シュロチクの育て方|種類、病気、害虫は?

シュロチクの枯れない元気な育て方、特徴、種類、病気や害虫について紹介します。

 

観葉植物シュロチク(棕櫚竹)の特徴

出典:大きな観葉植物専門店ガーデントロピカ

ヤシ科(ラピス属)のシュロチクが中国から日本に持ち込まれたのは江戸時代初期と言われ、観葉植物としては歴史のある植物です。よく似た同じ仲間のカンノンチクよりも耐寒性があり、はるかに多く生産されています。

シュロチクが属するラピス属は、約20種類の原種が東南アジア~中国にかけて分布しています。そのためアジアンテイストなホテルのエントランスに重厚な陶器鉢に入れて配置してあったり、扇子状の葉姿は、日本家屋の和室や玄関などのインテリアにもよく合います。

 

放射状に美しく流れる細い葉は、雅な上品さを兼ね備えインテリアとしての存在感を発揮します。美しく育てていく上での注意点は土の中の環境です。

乾燥と湿度のバランスを保ち、根詰まりを起こさないように定期的に植え替えることで美しい葉姿を維持できます。原産地は中国南部~南西部で、株立ちで高さ4~5mにもなります。

 

 

観葉植物シュロチク(棕櫚竹)の育て方

出典:遊恵盆栽

日光・置く場所・温度

春~秋までは明るめの日陰に置きます。屋外に置く場合は直射日光のあたらない軒下で室内では風通しの良い窓際などが適しています。耐陰性もあり北玄関などにも置けますが長く日陰に置いておくと軟弱な株になってしまうので明るい場所が適しています。

またシュロチクは強風にさらされると葉が痛みますので屋外であれば風のあたらない場所がよいでしょう。

寒さには比較的強く、冬でも2~3_℃くらいまで耐えますが、真冬は屋内で越冬したほうが安心です。急激な寒暖差でダメージがでることもありますので、気温が10℃を下回るようになってきたら徐々に室内の暖かい場所に移動します。

 

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水やり

基本的に一年を通して鉢土の表土が乾燥したら鉢底から水がしみ出る程度水をあたえます。置き場所にもよりますが乾燥しやすい環境では頻繁に水やりが必要です。

乾燥しているかどうかは目視よりも指で土に触れてみるとわかります。逆に湿っているのに水を与えると過湿となり根腐れの原因になります。鉢土の湿度が管理する上での最大のポイントになります。

土がなかなか乾かないときは土への水やりを中止して葉水に切り替えます。(葉水とは、葉から少し離して霧吹きで水を吹きかけ葉から水分を吸収させること。病気や害虫の予防にもなります)冬季に屋内が暖房などで乾燥しているときも葉水は有効です。

 

 

市販の観葉植物用の土に川砂を混ぜるなどして排水性を高めるとよいです。配合する場合は赤玉土5、腐葉土3、川砂2、程度で混ぜ合わせます。鹿沼土も適しています。

 

 

肥料

初夏と、初秋に1回ずつ、緩効性化成肥料を置き肥します。その間、葉のツヤが悪くなるようでしたら葉面散布肥料を与えます。

 

 

植え替え・株分け

シュロチクは根になんらかのダメージがあると葉に症状が出やすい植物です。葉先が枯れることは自然現象で放っておいてもよい場合もありますが、どの葉も一斉に枯れ込んでくる原因で多いのが、

  • 土の乾燥
  • 土の過湿
  • 根詰まり

となります。大抵は土の入れ替えや植え替えをすることによって、排水性が確保されて根の健康が改善されます。しかし大鉢サイズになってくると植え替えも容易ではありません。植え替え時に思い切って株を分けてコンパクトに植えることもおすすめです。

 

5月~9月頃、枯れ込んだ葉を切り戻し、鉢から根を抜き、古い土を軽く落とし新しい土で一回り大きな鉢に植え付けます。土を入れ替えるだけや植え替えるだけなら、春から秋にかけての間であればそれほど気にしなくて大丈夫です。

植え替え時に株を分ける時は根にダメージがかかりますので、その後の回復も早い成長期の初め頃にあたる5月頃が適しています。植え替え、株分け後は半日陰の場所で水切れに注意して根が定着するまで気をつけて管理します。

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仕立て直し

枯れて見栄えが悪くなったものや樹形がくずれてしまったものも新しく再生させることができます。5月頃、親葉数枚を残して幹を短く切り詰めます。

同時に土も新しい用土に替え、半日陰の場所で水切れに注意しながら管理します。新芽がしっかり出てきたら古い親株を根元から切り詰めます。そうして新芽を新たに再生させる方法です

 

 

シュロチクの病気・害虫

出典:フラワーコーポレーション

比較的害虫はつきにくいですが、カイガラムシや屋外管理のものはナメクジなどがでることがあります。定期的に葉水をして葉面を拭くとほこりもとれ、害虫の予防や早期発見になります。

 

カイガラムシ

葉や茎、幹について養分を吸汁して繁殖する、固い茶褐色の殻に覆われた虫です。蜜_状のべたべたした排泄物を出すため生育不良を起こすことがあります。

成虫は見つけ次第取り除き、べたべたする場合は洗い流します。白い粉をまとったものはコナカイガラムシです。

カイガラムシの駆除、予防方法|成虫になったら注意

 

ナメクジ

葉や新芽など、食べられる場所であればどこでも食害します。夜間に屋外で活動しているナメクジは昼間は鉢下などにひそんでいることが多いので、もしキラキラと光るナメクジが通った跡を発見したら鉢底などをさがしてみてください。市販のナメクジに効く薬剤なども売られています。

 

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シュロチクの種類

カンノンチク

原生地:中国南部

シュロチクと形状がよく似ていて間違えやすいのがカンノンチクです。こちらも古くから日本に渡来し、100種類以上の園芸品種があります。シュロチクよりも葉が太いのが特徴です。

 

瑞晃錦(ズイゴウニシキ)

カンノンチクの斑入り品種

 

ウンナンシュロチク

原生地:中国南部

株立ちで幹が細く、葉もシュロチクよりも細い園芸品種。全体的に小さい状態で成長します。

 

ヒメカンノンチク(ヒメダルマ)

原生地:ラオス・ベトナム

よく株立ちしてボリュームも出ますが高さは1.5mほどにおさまります。

 

 

まとめ

シュロチクは古くから鑑賞される古典的観葉植物としてのイメージも強いですが、合わせる鉢などで高級感やエキゾチックな雰囲気も出せることからホテルのエントランスにいくつも並べておいたり、オリエンタルな雰囲気の展示会やイメージ撮影でも頻繁に使われます。

一般家庭でも丈夫で育てやすく、日本家屋にもなじみやすいことから重宝されてきました。シュロチクやカンノンチクは今後も流行り廃りなく存在感を発揮し続けることでしょう。

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