ゴージャスで、香りが良く贈り物としても人気の高いバラ。そんなバラを自宅でしかも、鉢植えで育てることが出来るって知っていますか?今回は、バラの種類や鉢植えにおすすめの品種を紹介します。
バラ(薔薇)の種類と特徴
バラというと、花束で見かけるような大輪の真っ赤なバラを思い浮かべますが、バラの原種は多く、古くから交配もされてきたため、現在わかっているだけでも4万種類以上の品種があります。ただ、園芸品種の元となった原種となると、その数はぐっと少なく10種類程です。
それをもとに、現存する園芸品種をグループ分けすることができ、その系統から、そこに属する品種の特徴をざっくりと判断することが出来ます。
系統は大きく分けると「原種(原種系交雑種)・オールドローズ・つるバラ・四季咲きバラ」の4つに分けることが出来ます。また、バラの樹形も「木立性(ブッシュ)・ツル性(クライミング)・半つる性(シュラブ)」の3つに分けることが出来ます。
原種
原種のバラは、扱い方が難しいく、園芸品種のような豪華さはありませんが、その分、シンプルな美しさを持っています。原種の殆どが、ツル性や半つる性のもので、花は、春にだけ開花する「一季咲き」がほとんどです。
原種の中には、自然に交雑された種類のものもあり、それらを原種系交雑種と呼びます。日本では、「ハイブリッド・ルゴサ」が有名で、一般的には、ハマナスという名前で知られています。
オールドローズ
オールドローズは、1867年に作られたハイブリットティーローズである「ラ・フランス」以前のバラの総称ですが、これは便宜上の分類で、学術的な定義があるわけではありません。
品種の成り立ちの違いに寄っていくつかの系統があり、それぞれに特徴が異なりますが、その殆どがツル性で、豊かな芳香を持つ品種が多いです。古くからある系統になるほど一季咲きのものが多くなりますが、枝を誘引しやすく園芸素材として優れた性質も持っています。
ちなみに、ラ・フランス以降に作られたバラをモダンローズと呼び、現在店頭で販売されている多くのバラが、このモダンローズに分類されています。
つるバラ
つるバラは、その名の通りツル性のバラで、その中でも「クライミング」「ランブラー」「シュラブ」と分かれています。
クライミングローズには、元々ツル性として作られた品種と、四季咲きの木立性のバラが突然変異(枝変わり)したことによって出来た品種があり、品種の数もバリエーションも豊富です。
ランブラーローズは、元となった原種によって細かく分類されています。多くの品種は、原種からの影響を受けて小輪房咲きで、春にだけ開花するものが多く、花付きがいいのが特徴です。
シュラブローズは、クライミングローズの系統にもランブラーローズの系統にも属しにくい品種に対して使われています。そのため、様々な品種が多く集まっていて、種類も製出も様々です。
四季咲きバラ
四季咲きバラは木立ち性で、四季咲き性の品種群をいいます。四季咲きバラは、一定の気温(夜の気温が15度)以上あれば、必ず花を咲かせます。
たいていのバラは、常緑樹か落葉低木樹なので、日本のように四季がある気候の場合、冬場は休眠して開花はしませんが、四季咲きバラは、寒い冬の間でも暖かい環境で育てることで、花を咲かせることが出来ます。
鉢植え向きのバラ(薔薇)の種類は?
上記したとおり、バラには沢山の品種があるので、鉢植え向きの品種もたくさんあります。ここでは、そのごく一部を紹介します。
フラム
出典:https://ameblo.jp/jubilee-for-you/entry-12081281384.html
濃い赤色の大輪の花を咲かせます。樹高が1m弱と、とてもコンパクトなので、鉢植えにおすすめです。フランスで作られた花で、フランスでは「Reine des Parfums」と呼ばれています。日本では「フラム」と呼ばれています。また「バロン オークラ」という2ndネームもあります。
このバラは、とても濃厚なフルーツのような香りがあるのが特徴です。香りの良い赤いバラは、バラ本来の甘い香りで、花の色も黒みがかった赤であるのに対し、フルーツのような香りでしかも、花の色も真紅であるので、赤バラの中では希少とされています。
オマージュ・ア・バルバラ
出典:https://mikelite.exblog.jp/27880359/
バルバラというシャンソン歌手に送られたことからこの名前がついたと言われています。花付きがよく、春から秋まで繰り返して花を咲かせます。花は、深みのあるベルベットレッドの中輪花で、花びらがひらひらとフリルのように波打っているのが印象的です。
その印象的な花が咲き終わると、花殻を摘まなくても、勝手に花首から落ちてくれます。樹形も、コンパクトでまとまりが良いので、鉢植えで育てやすい品種です。
レディ・エマ・ハミルトン
出典:https://item.rakuten.co.jp/roseshop/112-1304051107-098y/
イギリスのローズブランド「イングリッシュローズ」で、樹形はシュラブです。花色はアプリコットオレンジやオレンジイエローが混ざったオレンジ系の複色バラです。
花の香りは、柑橘系の強い、フルーツのような香りで、洋梨やぶどうが混ざったような甘い香りがします。イングリッシュローズは、香りの強い種類が多いですが、特に強い芳香を持つ品種の一つです。
耐病性が高く、樹形もコンパクトに育てることが出来るため、人気が高いイングリッシュローズの中でも、とても人気があります。
クロード・モネ
出典:https://item.rakuten.co.jp/baranoie/c/0000003959/
2012年にフランスで作られた比較的新しい品種のバラです。花は中輪花で、ピンク地に黄色が混ざった複雑な模様をしているのが特徴のロゼット咲きです。
耐病性があり、樹高が1mほどで枝も伸びすぎることがなくコンパクトにまとまるので、鉢植えで育てやすい品種です。ただ、同じ名前のバラがあるので、購入するときには注意が必要です。
フラゴナール
出典:https://item.rakuten.co.jp/aoyama/hg-27756/
大輪でロゼット咲きのピンク色をした花を咲かせる品種です。香りもよく、樹形も整えやすいため、初めてバラを鉢植えで育てる人におすすめです。
ウィリアム・モリス
出典:https://blog.goo.ne.jp/ciaoyasuko/e/c10d65d3a40a3b1494a6b42fdf438504
ウィリアム・モリスはシュラブ樹形ですが、つるが2.5mほどの長い弓なりになり、強健で旺盛に伸びるので、つるバラ(クライミング)として仕立てることで、魅力が更に増します。
次から次へと付けるつぼみの咲き始めは、形の良いカップ咲きで、中輪のロゼット咲きの花を咲かせます。花色は、黄色がかったアプリコットからピンク色まで、気候条件によって微妙に色が異なり、様々な花色が楽しめます。
ルイーズ・オディエ
出典:https://item.rakuten.co.jp/bara-suzuki/10001741/
ブルボン系オールドローズの人気品種です。花色は明るいピンク色で、ほんのりとしたぼかしが入っています。花は、カップ咲きなのでコロンとした愛らしいバラです。
花付きがとても良いのが特徴で、連続開花性に優れています。半日陰や日陰の場所でも花を楽しむことができるので、ベランダなどでも鉢植え栽培することが出来ます。
ガブリエル
出典:https://blog.goo.ne.jp/pipiora22/e/9d98e6b88711b98d1afb525138f40b08
2008年に日本で作られたこのバラは、花びらの先がツンと尖っていて、花の色は青みがかった白をしており、その崇高で神秘的な美しさから、あっという間に人気が上がり、特に女性からの絶大な支持を得ています。
が、このバラは、土の中から水を吸い上げる力が弱く、地植えで育てると、水を吸い上げきれず根腐れしてしまうという、気難しい一面も持っています。そのため、鉢植えで育てたほうが良い品種でもあります。
エレーヌ ジュグラリス
出典:https://blogs.yahoo.co.jp/hiratatochan8/21392066.html
こちらも2008年に日本で作られた品種で、純白の花びらは、きめが細かく優しい質感をしています。
環境や天候にもよりますが、花の中心部がほんのりとピンクに見える半剣弁高芯咲きで、花数を絞ることで、10cm以上の大輪の花を咲かせることが出来ます。大輪に咲いた花は、清楚さと厳かさ、妖艶さを併せ持ち「白バラの傑作」と呼ばれるほど美しいです。
花びらには重厚感がありますが、実際はそれほど強度がないため、つぼみの段階でもちょっとした水滴を受けると、シミになって傷みやすいため、きれいな花を咲かせるためには、移動させやすい鉢植えで育てた方がいいでしょう。
まとめ
バラの種類や鉢植えで育てやすい品種について紹介してきました。今回紹介した他にもまだまだたくさんのバラの品種があります。花の色や香りの強さなど様々です。
こちらで紹介した品種を参考にしたり、直接園芸店に出向いたりしてお気に入りのバラを探してみてはいかがでしょうか?