桜(サクラ)の育て方|病気や害虫、水やりは?

春になると、公園などへ桜のお花見に行く人は多いと思います。そんな桜を自宅でしかも鉢植えで育てられたらいいですよね。桜を鉢植え絵育てる方法を紹介します。

 

鉢植えで育てられる桜(サクラ)の品種は?

桜といえば、有名なのが「ソメイヨシノ」ですが、その他にも八重咲きものや一重咲きのもの、それぞれに様々な品種があり、鉢植えで育てる場合は、桜の木が若いうちから、樹勢を調節することで小さい樹形のままで、花をたくさん咲かせることも可能です。

そんな中でも、鉢植えとして育てやすい品種とコツがいる品種があります。鉢植えで育てる場合は、鉢植え向きの品種を購入して育てるほうが良いでしょう。鉢植え向きの入手しやすい苗は以下のとおりです。

  • 一重咲きの桜・・・マメザクラ、十月桜、河津桜
  • 八重咲きの桜・・・天の川、八重紅彼岸、旭山桜、一切桜 など

 

一重咲きの桜で最も有名なのが、「ソメイヨシノ」で、5枚の花びらが1枚ずつ付いた花の形をしています。八重咲きの桜は、幾重もの花びらが重なって付いているので、株が小さくても花が咲くと豪華な雰囲気になるので、鉢植えで育てる場合は、八重咲きの桜のほうが向いていると思います。

おすすめとしては、旭山桜や一才桜、八重桜や枝垂れ桜です。ソメイヨシノも花が綺麗なので、鉢植えで育てたいところですが、生長が早くあっという間に大きくなって、毎年植え替えをしなければならず、お世話が大変なので残念ながらおすすめはできません。

 

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自宅での桜(サクラ)の育て方

植え付け

桜を鉢植えで育てる場合、その苗木の植え付けは品種を問わず、12月~2月の落葉期に作業を行うのがベストです。用意した苗木の根鉢より一回りから二回り大きい鉢に植え付けます。苗木を植え付ける時に必要となるものは以下のとおりです。

  • 根鉢より一回りから二回り大きなスリット鉢
  • 鉢底石
  • 用土

です。ホームセンターや園芸店などで流通している桜の苗木のほとんどは、接ぎ木という方法で育てられた苗で、5号~6号のポットで育てられたものが多いので、用意するスリット鉢も6号~8号のものを用意するといいでしょう。

 

心配な時は、苗を購入する時に、お店で何号の鉢を買えばよいか聞くことをおすすめします。

用土に関しては、市販されている桜用の培養土を利用するのが簡単でいいと思いますが、自分で用土を作る場合は、「赤玉土(小粒~中粒):腐葉土:川砂=5:3:2」の配合で混ぜ合わせたものを使用するといいでしょう。

 

準備物が揃ったらいよいよ植え付けです。最初に鉢底が隠れるくらいに鉢底石を敷き詰め、その上から鉢の3/1ほどまで用土を入れます。

ポットから苗木を取り出し、根鉢の外側を少しだけ慎重に崩し、長く伸びて飛び出している根っこを切りそろえ、鉢の上に置き、上から用土を足します。この時、接ぎ木してある部分(つぎ口)が地中に隠れてしまわないように注意してください。土は、つぎ口の少し下まで入れてください。

 

土を足し入れる時は、根っこの間まで隙間なく用土が入るように棒でそっと突きながら足していきます。用土が鉢の縁から3~4cmほどまで入ったら、鉢底にあるスリットから水が流れ出るまでたっぷり水を与えてください。

赤玉土を使用している場合は、赤玉土の表面にもともと付いていた土が混じった泥水が流れます。その水が透明になるまで水やりを続けてくださいね。その後、接ぎ木テープを外して植え付けの完了です。

植え付け後は、しばらく軒下など風通しがよく、明るい日陰に置いて管理するようにしてくださいね。また、植え付け後は、まだ苗が根付いていない状態なので、2週間ほどは土が乾かないように注意が必要です。

 

 

置き場所

桜は、本来風通しと日当たりが良い場所が好きなので、植え付け後しばらく明るい日陰に置いた後は、風通しと日当たりが良い場所に移動してください。

ただし、西日には弱いため、いくら風通しと日当たりが良くても、直接西日が当たるような場所は避けてくださいね。季節によって、風通しと西日の当たらない日当たりが良い場所に移動するのもいいかもしれません。

 

桜は環境の変化に弱い性質があるので、場所を移動する時は、いきなりその場所に置かずに徐々に慣らしてください。例えば日当たりの悪い場所から日当たりの良い場所へ移動する場合は、最初の1週間は、半日陰に置き、次に明るい日陰、最後に日当たりの良い場所へという具合です。

桜の花の付きは、日照時間に大きく関わってきます。日照不足だと花芽が形成しても開花しなかったり、花芽自体形成しなかったりします。ですから、桜の鉢を置く時は、1日を通して日当たりが十分にあるかを確認しておきましょう。

 

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水やり

桜の水やりは、「土の表面が乾いたら鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと水を与える」ことが基本です。植え付けから2週間くらいまでは、土が乾かないようにしっかり水やりすることが大切ですが、2週間が過ぎしっかり根付いてきたら、鉢の土の状態を見て表面が乾いてから水を与えるようにしてください。

桜の花芽は、8月頃に形成します。この時期は日本では夏で気温も高いため、土の水分も蒸発しやすく、朝に水やりしても夕方には土が乾いていることがあります。

 

しかも、この時期は桜の生長期でもあるので、水分を多く必要とするので、余計に土が乾きやすくなり、水切れを起こしやすくなってしまいます。

水切れを起こすと、花芽の形成のも影響が出るので、気温が高くなってきたら、朝水やりをしていても、様子を見て土が乾いているようなら、もう一度水やりをしてください。

反対に、冬場は土が乾燥しにくく、植物の生長が穏やかになりあまり水を必要としなくなるため、土が乾いていることをしっかりチェックしてから水やりをするようにしてください。

 

 

肥料

花が咲き終わった後、9月~10月、2月にそれぞれ緩効性の固形肥料を与えましょう。肥料を土の表面に乗せると、根っこが地表に出てくることがあるので、必ず土の中に埋めるよにしてください。

また、新たに肥料を与える時、前回与えた肥料が残っているようならその肥料を取り除いてから、新しいものを当てるようにしましょう。肥料を土に埋める時、根っこの直ぐ側に埋めてしまうと、肥料焼けといって根っこが傷む可能性があるので、根元から少し離れた場所に埋めるようにしてください。

 

花を十分に楽しみたいときには、日当たりの他にも肥料のやり方も大切になってきます。中でも、2月頃と9月頃(8月でも可)に与える追肥はとても重要で、ここのタイミングを間違えると花が咲かないことがあります。

特に、桜は8月~9月頃に花芽を形成するため、ここで与える肥料が、木に十分な栄養を与え、花芽を形成するための養分を補給する役割を担うため、与え忘れないように注意してくださいね。

 

 

剪定

桜の木は、あまり剪定をしませんが、必要がある場合は12月~2月の落葉期に剪定を行うようにします。桜は、あまり剪定に強い植物ではありません。太い枝などを切ってしまうと、切り口から雑菌などが入って枯れてしまうこともよくあります。

ただ、細い枝であれば、切り口も小さいため、切り口から雑菌が入るリスクも殆どないため、不要な枝のみ剪定する「枝抜き」という方法で作業します。

剪定が必要な枝というのは、「逆枝・ふところ枝・平行枝・交差枝・下り枝・徒長枝」といった枝です。以下は、枝の特徴と剪定の仕方です。

 

逆枝、ふところ枝

逆枝は、太い枝が伸びていく方向と反対向きに伸びる枝です。ふところ枝もよく似ていて、幹の方向(内側)に向かって伸びている枝です。これらの枝はそのままにしておくと、枝が込み入って風通しや日当たりが悪くなるので、枝の根元から切り落としてください。

 

平行枝、交差枝

平行枝は、枝と枝が近い間隔で並列に伸びている状態のことを言います。交差枝は、近い間隔で伸びた枝が交差している状態を言います。

このような状態で伸びた枝は、間隔が近いことでお互いの生長を制限しあってしまうため、適度な間隔を開け生育を良くするために、どちらか一方を幹の近くの根元から切り落とします。

 

下り枝、徒長枝

下向きに伸びた枝を下り枝(下垂枝)と呼び、垂直に上方向に伸びている枝を徒長枝といいます。これらの枝があると、混み合って風通しや日当たりが悪くなったり、樹形を乱してしまいます。これらの枝も、根元から切り落としましょう。

これら6つの枝は、剪定の適期に切り落としてください。しかし、株元や幹の途中から伸びてくる枝(ヒコバエ・胴ブギ)は、そのままにしておくと、株自体が弱ってしまうため、見つけ次第根元から切り落とすようにしましょう。

上記したとおり、桜は剪定に弱い植物なので、なるべく枝が細いうちに剪定するようにしましょう。もし、不要な枝が太かった場合は、切り落とした後の切り口に、必ず薬を塗って保護処理を行いましょう。

 

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植え替え

植え替えの適期も12月~2月で、2~3年に1度のペースで植え替えてください。根鉢を軽く崩した後、一回り大きい鉢に新しい用土を入れて植え替えます。手順としては、植え付けとほとんど同じです。

 

 

スリット鉢を使う理由は?

苗木の植え付けで、用意する鉢を『スリット鉢』と書いています。あまり聞き慣れないスリット鉢ですが、桜を鉢植えで育てる場合、このスリット鉢を使うようにしてください。スリット鉢を使うことで、桜の木への負担を減らすことが出来ます。

よく見かける素焼きの鉢は、鉢底に丸い穴が空いており、「鉢」というと、この素焼きの鉢を思い浮かべる人が多いと思います。

 

スリット鉢は、鉢底には穴がありません。そのかわり、鉢の側面の下の方から底にかけて細くて長いスリットと太くて短いスリットが交互に空いています。また、鉢の形も円ではなく八角形をしています。

桜は剪定に弱いというのは、上記のとおりなのですが、枝だけでなく根っこの剪定に対しても弱い性質があります。桜の根っこには、細い根っこと太い根っこがあり、水分や養分は細い根っこから吸収されます。

 

細い根っこは短命で、次々に新しく細い根っこが生えてくるのですが、古い根っこが土の中に増えると、新しい根っこの成長を妨げてしまうので、植替えの時に古い土を落とすことで、古い根っこも取り除いているのです。

また、古くなった細い根っこは剪定しても切り口が小さいため、それほど桜の木に影響はないのですが、太い根っこは、切り口が大きくなるため、そこから雑菌が入りやすくなり、桜の木はダメージを受けてしまいます。

 

桜の木にダメージを与えないためにも、あまり太い根っこの剪定をしないようにしなければいけないのですが、よくある植木鉢を使った場合、植え替えまでの間に太い根っこが生長をして、鉢底でとぐろを巻くサークリング現象が起きたり、長く伸びた走り根と呼ばれる状態になりやすく、植替えのたびに剪定しなくてはいけなくなります。

スリット鉢の場合、根っこが鉢底まで伸びても、鉢の側面にもスリットが入っているのでそこからは入る光によってそれ以上は伸びずに、サークリング現象も起きにくくなります。

太い根っこがそのような幻想を起こさなければ、植替えのときも剪定をしなくていいので、桜への負担も減るのです。

 

 

桜(サクラ)を育てるのに気をつける病気や害虫

病気

●せん孔褐斑病

葉っぱに紫褐色の小さな斑点ができ、それが2~5ミリ位まで大きくなり、最終的にはアタが空いて落葉します。

この病気を発症したら、落葉した葉っぱに病原菌が寄生しているため、落ち葉は焼却処分し、薬剤(トップジンMやベンレートなど)を定期的に散布してください。

 

●こうやく病

カビの一種で、枝や幹の表面に灰白色や赤茶色、黒色などのフェルトのような膜ができます。その表面には胞子が生じ感染していきます。この膜が多発すると、樹勢が衰えてしまいます。

この病気の治療には、1~2月に「石灰硫黄合剤」という薬剤を散布するのですが、カイガラムシという害虫とカビ菌が共生関係にあるため、カイガラムシも駆除しないとすぐに再発してしまいます。

 

●てんぐ巣病

枝の一部が膨らんでそこから小枝が発生します。これが周りの枝や幹に感染することで、木全体から小枝が発生しホウキ状にそれらの小枝が密集します。てんぐ巣病を発症すると、病気を発症した枝はやがて枯れますが、観賞価値が落ちたり、樹勢が衰えたります。

この病気は『早期発見早期駆除』が大切で、病枝を駆除する場合は、その枝の根元のやや下の膨らみの下から切り落としてください。切り口には殺菌力のある塗布剤を塗り、切り落とした枝は必ず焼却処分してください。

 

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害虫

●カイガラムシ

枝や幹に寄生して、管を刺して樹液を吸汁します。それにより養分が植物全体に行き渡らず生育が悪くなります。カイガラムシは、いくつもの種類があり、それによって見た目も変わってきます。

中には、成虫に成ると殺虫剤が効きにくくなる種類もあるので、幼虫のうちに薬剤で駆除する方が良いでしょう。もし成虫に成ってカイガラムシの寄生に気づいた時は、ブラシなどで直接削ぎ落としてください。

 

●アブラムシ

アブラムシが寄生すると、カイガラムシ同様吸汁するため、桜が生育不良を起こします。また、葉っぱが縦に巻き込んだり、葉っぱが赤くなって細長いとさか上のコブができたりと、葉っぱが変形する症状もあります。

アブラムシは、変形した葉っぱの中にいるので、駆除には、葉っぱの中まで薬剤の成分が浸透する、浸透移行性の薬剤(オルトラン・モスピランなど)がおすすめです。

 

上で挙げた害虫の他にも、葉っぱを食べて食害を与える毛虫類やコガネムシ、幹や枝を食害するカミキリムシの幼虫やコスカシバなどもいます。ちなみに、コガネムシの場合、幼虫は土の中にいるため根っこへの食害も注意が必要になります。

毛虫の駆除に関しては先手必勝で、毛虫が大きくなってしまうとなかなか薬剤を散布しても退治できないので、孵化したばかりの薬がよく効くタイミングで薬剤(スミチオン・アクテリック・ディプテレックスなど)を散布するか、もし数が多すぎる時には、思い切ってその枝を切り落として捕殺してください。

 

コガネムシは、昼間は隠れて夜に活動することが多いです。葉っぱが食害されているのを見つけた時は、桜の木を揺すってみてください。そうすると、隠れていたコガネムシが落下してきます。

落下したコガネムシは、そのうち飛び去りますが、駆除のために捕殺するか薬剤(スミチオン・オルトランなど)を定期的に散布するかしてください。幼虫に関しても、植え替えのさいなどに、土を掘り起こして見つけたときには捕殺してください。

 

もし大量に発生しているときには、「ダイアジノン」という薬剤を土に混ぜ込んでください。カミキリムシは、幹や枝に卵を産み付け、それが孵化すると、食害が始まります。

卵を産み付けるときに穴を開けるため、幹や枝に突然穴が空いていたり、その侵入孔から木くずに似た糞が出てきた時は、寄生されている証拠です。

 

駆除方法としては、侵入孔から針金などを入れてつついて退治するか、薬剤(スミチオンなど)を薄めずに脱脂綿などに含ませたものを侵入孔から入れます。

コスカシバが寄生すると、幹から雨のような樹液が出てきます。コスカシバの場合は、幼虫の駆除よりも成虫の産卵を防止する形を取ります。産卵時期より前の初夏から秋にかけて株自体(特に幹)に乳剤(スミチオンなど)を2~3回散布してください。

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まとめ

桜を鉢植えで育てる方法を紹介しました。桜を鉢植えで育てられるなんで思っても見ませんでしたが、使用する鉢や剪定に気をつけることで、意外と難しいお世話もなく育てられることが分かりました。

公園などでの花見もいいですが、今年は自分が育てた桜で花見をしてみるのもいいかもしれませんね。