30cmほどにまで生長します。葉っぱ一枚が大きく、白粉を纏った葉っぱの色は真っ白です。他のエケベリアに比べると肉厚感はなく薄いです。
また、葉っぱの縁はピンク色に縁取られているため、より繊細さと美しさが際立っています。ただ、カンテの葉っぱが何重にも折り重なって醸し出す美しさを楽しむためには、下葉を枯らさず、徒長などによって変形させないよう、慎重に育てる必要があるようで、更に増殖も困難であるため、流通量は少なめです。
シャビアナ
葉っぱの先端が、フリルのように波打って縮れるのが特徴の品種です。普段の葉っぱの色が緑色をしていますが、品種によって、秋から冬にかけてピンク色に色づきます。
シャビアナの中でも、「ピンクフリルズ」という品種は、全体的にピンク色に染まっています。花は、赤や橙色の花が連なって咲き、2月~8月という長い間楽しむことが出来ます。
青い渚(セトーサ・ミノール)
淡いブルーの葉っぱに、全体を覆うようにフサフサとした毛が生えているのが特徴です。青い渚は、セトーサという種類の変種で、セトーサとの違いは、葉っぱの裏が赤紫色をしているところです。そのため、単体で育てるより、群生させたほうが目を引きます。
時期がくると、赤色の花茎を伸ばし、その先にオレンジと黄色のツートンカラーの花が咲きます。その花も細かい白色の毛に覆われています。花はとてもいい香りがします。観賞価値が高い品種ですが、栽培の難易度は他のエケベリアに比べると少し難し目で、育てるには、コツがいるようです。
まとめ
葉っぱがロゼット状に広がり、花のように見えるエケベリアの種類を紹介しました。葉っぱだけでも、綺麗なエケベリアですが、季節によって様々な顔を見せてくれるので観賞価値が高く人気の多肉植物です。是非お気に入りを探して、エケベリアの変わりゆく姿に季節を感じてみてはいかがでしょうか。