観葉植物を育てたいけど、観葉植物って大きくて場所をとってしまうイメージがあります。でも、中にはテーブルの上やちょっとした場所に置いて楽しむことができる小さな観葉植物もあります。小さな観葉植物を紹介します。
観葉植物の小型の種類と育て方
エンゼルランプ
エンゼルランプは、多肉植物であるカランコエの仲間で、中に水分が詰まった多肉質な葉っぱを持つ植物で、釣り鐘状の赤いランプのような花を咲かせるのが特徴です。
エンゼルランプは、高温多湿な状態にあると下の方にある葉っぱが、ポロポロと落ちてしまうことがありますが、秋のはじめ頃に株元で切り戻すことによって、新たに芽を出します。エンゼルランプの大きさは、15cm~30cmほどです。
エンゼルランプの水やり
この植物は、多肉植物で葉っぱに水分を蓄えているため、過湿な状態が苦手なので、やや乾燥気味に育てるのが管理のコツです。
春と秋には、土の表面が乾いてから更に2~3日後に、鉢底から水が染み出るまでたっぷりと水やりをして下さい。また、夏と冬の間は、水やりの間隔を更に空け、より乾燥気味にそだてるようにします。
エンゼルランプの置き場所
基本としては、日当たりと風通しが良い場所に置いて育てます。ただ、真夏の直射日光が当たる場所では、葉焼けなどにより株が弱ってしまうことがあるので、夏場は、少し場所をずらすか、レースのカーテンなどをして、直接日光が当たらないようにしましょう。
春や秋の晴れている日は、定期的に戸外で日光浴をさせることでより元気な株に育ちます。多少の耐寒性はありますが、霜に当たると株が弱ってしまうので、冬の間は、よく日が当たる暖かい室内に移動して下さい。生育適温は15℃~20℃です。
エンゼルランプの肥料
4月と9月には、緩効性の肥料を置き肥し、生長期である5月~8月にかけては、水で1000倍に薄めた液体肥料を月に1回程度、水やりの時に与えます。
エンゼルランプの葉っぱの色が悪くなったときには、薄めた液体肥料を霧吹きなどで葉っぱに散布することで、回復します。
エンゼルランプの増やし方
生命力の強い植物なので、挿し木によって簡単に殖やすことが出来ます。挿し木というのは、植物の一部を切り取り、それを土に挿すことで同じ植物を殖やすことです。
エンゼルランプの挿し木の適期は、4月の半ばから6月で、茎を5~10cmほど切り、切り口を乾かした後に、茎の先端の葉っぱを数枚残し下についている葉っぱを取り除きます。その後、茎の切り口に発根剤を付け用土に挿して下さい。
ギヌラ
出典:http://syokubutu-kanyou.com/gynura-sodatekata-1195
ギヌラは、40種類ほどの品種がありますが、その中で観葉植物として広く流通しているのが、『パープル・パッション』という品種です。
赤紫色をした新芽は、その色合いがとても美しく、その葉っぱが大きくなると、葉っぱの表面が緑色で、葉裏は紫色になり、葉っぱ全体は、紫色の短毛に覆われています。
ギヌラの生長は早いため、新芽の美しい姿を見れる期間は短いのですが、摘心を繰り返すことで、姿が整い見栄えが良くなります。春から秋にかけては、オレンジ色の花を咲かせますが、悪臭を放つため、取り除いたほうがいいでしょう。
ギヌラの大きさは、10cm~50cmほどです。
ギヌラの水やり
春から秋の生長期の間は、土の表面が乾いた後、半日から1日経ってから水やりをして下さい。秋の終わりから春になるまでの間(冬の間)は、やや乾燥気味に育てます。水やりも、土の表面が乾いてから3~4日経ってから水やりをするようにして下さい。
ギヌラの肥料
生長期である4月~9月に、2ヶ月に1回程度緩効性の化学肥料を置き肥して下さい。ただし、肥料を与えすぎると、葉っぱのツヤや色が悪くなるので、少量ずつ与えて下さい。
ギヌラの置き場所
日当たりの良い場所を好むので、生長期にあたる5月~9月の間は、なるべくベランダなど戸外に出して日光浴をさせるようにして下さい。そうすることで、葉色がより美しくなります。
ただ、夏の強すぎる直射日光に当ててしまうと、葉焼けなどをして株が弱る可能性があるので、半日陰の場所や明るい日陰の場所で管理しましょう。冬の間は、室内の日が当たる明るい場所に置いて、株が弱らないように注意して下さい。
※半日陰とは、一日の内の数時間だけ日が当たるような場所をさします。例えば、午前中だけ日が当たる場所や午後だけ日が当たる場所が、半日陰の場所です。
ただ、午後から日が当たる場所は、西日であることも多く、植物にとっては、その日差しが強すぎる場合が多いので、なるべくは、東側の午前中の日差しが当たる場所で育てるといいでしょう。
ギヌラの増やし方
挿し木によって殖やします。適期は、4月~7月の間です。茎の一部(2~3節)を切り取り、その下の方に付いている葉っぱを切り落とし、バーミキュライトの用土に挿します。挿し穂に残っている上の方の葉っぱは、半分ほどカットし、葉っぱの面積を小さくしておきましょう。
クラッスラ
クラッスラは、テーブルの上でも育てらるような小さな品種もあれば、数メートルにもなる大型の品種もあります。小型種には、春秋型と呼ばれる、生長期が春と秋にある品種が多く、「火祭り」や「月光」といった品種があります。
クラッスラは、時期がくると小さな花を咲かせます。花自体は小さいのですが、一箇所にかたまって沢山咲くため、花を楽しむことも出来ます。クラッスラの大きさは、15cm~40cmほどです。
クラッスラの水やり
育てるクラッスラが、何型種かによって、多少季節によって異なりますが、基本としては春と秋には、土の表面が乾いてからたっぷりと水やりをしましょう。寒くなりはじめたら水やりの間隔を空けて冬の間は、乾燥気味に育て、水やりをする時は、暖かい日の昼間に与えるようにして下さい。
クラッスラの肥料
多肥の必要はなりませんが、肥料を与えるならば、生長期の間に1~2回ほど緩効性化学肥料を少量与えるか、薄めた液体肥料を与える程度で大丈夫です。
クラッスラの置き場所
耐陰性があるため、室内のみで育てることが出来ますが、もともと日の光が好きな植物なので、室内であっても、日当たりと風通しの良い窓際などに置いて育てたほうが良いでしょう。また、株を丈夫に育て、花を楽しみたいのであれば、定期的に日光浴をさせるといいでしょう。
クラッスラの増やし方
挿し木や挿し葉で殖やします。適期は4月~6月です。新しい枝を切り取るか、葉っぱを1枚切り取った後、切り口を乾かして、鉢に準備した川砂などに浅く挿します。挿し穂を葉っぱにする時は、葉っぱを立たせるために、水苔などで支えて挿して下さい。
シンゴニウム
出典:出典:m-plant(エムプラント)
シンゴニウムは、矢尻のような形の濃い緑の葉っぱに白い斑が入る、葉っぱを楽しむ観葉植物です。シンゴニウムの大きさとしては、15cm~1m程なのですが、小さめの植物の割には、葉っぱが大きく可愛い雰囲気があります。
シンゴニウムは、半つる性の植物なので、茎を長く伸ばし、自生している場所では、周りにある植物などに絡みつきながら育っていきます。矢尻型の葉っぱは、生長とともに徐々に膨らんで丸い葉っぱになり、成熟すると切り込みがいくつも入り、鳥の足のような形に変化します。
シンゴニウムの水やり
原産地が熱帯アメリカであるため、高温多湿な環境を好みます。生長期である5月~9月にかけては、水分を多く必要とするため、土の表面が乾きだしたらすぐに、鉢底から染み出るくらいたっぷりと水を与えて下さい。
特に、夏場は水分も蒸発しやすく、水切れによって枯れてしまう可能性もあるので、毎日水やりをしたり、葉水の回数を多くして湿度を高めるようにして下さい。冬場は、4~5日に1回程度の水やりで乾燥気味に育てることで、寒さに強い株になります。
シンゴニウムの肥料
肥料を与える時は、生長期である5月~9月に、1000倍ほどまでに薄めた液体肥料を月に2~3回ほど与えてください。
もし、シンゴニウムが弱っているときには、肥料は与えないで下さい。栄養が吸収できず、余計に弱ってしまう可能性があるので、その様な時は、活力剤などを与えると良いでしょう。
シンゴニウムの置き場所
強い日の光は苦手なので、1年を通して半日陰から明るい日陰に置いて育てて下さい。特に夏場は、直射日光が強くなるので、半日陰の場所に置いて育てるようにしてください。
春と秋から冬にかけては、明るい日陰や室内において育てると良いでしょう。耐陰性があるので、多少の日陰であれば育つことが出来ますが、ずっと日陰に置いて育てると、徒長してしまうので、定期的に日光浴をさせると、元気な株に育ちます。
シンゴニウムの増やし方
挿し木によって殖やすことが出来ます。適期は5月~7月で、伸びた茎を切って利用します。
茎を切る時は、葉っぱを2枚だけ付けて切り取ります。土に挿す側の切り口を、水で湿らせた水苔で包んで輪ゴムで止めます。そのままバーミキュライトの用土に植え、発芽発根したら、別の場所に植え替えます。
フィットニア
出典:https://item.rakuten.co.jp/marukyo-store/10001650/
茎が地面を這うように生長するフィットニアの葉っぱには、網目のように白い斑が入るため、「アミメグサ」という別名があります。
大きさとしては、10cm~30cm程ですが、大きく育てる場合は、茎を切り込んで分枝させてください。そうすることで、こんもりとした可愛い樹形になります。
フィットニアの水やり
生長期である4月~10月ころまでは、土の表面が乾いてきたら、鉢底から染み出るくらいたっぷり水を与えて下さい。冬場は、水やりの間隔を空け、乾燥気味に育てます。
フィットニアは、地面を這うように育つため、茎や葉っぱに覆われて土が見えにくいので、指で直接土を触って乾き具合を確認しましょう。
フィットニアの肥料
6月~9月の間に、1ヶ月に2回程度、1000倍に薄めた液体肥料を与えるか、月に1回程度か緩効性化学肥料を置き肥して下さい。
フィットニアの置き場所
高温多湿な環境を好み、寒さには弱い性質があります。また、強い光を受けると葉焼けをするので、明るい日陰に置いて管理して下さい。
晩秋から春咲きまでは、直射日光が当たらない暖かい室内に置いて下さい。窓際に置く時は、レースのカーテンなどで直射日光を遮るようにして下さい。
フィットニアの増やし方
4月~7月に、挿し木か株分けによって殖やします。挿し木は、茎を7cm~8cmほどに切り、茎の上の葉っぱを2枚ほど残し、下の葉っぱを切り落とします。残した葉っぱも、半分ほどの大きさにカットした後、用土に挿して下さい。
株分けの場合は、株の根っこをほぐした後、それを根っこごと2~3つに分けて新しい用土に植え付けましょう。
プテリス
出典:https://item.rakuten.co.jp/ayanas/p-227/
“シダ”の一種で、日本にもプテリスの仲間が自生していることから、日本の気候にも合う植物で育てやすいです。
美しい葉っぱを持つ種類が多く、種類の中には、葉っぱに斑が入った品種もあります。大きさは20cm~50cmほどで、インテリアとしても楽しめます。
プテリスの葉っぱは、柔らかくて繊細なため乾燥すると、チリチリになってしまうことがあります。それを防ぐためには、葉水をして湿度を高める必要があります。
プテリスの水やり
シダの一種であるプテリスは、多湿な環境を好みます。生長期である4月~9月の間は、土の表面が乾いてきたら、鉢底から染み出るくらいたっぷり水を与えて下さい。また、葉水の回数も多くし、空気中の湿度も高く保つようにしましょう。
冬に近づき気温が下がってくるとともに、水やりの回数も少なくしていき、冬の間は乾燥気味にします。
プテリスの肥料
生長期の5月~9月の間、2~3ヶ月に1回、緩効性化学肥料を与えるか、1ヶ月に1回薄めた液体肥料を与えて下さい。もし、冬の間でも育成適温(20℃~30℃)をキープできる場所で育てる場合は、月に1回薄めた液体肥料を与えましょう。
プテリスの置き場所
年間を通して明るい日陰か室内の明るい場所に置きましょう。5月~9月にかけては。ベランダ置いて育ててもいいですが、直茶日光が苦手なので、明るい日陰か半日陰の場所に置いて下さい。
プテリスの増やし方
5月~7月の適期に、株分けによって殖やします。鉢から根っこごと引き抜き、古い土を落として根っこをほぐした後、1株に5~6枚の葉っぱを付けて、2~3株に分けます。その後、新しい用土を入れた鉢に根を広げて植え付けます。
テーブルヤシ
テーブルヤシは、卓上で育てることができる、小型のヤシの代表格ともいえる植物で、葉っぱが細く繊細で、その涼し気な樹形に人気が集まっています。
ヤシといえば、南国のイメージが強いため、寒さに弱い印象がありますが、テーブルヤシは、ヤシの中では比較的寒さに強い種類です。そのため、霜にさえ当たらなければ、気温が0℃近くまであっても耐えてくれ、冬場に室内で管理すれば、越冬することも出来ます。
ただし、冬場にもテーブルヤシの美しい樹形を保っておきたい場合は、10℃以上の気温が必要になります。育てている途中で、葉っぱの色が悪くなったときには、強い日の光に当たったことによる葉焼け、害虫(ハダニ)による被害、肥料切れなどによる原因が考えられます。原因に合った対処方法でケアして下さい。
テーブルヤシの水やり
生長期である4月~9月の間は、土の表面が乾いたら、鉢底から染み出るくらいたっぷりと水を与えて下さい。また、水やりをする時に、土の上に水をかけるのではなく、株の上から水をかけたり、葉水をしたりして湿度を高めるといいでしょう。
生長期をすぎると、少しずつ水やりの間隔を空け、冬場は乾燥気味に管理し、春先まで水やりは控えめに育てて下さい。
テーブルヤシの肥料
あまり肥料を必要としませんが、肥料を与えることで、生長が早くなります。肥料を与える時は、生長期の間に、薄めた液体肥料を月に2回ほど与えるか緩効性肥料を置き肥して下さい。
テーブルヤシの置き場所
テーブルヤシは、半日陰や優しい日の光を好み、直射日光に当たると葉焼けを起こしてしまいます。そのため、1年を通して室内の明るい場所に置いて管理して下さい。
ただ、長い間日陰に置いて育てると、徒長してヒョロヒョロとした株になってしまうので、その様な場所で育てる場合は、戸外の半日陰や明るい日陰に出して、適度に日光浴させましょう。そうすることで、樹形が整います。
また、室内での置き場所に関しても、テーブルヤシは葉っぱが薄く繊細であるため、冷暖房の風が直接当たるような場所に置いてしまうと、葉っぱが痛むことがあるので注意が必要です。
テーブルヤシの増やし方
5月~6月の間に、株分けによって殖やします。株を根っこごと鉢から引き抜き、古い土を取り除いた後、根っこをなるべく傷つけないようにしながら株分けします。株の大きさによって、株分けする数を決めるといいでしょう。株分けした後は、用意した鉢に植え付け、最後に水をたっぷり与えて下さい。
まとめ
卓上やちょっとしたスペースが有れば置ける小さな観葉植物を紹介しました。職場のデスクの上や、ちょっとしたデッドスペースに飾ってインテリアグリーンを楽しんでみてはいかがでしょうか?