まるで剣のような鋭く長細い葉っぱが特徴のユッカは、そのスタイリシュさから、男女問わず人気の観葉植物です。今回は、そんなユッカの種類について紹介します。
観葉植物ユッカとは?
ユッカは、北アメリカから中央アメリカにかけて分布している植物で、約50種類のユッカが自生しています。観葉植物として、鉢植えの状態でよく見かけますが、日本では、古くから庭園樹として用いられてきました。
乾燥地帯で自生しているため、暑さ・寒さ・乾燥に強い耐性があるユッカですが、花を咲かせても、日本でユッカが結実することはありません。
ユッカが咲かせる花は、虫媒花(ちゅうばいか)といって、一つの花の中に雄しべと雌しべがあるものの、その距離が離れており、自然に受粉することはなく、ユッカ蛾と呼ばれる蛾の媒介によってのみ受粉します。
しかし、日本にはユッカ蛾がいないため、日本でユッカ蛾受粉することがなく結実も出来ないのです。
ユッカの育て方
ユッカは、太陽の光が大好きなので、日当たりの良い場所で育てることで元気に育ちます。ベランダで育てる場合、真夏は、コンクリート照り返しなどにより、相乗以上の気温になってしまうので、その場合は、直に鉢を置かずに、台などの上に置き、風通しの良い場所に置くようにして下さい。
ユッカは、乾燥に強い耐性がある植物です。そのため、生長期の春から秋にかけては、土の表面が乾いたら、鉢底から水が染み出るまでたっぷりと与えて下さい。
冬場は、生長が緩やかになり、あまり水分を必要としなくなるので、土の表面が乾いた後、更に1週間ほど経ってから、水やりをするようにしてください。
ユッカの場合は、頻繁に水を与えることで、幹が腐ったり根腐れを起こしたりして、かえって株をだめにしてしまうことがあるので、注意して下さいね。
室内でユッカを育てる場合、葉っぱにホコリが溜まることがあります。そうした場合、病害虫の原因にもなるので、定期的に濡らしたティッシュで葉っぱの表面を軽く拭いて掃除してあげましょう。
ユッカの人気の種類
エレファンティペス(青年の樹)
出典:http://www.tree-tree.jp/?pid=40829355
ユッカの中で最もポピュラーな品種です。ホームセンターや園芸店で店頭に並んでいるユッカの多くがこのエレファンティペスで、青年の樹と呼ばれているのもこの品種です。エレファンティペスは、生長とともに幹が太くなるのが特徴で、株ものが象の足に似ていることから、この名前がついています。
乾燥に強く、また耐寒性にも優れているため、水やりの手間があまりかからず、冬越しも比較的簡単です。また、耐陰性もあることから、室内でも育てやすく、インテリアプランツとして人気が高いです。
エレファンティペス斑入り
出典:http://www.tree-tree.jp/?pid=88582433
エレファンティペスの葉っぱに、斑が入った品種です。エレファンティペスの葉っぱが、鮮やかな緑一色なのに対して、斑が入っている分、涼しげな印象を与えます。
性質としては、エレファンティペス(青年の樹)に比べると、多少弱いですが、他の観葉植物から比べると、十分に丈夫です。斑入りということもあり、インテリア性も抜群なので、原種のエレファンティペスとともに人気があります。
アロイフォリア
出典:http://www.edoplants.com/SHOP/yucca-aloifolia01-01.html
葉っぱの形が「アロエ」に似ていることから、アロイフォリアと名付けられたこの品種は、生えている葉っぱの枚数も多いです。エレファンティペスよりも耐寒性・耐暑性・耐陰性ともに優れた声質を持つため、観葉植物としてもさることながら、庭園樹としての利用も出来ます。
園芸品種が多く、「マジナータ」や「トリコロール」など、斑入りの品種などがあります。同じ種類でも、細かい部分で斑の入り方が違うと、品種が異なり似た品種がたくさんあります。
フィラメントーサ
出典:http://buyee.jp/item/yahoo/auction/u177903305
低木のフィラメントーサは、外国の家の庭にあるのがしっくりとくるほどエキゾチックな雰囲気があります。樹形がとても美しく、観賞価値の高い品種で、葉っぱが柔らかく、葉っぱ同士がこすれると糸状の繊維(フィラメント)が出てくるのが特徴です。
耐寒性は、ユッカの中でもかなり強いほうで、気温がマイナス25℃くらいまでは、枯れることなく耐えることが出来ます。そのため、雪が積もるような土地でも地植えが可能な品種です。
フィリフェラ
出典:https://blogs.yahoo.co.jp/wonder_plants_japon/11875461.html
こちらも同じく葉っぱが擦れ合うことで、糸状のフィラメントが出るユッカです。フィラメントーサが低木であるのに対し、フィリフェラは、どっしりとした幹の上にフィラメントを付けた葉っぱが生えています。
葉っぱに細い繊維が付いた不思議な樹形は、インテリアプランツとしても、存在感が抜群ですが、葉っぱの先が鋭く尖っているので、小さいお子さんがいる家庭などは、怪我をしないように気をつけてくださいね。
デスメティアーナ
出典:http://www.uni-green.net/?pid=123531242
ユッカは、通常1年を通して葉っぱの色は緑色なのですが、このデスメティアーナは、冬になると、葉っぱ変色して紫色になる変わり種です。
葉っぱが紫色に変わった時の独特な色合いのスタイリッシュな葉っぱが、下に向かって垂れる姿が美しく、人気が高いのですが、その分価格も高く、同じサイズのエレファンティペスと比べると、倍以上のかかくせっていになっています。
エンドリッキアーナ
出典:http://buyee.jp/item/yahoo/auction/u180810564
よく目にするユッカの樹形とはまるで異なりますが、この品種もれっきとしたユッカの仲間です。テキサス州に生息するエンドリッキアーナは、国内での希少価値が高く、時々インターネットでの販売を見かける程度です。
葉っぱは、先が尖った三角形ですが、硬い棒のように見えます。葉先は、少しだけ黒くなっており、ヒゲが生えています。生長がとても遅く、1年間で葉っぱがようやく1~2枚生える程度なため、ほとんど樹形が変わらず、剪定をする手間はいりません。
ロストラータ
出典:http://www.uni-green.net/?pid=108069569
ブルーグレーをした細い葉っぱが、放射状に広がるため、幹の上にブルーグレーのボールがあるような、とてもお洒落な印象を与えます。
生長が遅いので大きな株にするには時間がかかりますが、剪定をする手間がかからないというメリットもあります。耐寒性・耐陰性に優れており、温度管理が簡単で育てやすいですが、希少価値が高く、高価な金額で取引されています。
リギダ
出典:http://wonderplantsjapan.com/products/yucca-rigida/
「ブルーユッカ」との別名を持つほどきれいな葉色を持つ品種で、葉っぱは、シルバーブルーに輝いています。
耐寒性に優れており、マイナス12℃くらいの気温まで耐えることが出来るため、簡単に冬をこすことが出来る品種ですが、こちらも希少価値が高いため、販売価格も高価なユッカです。
グロリオサ
出典:https://green-people.jp/recommend/page/14
「アツバキミガヨラン」の和名があるグロリオサは、明治時代に渡来し庭園樹として多くの家庭で利用されてきた品種です。
太くて先が尖った葉っぱが特徴で、和名である“アツバ”とは、厚みのある葉っぱということで、他のユッカよりも葉先が鋭く尖っているので、扱うときには注意が必要です。
生命力が強く丈夫で育てやすい品種ですが、大型種なので鉢植えで育てるよりは、庭園樹など、地植えで育てるのが基本です。
トレリー
出典:http://webcache.googleusercontent.com/search?q=cache:http://www.ezimport.co.jp/product.php?id=g240101787
砂漠地帯が原産の品種で、生長すると最大5mにまでなります。シルバーグリーン~シルバーブルーの美しい葉色の葉っぱは、剣のように先が鋭く細長い形をしています。
葉っぱから取れる繊維は、籠細工やマット、ロープや布などの原料として用いられています。そのためなのか、国内で観葉植物として流通することはめったにありません。
トレクレアナ
「スパニッシュダガー」とも呼ばれるこの品種は、テキサス州の高山地帯に自生しているユッカです。樹高は150cmほどで、樹皮が灰褐色をしています。きれいなシルバーブルーの葉色をした葉っぱは、先が鋭く尖っており、舟型に反っています。
葉っぱの長さは50cm~60cmと長く、その葉っぱが、幹の上から放射状に生えます。また、時期がくると、しろい釣鐘型の花が密集して咲き、見る人を楽しませます。が、こちらもトレクレアナ同様、国内での流通がほとんどない、希少品種です。
まとめ
ユッカの種類について紹介しました。中には、希少性の高い品種もありましたが、どの品種も丈夫で育てやすい観葉植物です。オシャレな上に育てやすい。そんなユッカをぜひ生活の中に取り入れてみてはいかがでしょうか?