スパティフィラムの育て方|種類、植え替えは?

スパティフィラムの特徴、種類、枯れない元気な育て方について紹介します。

 

観葉植物スパティフィラムの特徴

サトイモ科スパティフィルム属のスパティフィラムの仲間は熱帯アメリカに30種類ほどが分布する常緑多年草で、おもに森林の湿地に自生しています。濃い緑色の光沢のある葉が茂り、その中に純白の花をたくさん咲かせます。

ミズバショウを思わせる気品ある花は仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ばれる仏像の光背に似た苞を持ちます。

 

中心の肉穂花序(ニクスイカジョ)と呼ばれるクリーム色の部分に多数の花をさかせますが小さく目立ちません。葉の深い緑色と白い花穂のコントラストが美しく、フラワーアレンジメントの切り花としても使われることがあります。

比較的、管理もしやすく枯れにくいため植物を育てることが初めての方にもおすすめの植物です。原生地は熱帯アメリカ、熱帯アジアです。

 

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観葉植物スパティフィラムの育て方

日光・温度・置く場所

スパティフィラムは耐陰性があり薄暗い場所でも葉を維持できますが、そういった場所で長期間管理していると花は咲きません。直射日光に当たると葉焼けを起こしますので強い日差しをさけた明るい場所が理想的です。

どちらかというと室内管理に適していますが春から夏のシェードガーデンや遮光したベランダなども適しています。年間を通して室内管理をする場合も、明るめの場所の方が葉のツヤを保つことができます。

寒さには弱く、耐寒温度は8~10度ですので冬場は室内で管理します。急な温度変化をさけるため気温が15℃を下回ってくるようになったら徐々に室内に移動します。

 

 

水やり

スパティフィラムはもともと高温多湿な地域に自生しています。湿度を好みますので春から秋にかけては鉢土の表土が乾く前にたっぷりとお水をやります。

水切れを起こすと一気に葉が下を向きます。そんなときはすぐに水を与えるか、乾燥がひどい場合には受け皿に水を張って鉢を沈め、底から給水する方法もあります。(腰水)

 

反対に鉢の中が常に湿った状態になると根腐れをおこしますのでなかなか乾かない時などはしばらく土への水やりを控えて葉水に切り替えます。(葉水とは、葉から少し離して霧吹きで水を吹きかけ葉から水分を吸収させること。病気や害虫の予防にもなります)

鉢土がなかなか乾かないときは大抵、根詰まりをおこしてますので植え替えの目安にもなります。秋以降は徐々に水やりを控えて土を乾燥気味に管理します。そうすることによって耐寒性もアップします。暖房などで乾燥した室内では葉水で空中湿度を高めると生育に適した環境がつくれます。

 

 

土はとくに選びません。市販の観葉植物用の土か、配合する場合は赤玉土7・腐葉土3などが適します。

 

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肥料

5~9月の生育期に2ヶ月に一回緩効性の化成肥料を置き肥します。肥料を与えることで花付きが良くなります。薄めた液肥を与えてもよいでしょう。

 

 

植え替え・株分け

スパティフィラムはとても根回りがよく根詰まりを起こしやすいです。お花を咲かせるため、また健康に維持していくためにも購入から2年ほど経つ成長旺盛なものは植え替えるようにしましょう。

5月~9月の間、鉢から取り出した根の1/3と古い土を取り除きます。そのまま一回りおおきな鉢に新しい用土で植え付けます。このときボリュームのある株は株分けと言って、根を分割して植えてもよいです。

 

パンパンに張った根は手でほぐしにくいので ハサミで根の上部に切り込みを入れてあとは手でほぐし分けます。あまり根にダメージがかかると回復にも時間がかかりますので気をつけます。そうして二つにわけた株を別々の鉢に植え付けます。

植え替えたらすぐにたっぷりと水をやり、しばらく水切れに注意しながら半日陰の場所で管理します。

観葉植物の『植え替え』のコツ|土、時期は?

 

開花時期

通常5月~10月。スパティフィラムの成長する温度は20℃以上です。明るい場所であることや、温度や湿度管理、根詰まりをおこしていないことなど環境の条件が揃えば一年中開花します。

花が淡い緑色になってきたら花の終わりを意味します。花茎に根元の方から切ると、また次の花を咲かせます。

 

 

病気・害虫

病気はほぼありません。

 

カイガラムシ

葉や茎、幹について養分を吸汁して繁殖する、固い茶褐色の殻に覆われた虫です。蜜_状のべたべたした排泄物を出すため生育不良を起こすことがあります。成虫は見つけ次第取り除き、べたべたする場合は洗い流します。白い粉をまとったものはコナカイガラムシです。

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ナメクジ

屋外で暖かい時期に発生しやすく葉や新芽など、食べられる場所であればどこでも食害します。夜間に屋外で活動しているナメクジは昼間は鉢下などにひそんでいることが多いので、もしキラキラと光るナメクジが通った跡を発見したら鉢底などをさがしてみてください。市販のナメクジに効く薬剤なども売られています。

 

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グリーンディスプレイとしてのスパティフィラム

スパティフィラムは年間を通して常に葉をしげらせますので病院の待合室の植え込みなどに、また店舗の生け込みなどに何鉢か並べて置いても葉が枯れにくく病害虫がつきにくいことに加え、空気清浄効果もあることから常緑のグリーンが欲しいときはおすすめです。

 

プレゼントとしてのスパティフィラム

純白の気品ある花は「清らかな心」「上品な淑女」「包み込む愛」などの花言葉がありますので女性へのプレゼントにぴったりです。ポピュラーなイメージもあるスパティフィラムですが、植える鉢によって様変わりします。カゴに入れてナチュラルに、黒い鉢に植えるとシックに、茶色やベージュの焼き物の鉢などに植えると温かみのあるインテリアになります。

お店の開店祝いなどにもおすすめの植物です。

 

 

スパティフィラムの種類

 

スパティフィラム・メリー

よく一般的にスパティフィラムとして売られているもののおおくがこのメリーになります。花も良く咲き、葉もよく茂りバランスが良い品種です。温度など環境が揃えば一年中開花します。

 

スパティフィラム・ミニメリー

メリーの栽培中に変異で現れた4号鉢向きの小型の品種です。

 

スパティフィラム・カニフォリウム

原生地:トリニダードトバコ

原生地では草丈80~100センチほどで地下茎をのばして叢生します。葉は厚く大きく茎は多肉質で一見オーガスタのような葉姿にも似ています。

 

スパティフィラム・フロリバンドゥム(和名 ササウチワ)

原生地:コロンビア

小型のスパティフィラムです。葉はやや肉厚で淡い緑と濃い緑の濃淡が見られます。メリーよりも葉が明るい印象です。他にも「ミリアン」や「ミニー」といったフロリバンドゥムの品種違いも存在します。

 

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まとめ

育てやすさと管理のしやすさ、上品で可憐なイメージから人気の高いスパティフィラムは今では植物のお店では鉢植えとして多く流通しています。なるべくこまめに葉水を与え、定期的に株分けや植え替えをすることによって美しい葉を維持し長く楽しむことができます。