朝顔(アサガオ)の育て方

アサガオといえば、小学生の頃に育てたことがあるという人が多いと思います。夏に朝顔の花を見ると、なんだか涼しげに感じたりしますよね。グリーンカーテンとしても利用されることが多い、アサガオの育て方について紹介します。

 

朝顔(アサガオ)とは?

アサガオといえば、『日本の夏の風物詩』というイメージがありますが、実は、日本で品種改良されたものと海外で品種改良されたものがあり、皆さんがよく知る朝だけ花を咲かせるものの他にも、昼に花を咲かせるものや冬近くまで花を咲かせるものなど、その種類はバラエティーに富んでいます。

様々あるアサガオの中でよく流通しているものが、私達のよく知る一般的なアサガオ・生育が旺盛で花付きの良い西洋アサガオ、多年草でグリーンカーテンとしてもよく利用されているノアサガオなどがあります。

 

西洋アサガオは、空色アサガオという別名を持ち、その名の通り花が空色のようなきれいな青色をしており、花の大きさも8~10cmと大きく、見ごたえがあります。

生長が旺盛なため、つるが縦横無尽に伸びるので、グリーンカーテンとして利用されることも多いです。その中でも、「ヘブンリーブルー」という園芸品種は、小説「天上の青」で、主人公の女性が植えていたアサガオとして有名です。

 

ノアサガオは、琉球アサガオや根宿アサガオなどとも呼ばれています。園芸店などで見かけるオーシャンブルーは、このアサガオの変異種で、ノアサガオの種類は、花が枯れた後は根っこの状態で冬を越し、春になると10cm前後の青紫色の花を咲かせます。

ノアサガオは、種が実りにくいため、殆ど種をつけることがない種類なのですが、挿し木によって簡単に数を増やすことが出来ます。以下からは、アサガオの育て方について紹介します。

 

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一般的な朝顔(アサガオ)の育て方

《種撒き》

アサガオの種は、気温が20℃~25℃の頃でないと発芽しにくいため、種をまくタイミングが大切になってきます。適期としては、5月の中旬から6月頃で、それより前に慌てて巻いても発芽しない可能性が高いです。

また、種の殻が非常に硬いため、せっかく芽が出ても、殻を破ることが出来ず双葉が開かないことがあるため、種をまく前に「芽切り」という下準備が必要です。これをしておくことで、種が吸水しやすくなったり、発芽しやすくなったりします。

 

ただ、園芸店などで売られている種はこのしょりがされていることもあるので、購入するときに確認しておくといいかもしれませんね。ちなみに、芽切りがされた種の場合は、下準備せずにそのまま撒くことができます。

芽切りの方法は、種の表面をカッターやニッパーなどで少しだけ削いで傷をつけます。傷の深さとしては、殻の下にある白い部分が少し見える程度です。傷が深すぎると、種の中に詰まっている双葉に傷をつけ、発芽した時穴が空いた状態になってしまうので、気をつけてくださね。

 

また、傷は種の大きくカーブしている部分につけてください。反対側(カーブしていない部分)をよく見ると楕円形の白っぽくなっている部分があります。そこはへそといって、その内側に根となる部分があるため、傷つけないようにしてください。

芽切りの作業が終わったら、水を張った容器にその種を一晩ほど浸し、吸水させてから蒔きましょう。土に穴を1,5cmほど空けて、へそが下になるようにして穴の中に蒔き上からしっかりと土をかぶせます。種のへそを下にして蒔くことで、まっすぐ根っこが下に伸び、芽が上に伸びます。

 

種は、直径12cmの4号鉢~6号鉢(直径18cm)に1つの株が目安です。それ以上蒔いてしまうと、夏場には水切れを起こしやすくなります。

ただ、上手く発芽したり育つかは、その種次第なので、最初のうちはいくつか種を蒔いてはつが状態で間引きながら、最終的に1株にするという方法で育てたほうが確実かもしれません。

 

 

《支柱を立てる》

種が芽を出したら、支柱を立てましょう。(支柱は種撒きをした段階で立てておいても大丈夫です)

皆さんご存知の通り、アサガオはツル性の植物なので、そのツルを絡ませる物が必ず必要になります。無事に発芽したら、ツルが伸びる前に支柱を立てるようにしましょう。もし、グリーンカーテンにするのであれば、それ用のネットを張ってツルを誘引しましょう。

 

《水やりと肥料》

まずは、土の表面が白く乾いてから鉢底から水が流れ出すまでたっぷりと水やりをしてください。夏場は、気温が上がるためすぐに土が乾燥してしまいます。そうすると、アサガオが水切れを起こして枯れてしまう可能性があるので、朝夕2回水やりをします。

ただ、気温が高くなってから水を与えてしまうと、土の中の水が熱くなって根が傷んでしまうため、朝夕の涼しい時間に上げましょう。もし、朝に水をやり忘れても昼近くになっていたなら、夕方まで待って水やりするようにしてくださいね。

 

肥料に関しては、種を蒔く時の土作りのときに、土の中にゆっくりと効果が現れる固形の有機肥料や腐葉土を混ぜ込んでおくといいでしょう。その後は、1週間に1回のペースで水で薄めた液体肥料を与えるといいでしょう。

アサガオをグリーンカーテンに利用する場合は、葉っぱがよく茂るように窒素成分を多く含んだ肥料を使い、花を楽しみたい人は、リン酸成分を多く含んだ肥料を使うことをおすすめします。

 

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《置き場所》

アサガオは日光が大好きな植物なので、日当たりの良い場所に置いて育てましょう。日照不足になると、花の付き方が悪くなったり、生長が鈍くなったりします。日当たりが良い場所で、十分な水と肥料があれば、花は途切れることなく咲いてくれます。

ただ、日当たりの良い場所では、気温も高くなりやすく、土も乾きやすいため水切れしやすくなってしまうので、しっかりと水やりをするようにしてくださいね。

 

 

《摘芯をする》

出てきた芽がある程度大きくなったら、摘芯をしてください。摘芯というのは、ツルの先の芽を摘み取ることです。摘芯は、双葉の次に生える本葉が、8~10枚程度担った頃に行います。葉っぱの下から数えて5枚目の本葉まで残し、その上をハサミやカッターでまっすぐ切り落とします。

育ったばかりのツルを切るのは、心苦しいでしょうが、そうすることで、切った箇所から新たに出てきた芽からは、子ヅルが3本ほど出てくるので、摘芯を生長期間である5月~8月にかけて何度か行うことで、葉っぱが生い茂り花もたくさん付けてくれます。

子ヅルが生えてきたら、最初の頃は上手く支柱やネットに巻き付かないので、人工的に支柱に軽く絡ませたり、紐で軽く結わえて誘引してください。

 

種類別の朝顔(アサガオ)の育て方

 

西洋アサガオの育て方

出典:https://tamawakaba.net/ipomoea_tricolor_flying-saucers/ 

西洋アサガオは、一般的なアサガオと同様1年草で冬には枯れます。育て方としては、一般的なアサガオを大差はありませんが、種撒きの時期は少し早く、4月~5月に蒔きます。西洋アサガオの場合も、芽切りの処理をしてから撒きましょう。

ただ、西洋アサガオは、種を一粒蒔いただけでも、とても大きく育つので、苗を植え替えて育てる方法のほうが、一般的なようです。西洋アサガオの注意点としては、水切れさせないこととで、水切れを起こすと、肥料は夏の終わりまで与え、それ以降は与えないということです。

 

水切れに注意が必要なのは、一般のアサガオと一緒です。水切れを起こすと、花がしぼんでしまったり、花に傷が入っていたりします。特に、梅雨が明けて夏になると、日差しが強くなり乾燥しやすいので、1日に2回しっかりと水やりをしましょう。

肥料に関しては、冬近くになっても与え続けると、葉っぱばかりが茂って花の付き方が悪くなってしまいます。これは、窒素成分を多く含んだ肥料を多く与えると同様のことが起こります。

西洋アサガオは、開花時期が晩夏~霜が降りる頃までと、一般のアサガオに比べて遅いので、夏になっても花が咲かないと焦らず、晩夏になるまで待ってくださいね。

 

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オーシャンブルー(琉球アサガオ)の育て方

出典:https://blogs.yahoo.co.jp/siran13tb/62758111.html 

多年草のオーシャンブルーは、越冬して次の年にも花を咲かせるため、地上部分が枯れてしまった後、冬場には「マルチング」をするか、鉢を暖かい場所に移動して根っこを守ってください。

それ以外の育て方は、他のアサガオと殆ど変わらず、水切れをしないようにしっかりと水やりをし、特に夏には、朝と夕方の2回水やりをしてください。肥料も、生長期(春から秋)に週1回液体肥料を与えるか、月に1回緩効性固形肥料を与えましょう。

 

ただし、生長期以外には、肥料を与えないようにしてください。ただ、他のアサガオと決定的に違うのは、蕾の付く場所です。アサガオは、摘芯した後に生える子ツルに蕾が付きますが、オーシャンブルーは、長く伸びた元のツルの先に蕾を付けるので、摘芯をしない(つるの先を切らない)ようにしましょう。

オーシャンブルーの開花時期は、6月~11月いっぱい(霜が降りる頃まで)ですが、植えたばかりの1年目は、しっかり苗が成長していないため、開花するのがその年の9月ころからになります。

 

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まとめ

アサガオの育て方について紹介しました。アサガオにも、いろいろな種類があり、発芽させたり花をたくさん咲かせるためには、ちょっとした作業が必要でした。実は奥が深い「アサガオ」。小学校以来、久しぶりに育ててみるのはいかがでしょうか?