サンスベリアは、空気清浄効果が高いということで、人気が出た観葉植物ですが、実は観葉植物初心者は、失敗してしまうことが多いようです。サンスベリアの育て方について詳しく紹介します。
観葉植物サンスベリアの特徴
一見すると水を多く好む多年草や一年草のような植物に見えるサンスベリアですが、実は多肉植物で、性質としてはサボテンに近い植物であるため、その他の植物のように水をやると、やりすぎてしまい根腐れを起こして枯らしてしまうことが多いです。
また、耐陰性に強いためあまり日が当たらない場所での栽培も可能で、室内で育てても日光不足によって枯れる心配はそれほどありません。
サンスベリアは種類が多く、代表種は9種、希少種は31種もあります。そのどれもが個性的な葉の形をしており、部屋のインテリアとして重宝されています。
最も有名なものとしては、別名『トラノオ』とも呼ばれているサンスベリアで、上にまっすぐ伸び、美しい緑と黄色のコントラストを持つ葉が特徴です。
代表種は、ホームセンターや100円ショップ等で、割りと安価で購入可能ですが、希少種となるとそれ自体中々手に入りにくく、価格も高いものが多いです。
サンスベリアを育てる難易度としては、中級者向けですが、水のやり方や陽の光に気をつければ、初心者でも育てることが可能です。
観葉植物サンスベリアの育て方
水やり
サンスベリアの水やりで気をつけなければいけないポイントは、2点です。
- 土が湿っている時は、水やりをしない
- 土が乾燥している時は、たっぷりと水を与える
サンスベリアを枯らしてしまう一番の原因は、水を与えすぎてしまうことによって起こる根腐れです。
根腐れというのは、根っこがずっと水に浸かっているような状態になり、腐ってしまうことを言います。多肉植物であるサンスベリアは、元々乾燥に強い植物で、こまめに水を与えなくても枯れることはありません。
ですので、植木鉢の土が白っぽくなり、土を触った時固くなるほど乾燥するまで水を与えないようにしましょう。
また、サンスベリアの葉っぱの状態によって水分不足を判断することも出来ます。
水が足りないと、サンスベリアの葉っぱはしわしわになってくるので、そのような状態になっていたら、たっぷりと水を与えて下さい。その状態から水を与えても、十分に復活します。
ただ、葉っぱの状態で水分不足を判断する方法は、初心者には少し難しいので、まずは、土の状態をしっかり確認して水やりのタイミングを見極めましょう。
鉢の中の土が完全に乾燥しきったら、今度はたっぷりと水を与えてましょう。たっぷりというのは、与えた水が鉢の底から出てくるほどです。
鉢の底から水が出ないうちは、鉢の中の土に水が行き渡っていない証拠です。ですので、底から水が出てくるまでしっかりと水を与えましょう。
また、水やり後受け皿に溜まった水は、必ず捨てて下さい。受け皿に水が残っていると、根腐れを起こした、株自体が腐ったりする原因に繋がります。
とはいえ、水がポタポタと滴り落ちている状態で受け皿を外すと、部屋が汚れてしまいますし、受け皿に水が入った状態では、水が出終わったかどうかわかりにくいですよね。
ですから水やりをする時は、ベランダなどの戸外で水やりをして、底から水が出なくなってから受け皿に戻すか、受け皿の受けに網などを起きその上に鉢を置いて水やりをすると、受け皿の水の処理がしやすくなります。
ただ、網を使う場合は、鉢植えの重さに耐える強度があるか確認してから使用してくださいね。
冬になると、サンスベリアの生長が止まり、水を吸い上げなくなるので、根腐れを起こしやすくなってしまいます。ですので、晩秋に入る頃には、水やりを控え、冬の寒い時期には、一切水を与えないようにします。
とはいえ、暖房の効いた暖かい部屋で育成する場合は、空気中の湿度が低く、土の水分も蒸発していくため、流石にサンスベリアも枯れてしまう可能性があるので、土の状態を見ながら、乾燥していたら十分に水を与えて下さい。
この時も、受け皿に溜まった水の処理を忘れないようにしてくださいね。
日光・置く場所
サンスベリアは、陽の光が大好きです。特に生長期である4~9月は屋外で日光を浴びて生長することで、葉っぱの色が濃くなり、株数も増えます。
なので、屋外か、室内で管理するのであれば、なるべく日光が当たる場所で管理して下さい。
とはいえ、直射日光や真夏の厳しい西日にさらされると、葉焼けという火傷のような状態を起こしてしまうので、レースのカーテンなどで直射日光を避けるか、直射日光が当たらない場所に置いてあげましょう。
ただ、サンスベリアは耐陰性に優れているので、明るい日陰であれば栽培することが出来ます。
ただし、そのような場所だけに長時間置いておくと、「徒長」といって、葉が長細く軟弱になってしまう状態になるので、明るい日陰で栽培する時は、1日4~5時間ほどレースのカーテン越しに日光浴をさせましょう。
また、冬場の置き場所にも注意が必要です。
というのも、サンスベリアは、寒さに弱い植物なので、冬は特に窓際の気温が氷点下近くまで下がったり、結露によって弱ってしまう可能性が大きいので、なるべく夜は鉢を移動させると良いでしょう。
さらに、湿度によって株が腐ってしまうことも、結構よくあります。ですので、特に梅雨時期などは、なるべく風通しの良い場所に鉢を置いてあげましょう。
温度管理
サンスベリアは暑さには強いのですが、寒さにはめっぽう弱いというのは、上でも書いたとおりで、気温が10℃を下回ると生長が止まり、5℃を下回ると枯れはじめます。
10℃以下になって生長を止めると、水分も吸い上げない状態になり、冬眠状態に入ります。ですので、特に冬場は最低でも5℃以上、なるべくなら10℃以上の場所に置くようにしましょう。
観葉植物サンスベリアの植え替え
この作業は、少し初心者の方には難しい作業となるのですが、サンスベリアの元気な状態を楽しむためにも、必要な作業となります。初心者でもわかりやすく、植替えの手順と大切なポイントを押さえて解説します。
長い間同じ鉢の中で育てると、生長と共に、鉢の中いっぱいに根が回る根詰まりを起こし、酸素不足になってしまいます。そうなると、枯れてしまったり葉の色が悪くなったりします。
ですので、2~3年を目安に一回り大きな鉢への植え替えが必要になります。
植え替え時期
『5月~9月』に植え替えましょう。
植え替えを行う上で一番重要となってくるのが、植え替え時期です。その時期を間違えると、せっかく大きな鉢に植え替えても、弱ってしまう確率が高くなります。
もし、この時期を過ぎてしまった場合は、無理に植え替えをせず、次の時期まで気長に待ちましょう。
土選び
次に重要になってくるのが、鉢に入れる土です。サンスベリアにとって最適な土を入れ替えることで、より元気に育ちます。
慣れた人であれば、自分なりに土を混合してオリジナルブレンドの土を作っても良いと思いますが、慣れない間は、園芸店等で売られているサボテンの土やサンスベリア専用の土を選ぶとよいでしょう。
鉢選び
サンスベリアを植え替える時は、今まで使っていた鉢より一回り大きい鉢を選びます。目安としては、現在植えてある鉢の直径より3cmほと大きい直径の物を選びましょう。
観葉植物用の鉢であれば、規格が決まっているので寸であれ号であれ数字が一つ大きくなるごとに、3cmずつ大きくなっていくので、例えば現在使っている鉢が1寸(1号)であれば、2寸(2号)鉢に植え替えます。
ここで注意しなければいけないのは、一回りだけ大きい鉢に植え替えるという事です。
大きすぎる鉢に植え替えると、土の量に対して根の量が少ないため、水を与えた時吸い上げる水の量が少なく、土の中の水が長時間留まってしまい、根腐れを起こしてしまいます。
植え替えに必要な物
- 植え替え用の土
- 鉢底の土又は軽石
- 根切りばさみ
- 植え替え用の鉢
- 移植ごて又は小さなスコップ
植え替え手順
出典:フランシシー
①根を整理する
鉢からサンスベリアを丁寧に抜く。この時、サンスベリアの根は、鉢全体に根を張っているはずなので、土と根が固まり土ごと一緒に抜けると思います。
これを根鉢と言いますが、それを丁寧に鉢から抜いて下さい。根鉢を抜いた後、枯れている根っこや古い土を手でほぐして取り除きます。
土は、軽くほぐして取れる程度でいいです(全体の1/3程度)。もし、根が簡単にほぐれるようなら、古い土を多めに落としても大丈夫です。
②植え込み
排水を良くするため、用意した鉢の底に「鉢底の土」や軽石を入れます。目安としては、7号鉢~10号鉢で2~3cmです。
鉢によっては、底に大きな穴が開いている事があります。その様な鉢を用意した場合は、石や土が落ちないように、先に鉢底用のネットを敷いて下さい。
鉢底の土を敷き終わったら、その上に新たに用意した土を3cmほど敷きます。その上に先程古い土を落とし根を整理したサンスベリアを入れ、植木の向きや傾きに気をつけながら、根の隙間に用意した残りの土を入れていきます。
この時、根が細いため、土が隙間に入り込みにくいと思うので、鉢を軽く叩き、隙間がないように丁寧に入れて下さい。
土を入れる量ですが、水を与えた場合上に溜まる余白が必要になりますから、鉢いっぱいに土を入れるのではなく、7号鉢~10号鉢で鉢の縁から3~4cm下を目安に土を入れて下さい。
③水やり
土を入れ終わったら、水やりをしましょう。幹を上下左右に軽くゆすりながら水をやります。そうすることで、土が入り込めなかった根の隙間にも土が入り込んで行きます。
そうすることで、水やり後に土が沈むことがあります。その場合は、新たに土を足してあげましょう。水を与え終わった後、水しろに溜まった水がひく速度を確認して下さい。素早く水がひけば問題はありません。
④養生
出典:フラワーコーポレーション
植え替え後は、養生させることが重要になってきます。それを失敗するとせっかく植え替えても枯れてしまいます。養生のポイントは4つあります。
・風が当たらない明るい日陰に置く
直射日光を避け、1週間は風が当たらないレースのカーテン越しの日陰に置きましょう。
・水やりは土が乾燥してから。葉水はこまめにを与える
植え替え直後は、水が吸えない状態で根腐れしやすくなっています。水は土が乾燥してから与える程度に留め、そのかわり霧吹きなどで、こまめに葉っぱに水を与えて下さい。
・肥料を与えない
植え替え直後に肥料を与えることは絶対してはいけません。栄養過多の状態になり、枯れてしまいます。
・置き場所を変えない
植え替え後は、サンスベリアを休ませるために1週間は同じ場所に置き、環境を変えずその場所になじませましょう。
1週間以上経てば、今まで通りの管理に戻して大丈夫です。
まとめ
葉が特徴的でスタイリッシュなサンスベリア。育て方のポイントさえ押さえれば、初心者でも難しくはありません。紹介した方法を元に、サンスベリアを育てスタイリッシュなインテリア空間を演出してみてはいかがでしょうか?