部屋に観葉植物があると、オシャレですが、育てるとなると、どれもなんだか難しそうですよね。初心者向きの観葉植物を厳選して紹介します。
初心者にも育てやすいおすすめの観葉植物とは?
観葉植物とひとくくりに言っても、とても沢山の種類があり、育て方も多種多様です。とてもデリケートで、育てるのが難しくプロ並みの腕と経験が必要な植物から、植物を育てるのが初めてでそれほど知識がなくても、簡単な世話で元気に育ってくれる丈夫な植物まで、本当にたくさんの種類があります。
でも、簡単な世話で育て易い観葉植物とは、どういったものなのでしょうか?まずは育てやすい観葉植物の条件を紹介します。
乾燥に強い植物
観葉植物は大抵、室内で育てますよね。でも植物の中には、乾燥に弱く、水が切れると途端に株が弱り始めるというデリケートな植物があります。実は室内というのは、冷暖房器具などによって空気が乾燥しがちで、それによって、鉢の中の土も乾きやすかったりします。
また、急な用事があったり、毎日忙しく夜遅くまで外出したりすると、なかなか水やりできなかったり、うっかり水やりし忘れたり、疲れていると水やりすること自体が億劫だったりすることもありますよね。
そんな時、乾燥に弱い観葉植物を育てていると、あっという間に枯れてしまいます。その点、多肉植物などの乾燥に強い観葉植物であれば、毎日水やりする必要がなく、もし水やりをし忘れても、そんな簡単に枯れることもありません。
日陰に強い植物
日陰に強いというのも、観葉植物を育てるに当たっては、大事な条件の1つとなります。日陰に強いという事は、耐陰性があるということなのですが、室内でも窓際であれば日が十分に当たるでしょうが、置きたい場所が窓際とは限りませんし、窓際に植物を置けるスペースが必ず有るとは限りません。
そんな時、耐陰性があれば、必ずしも窓際で日が当たる状態でなくても、インテリアに合わせて採光を気にせず、観葉植物を置いて楽しむことが出来ます。
寒さに強い植物
これも、育て易さという点で、大切な条件になってきます。というのも、日本で植物を育てる場合、必ず越冬させなければいけないからです。寒さに弱い(耐寒性の弱い)植物の中には、気温が10℃以下になると枯れ始める種類があります。
そいういった種類の植物を越冬させるためには、温度管理が重要になってきます。しかし、観葉植物を初めて育てる時に、そのような温度管理をして越冬させるのは、考えただけでも負担が大きいですよね。
しかし、耐寒性のある観葉植物であれば、室内で管理するだけで、温度管理のことを気にせず育てられます。耐寒性の強い植物の中には、気温が0℃近くの環境の中でも越冬する品種もあります。
初心者にも育てやすいおすすめの観葉植物の種類
ここからは、上の条件を踏まえた初心者向きの育てやすい植物を紹介していきます。
乾燥に強い観葉植物
ユッカ
耐乾性が非常に強いユッカは、耐寒性にも優れていてさらに耐暑性もあるため、初めて観葉植物を育てるには、最も適した観葉植物の1つといえます。円柱形で上へと真っすぐ伸びる幹と葉先の鋭く尖った葉っぱがとても印象的な樹形をしています。
上に向かって伸びるので、幅を取らず飾りやすいというメリットもあります。原産地が、メキシコの乾燥地帯であるため、数週間であれば水やりをしていなくても、水切れによってすぐ枯れてしまうということはありません。
水やりに関して、春から秋にかけては土の表面が乾いてからたっぷりと水を与えて下さい。冬場は、土の表面が乾いてから数日後に水やりをします。年間を通して、乾燥気味に管理して下さい。
耐陰性も多少あるため、日陰でも育ちますが、ずっと日の光を浴びていないと、葉っぱが垂れてくるので、なるべく日当たりの良い場所で管理するか、数日置きに日光浴をさせてあげて下さい。ただ、強すぎる直射日光は株を弱らせる原因になるので、避けてくださいね。
トックリラン
樹形が特徴的なトックリランですが、乾燥に非常に強く育てやすい植物の1つです。幹の根元がぷっくりと膨らんで徳利に似ていることから、トックリランと名付けられました。
また、幹の上から生えている細長い葉っぱが、下へ垂れる姿が馬の尻尾を連想させることから、『ポニーテール』とも呼ばれています。トックリランは、最大10mほどにまで生長するものの、生長スピードがゆっくりなので、観葉植物として鉢植えで室内においても長く楽しむことが出来ます。
特徴である根本の膨らみには、水分と養分が蓄えられているため、非常に耐乾性に優れており、極端に乾燥させた状態でも、簡単には枯れません。また、耐寒性にも優れているので、温度管理細かくする必要はありません。
ただ、日の光が好きな植物で、耐陰性はそれほど強くないので、なるべく日当たりの良い場所で管理して下さい。ユッカと違い、直射日光に当てても株が弱ることはありません。
サンスベリア
耐乾性に優れ、暑さにも強いサンセベリアは、丈夫で育てやすい観葉植物です。また、育てやすいだけでなく、マイナスイオンを多く放出すると言われているため、その点でも人気の植物です。
サンセベリアの中にも、色々な品種があるのですが、最も育てられている品種が、『ローレンティー』で、長い葉っぱと独特な斑の入り方が特徴です。サンセベリアの中で、特に耐乾性に優れさらに耐陰性もある『ゼラニカ』や円筒形の葉っぱが特徴の『スタッキー』なども人気となっています。
乾燥に非常に強いサンセベリアの水やりは、土が乾燥で白っぽくなるまで放おっておき、その状態になってからようやく水が鉢底から染み出るくらいたっぷりと与えます。
それより前に水やりをしてしまうと(水やりの頻度が多いと)、サンセベリアにとっては、土の中が湿っぽくなって、根腐れを起こして枯れてしまう可能性があります。特に、水分をほとんど必要としなくなる冬場は、全く水を与えなくても大丈夫です。
ただ、耐陰性があまりないので、日当たりの良い場所での管理が必要なのと、耐寒性がなく、気温が10℃を下回ると枯れてしまうので、冬場の管理は注意が必要です。
耐陰性・耐寒性に優れた観葉植物
シェフレラ(カポック)
観葉植物として古くから親しまれてきたシェフレラは、昔は「カポック」という名前で流通していたそうです。シェフレラは、とても丈夫なので、むしろ枯らすほうが大変な観葉植物で、耐陰性や耐寒性の他にも、乾燥にも強いため、室内のどんな場所に置いても育つことが出来ます。
ただ、やはりずっと日陰で育つよりも、日差しを浴びて育てたほうが、元気に育ってくれるので、日当たりの良い場所やレースのカーテン程度に日差しを遮った明るい室内に置くことが理想です。
シェフレラの品種には、「ホンコンカポック」という葉っぱが丸いものや黄色い斑がある「ゴールデン」、葉っぱの先端にある切れ込みが特徴の「レナータ」などがあり、大きさも様々で、テーブルの上でも育てられるほどのものや大鉢のサイズまで多様に流通しています。
シェフレラの原産地は、中国や台湾であるため、日本と気候も近く屋外で育てても大丈夫です。ただ、耐寒性があるといっても、寒さに耐えられるのは0℃までなので、氷点下を下回るような冬が来る地域では、シェフレラが霜に当たらないように、冬は置き場所に注意が必要となります。
水やりに関しては、年間を通して土の表面が乾いたら、鉢底から染み出るくらいたっぷり水を与えて下さい。その際、受け皿に溜まった水は、必ず捨てるようにしてくださいね。水が溜まったままにしておくと、根腐れの原因になってしまいます。
セローム
出典:ミルキク.net
セロームも、耐寒性・耐陰性共に強いので、育てやすい観葉植物です。セロームの特徴は、葉っぱに大きく入った切れ込みです。また生長すると気根が伸び、落葉後には、幹に目のような模様がつきます。この樹形が、どこか南国を思わせるため、人気の観葉植物でもあります。
冬場でも凍らない程度の環境の地域であれば、外でも育てられるほど耐寒性に優れ、また明るい場所が好きではありますが、耐陰性にも優れているため、どんな場所でも育てられます。
水やりに関しては、シェフレラ同様、土の表面が乾いたら、たっぷり水を与えて下さい。頻繁に水を与えすぎると、枯れの原因につながってしまうので、必ず土の表面が乾いてから与えるようにしましょう。
また、空気が乾燥してくると、ハダニという害虫がつきやすいので、予防のためにもこまめに葉水(霧吹きなどで葉っぱに直接水をかけること)をしましょう。
セロームは、育てやすい観葉植物ではありますが、葉っぱが広がりやすく、よく生長するので、育てるときには、広いスペースにおいて育てた方がいいでしょう。
生命力が強い観葉植物
最後に。耐寒性はそれほど優れていませんが、生命力の強い観葉植物を紹介します。生命力が強いということは、例えば枯れそうになっても、環境を整えることで回復する力が強いということでもあるので、生命力が強い観葉植物も、初心者にとっては育てやすい植物です。
パキラ
パキラは100円均一のお店でも手に入るほどメジャーな観葉植物で、生命力もとても旺盛です。筆者が以前に勤めていた職場に、全て落葉して、今にも枯れてしまいそうなヒョロヒョロのパキラの木があったのですが、日当たりの良い場所に置き、毎日世話をした結果、その年の春には、葉っぱを付け、元気な株に戻りました。
そのくらいパキラの生命力は強いです。筆者が育てたようなものではなく、元気なパキラであれば、耐陰性があるため、蛍光灯の光だけでも育ちますが、やはり、日差しを浴びて育った株のほうが、より元気に育つので、出来れば日当たりの良い場所で育てましょう。
但し、強すぎる直射日光に当たると、葉っぱが日焼けをする「葉焼け」という状態になることがあるので、日差しが強すぎる時期には、レースのカーテンなどで日差しを和らげましょう。また、耐陰性に強いパキラも、寒さには弱く、気温が5℃を下回るような時期は、事前に室内の暖かい場所に置きましょう。
水やりに関しては、鉢の土が白っぽくなるまで乾燥したらたっぷり水を与えて下さい。冬場は、白っぽくなるまで乾燥したことを確認した後、さらに数日待ってからたっぷり水を与えるくらいで良いでしょう。
ポトス
ポトスは、初心者向きの育てやすい観葉植物の中でも、代表格の植物です。サトイモ科のツルのある植物で、生命力が強く、伸びたツルを切って土に植えたり、先を水に浸しておくだけでも、ぐんぐん生長します。
ポトスは、土の中がずっと湿った状態になると、根腐れを起こしやすいので、水やりは土の表面が乾いてからたっぷりと水やりをして下さい。乾燥には強い植物なので、多少水やりを忘れても、すぐに枯れることはありません。
多少耐陰性はありますが、ずっと日陰で育てると、茎が間延びしたり、斑入の品種であれば、特徴である斑が消えてしまうこともあるので、なるべく明るい場所で管理して下さい。ただ、直茶日光に当たると葉焼けしてしまうので、レースのカーテンなどで日差しを和らげて下さい。
まとめ
育てやすい観葉植物を紹介しました。部屋に観葉植物を置いてみたいけど、上手く育てられるかしら?と悩んでいる方は、このような育てやすい植物から育ててみてはいかがでしょうか?